New Year's Revolution 2006 評価:E
今年のNYRと言えばやはりWWE王座移動劇のサプライズですねー。まぁすぐ元鞘に戻ってしまうんですが。イリミネーションチェンバーもルーキーとベテランがごっちゃで不安が一杯です。さて、どうなることやら。


【IC王座戦】
リック・フレアー vs エッジ
 フレアーがいつもよりややハード目のバンプ取ってる気が。今試合はチョップの切れ味が良いね。


【女子王座戦】
トリッシュ・ストラタス vs ミッキー・ジェームス
 もうグダグダな女子王座戦線。トリッシュの苦悩は続く。


キング・ローラー vs グレゴリー・ヘルムス
 なんでこの試合が組まれてるのか理解に苦しむ。なんかヘルムスもやる気なさげだし。ハリケーンギミック終了後の姿は始めて見るが、なかなか良い。


HHH vs ビッグ・ショー
 手攻めというこれまたマニアックなテーマとアングルの下で構成された試合。ビッグショーのギブスがデカすぎるのが笑える。試合は一方が攻める展開が多くややダレがち。


シェルトン・ベンジャミン vs ヴィセラ
 やる気あんのかというカードその2。スキットは面白かったんだが……。後、いくらなんでもラストあの技はないでしょうに。


【ブラ&パンティーズ・ガントレットマッチ】
キャンディス・ミッチェル vs マリア vs トリー・ウィルソン
vs ヴィクトリア vs アシュリー・マッサーロ
(入場順に表記)
 頼むから女子王座戦とどちらかにしてくれ……。まぁトリーのハンドスプリングエルボーとか、メイ・ヤングとファビュラス・ムーラの乱入とか面白かったけど。


【WWE王座戦/イリミネーションチェンバー】
ジョン・シナ vs カート・アングル vs ショーン・マイケルズ
vs クリス・マスターズ vs カリート vs ケイン
 今回のチェンバーはメンバーが非常に興味深いですね。王者ながらチェンバー初体験、6人の中では明らかに若手のカテゴリに属するシナ。既に王座を何度もついているものの、過去3回の時はSDだったため今回が初参加となるカート。過去のチェンバーに全て参加しており、経験豊富で今試合の引っ張り役であるHBK。キャラは立っているもののいまいちパッとしたムーブを持たず、やや不釣り合いな感のあるカリート。外見は完璧、いくらなんでもと言われたマスターロック(ただのフルネルソン)もそろそろ認知されてきたものの、まだまだしょっぱさが問題なマスターズ。そしてこの面子の中ではやや陰が薄いが、何気にチェンバー経験者のケイン。3人ずつ若手とベテランが配され、チャンプは若手。そこへ格の問題とベビー&ヒールが絡み合い、非常に混迷とした構図です。
 肝心の試合ですけれども、やはりベテラン勢が引っ張る格好ですね。この手の形式が苦手そうなカートが短い出番の中で爆発してたのが印象的。ロープ越しの半回転式フロント&ジャーマンスープレックスなんて繰り出して対応してくるとは。HBKもお疲れ様なことです。
 そういう頑張りの一方、ラストに若手3人を残すという展開はWWE側の強い意思の現れでしょうね。ただ若手が期待に応えたかと言えば、それはまた疑問なのですけれども。 カリートの実質トペ・コンヒーロにはびっくりした。何かのインタビューでまだまだ開けてない技の引き出しがあると語っていましたが、これもその一つなんでしょうね。個人的には爆発すると思ってたシナが最初はともかく後半失速したのが残念。もっとハードバンプを期待していたのですが、何か優遇措置取られてるくさい展開で萎えますね。


【WWE王座戦】
ジョン・シナ vs エッジ
 そして今年一番(?)のサプライズ。なんとチェンバー戦後にマネー・イン・ザ・バンク発動でシナvsエッジが開始。とはいえチェンバー戦をくぐり抜けたシナと、第1試合をあっさり終わらせたエッジでは大きな差があり……


 何度も繰り返しますがMITB使うタイミングが良かったですね。長いチェンバー戦が終わって、PPVも終わると思ったタイミングで「No Chance」が鳴りだしビンス登場。まだ帰るな云々言い出したのには笑いつつもかなり虚を突かれましたし、戦前予想でも「カートかHBK当たりに王座移るんではないか」なんて話されてたのに、関係ないエッジがいきなり王座戴冠なんて、驚きを通り越してシュールですらありますね。
 とまぁ褒めたたえたわけですが、サプライズだけのPPVと言われても否定しにくいですね。せめて去年並のチェンバー戦が見られれば良かったのですが、若手3人残すという決断が響きました。

(執筆日:2006年5月19日)


No Way Out 2006 評価:A
今年のノーウェイアウトはまさにカートvsテイカー戦一色。カッコいいプロモでテンションを高めつつ、世界観の異なる2人がどのような戦いを見せてくれるのか、期待と不安が募ります。


【クルーザー級王座戦/バトルロイヤル(サドンデス方式)】
グレゴリー・ヘルムス vs シコシス vs スーパー・クレイジー vs ナンジオ
vs フナキ vs ブライアン・ケンドリック vs キッド・キャッシュ
vs ポール・ロンドン vs スコッティ・2・ホッティ
 近年のWWEのクルーザー級のさり気ない充実度を知らしめる試合。ミステリオが華ありすぎたため、トップ戦線移行後のクルーザー級は陰が薄いですが、実は実力者揃いなんですよね〜。シコシス以外はほとんど皆、見せ場貰ってます。シコシス頑張れ。


JBL vs ボビー・ラシュリー
 まず外見上、パワー派としてJBLが完全に負けてるのが驚き。試合の方ですがJBL攻めすぎ。そしてラシュリーも攻めをベリートゥベリーに頼りすぎ。関節技ぐらい使いましょうや。


MNM vs マット・ハーディー&タタンカ
 アニマル・ウォーリアーに続き、マットのレジェンド共演マッチ第2弾(?)。変わった連携やったりと色々頑張ってます。お疲れ様。


【US王座戦】
ブッカーT vs クリス・ベノワ
 小芝居がうざったい。試合そのものはまぁまぁ面白かったのですが。ブッカーが久しぶりにヒューストンハングオーバー出したりしてて、かなり頑張ってる感が。ベノワのシャープシューター→クロスフェイスの流れもカッチョイイですね。


レイ・ミステリオ vs ランディ・オートン
 昔から気になってたんですが、オートンって技のセレクトが凄い歪な気がします。RKOは良いとして、通常技が異常に少ない上に変わったやつばっかりな印象が強いです。確かに背高い印象が強く、スマートすぎるのであんまり似合う技無いような気もしますが。パワースラムにしてもドロップキックにしても綺麗だとはいえオートンが使うってのは違和感を感じます。背生かしてて似合ってると感じるのは、カナディアンバックブリーカーの体勢からのネックブリーカー(?)ぐらいですか。
 一方のミステリオは、05年に対ヘビー級戦線に参加するためクルーザー的ムーブが抑え気味だった印象がありますが、この試合を見る限りではウェイト絞ってクルーザー色を強くした上でトップ戦線行く流れなんでしょうか。その辺りを考えると複雑な心境ではあるものの、良い動きしてるのを見て「これこそミステリオだよな」という思いが沸いたのも事実。ここまで動くミステリオ見たのは久しぶりな気がします。
 ……等と延々と考えさせられたわけなんですが、試合自体は普通に良かったですね。フィニッシュムーブを最後まで出さない展開もたまには良し。オートンのアピールが冴え渡って良い感じでした。


【世界ヘビー級王座戦】
カート・アングル vs アンダーテイカー
 いやはや豪勢な対決でした。2人のスタイルからして打撃&関節祭りになるのは自明の理とはいえ、あまりにも渋すぎて名前倒れになりはしないかと、ちょっと心配してました。確かに前半はじっくりとした試合が楽しめる人でないとやや退屈かもしれませんが、少なくとも場外戦以後は万人が楽しめる、興奮した展開になったかと。いやはや、WWEという団体で、打撃&関節を中心に置いた試合をして、なおかつメイン締めれたってのはありえないですね。
 テイカーが、かつてフィニッシュムーブになったこともあり、普段も偶に使っている三角絞めをメインウェポンに据えてガンガン使ってきたのには感激。対カートならではって感じです。
 対するカートもテイカーの3大フィニッシュムーブからの切り返しアンクルロックや、断崖式レッグドロップからの切り返しアンクルロックを惜し気もなく披露してきて、こちらも対テイカーならではといった按配ですね。
 不満があるとすればラストかなぁ……。アレはアレでいいんだけど、ああいう締め方するんだったら第2ラウンドもやって欲しいですよねぇ。クリーンフォールorギブアップの結末が見たい! てかそもそもWMでやるべきカードでしょうに。今更ですけど。


 ほぼ全ての話題がテイカーvsカートに集約されていた今PPV。ロングマッチが多く、試合数も6試合とかなり少ないのでDVD・興行としての評価は難しいですね。またその試合も、超興奮できる名試合というよりかは、渋くてじっくり楽しめるという感じなので、いつものように勢いで決めるわけにもいきません。慎重に考えた上でAランクとさせていただきます。

(執筆日:2006年6月22日)


Back Lash 2006 評価:C
今回のバックラッシュはメインの3Wayが楽しみですね。HBKvsマクマホン親子は神をめぐるアングルが意味不明で空振り気味だったのが痛いです。が、試合内容には期待。


クリス・マスターズ vs カリート
 若手同士の対決。両者共成長しているのが分かりましたが、特にカリートは良くなってますね。今回はムーンサルトやスワンダイブ式リバースエルボー等、飛び技の分野の引き出しを開けてきましたし、低空ドロップキックもかなりイケてます。
 一方のマスターズはNYRからは全然成長してますが、まだまだパワー系の技を出してるだけで、間を考慮してない感が強いです。ターンバックルパワーボムも別にまだいらんでしょうに。それと受けが弱いですね。ムーンサルト受けもそうですし、もう一箇所どっか目に付きましたね。


リック・フレアー vs ウマガ
 ジャマール……。せっかく呼び戻してこの扱いは可哀想です。フレアーにとってもよくない。それとサモアンスパイク始めて見ましたが、ビジュアル的にイマイチすぎでしょう。
 そういえば試合が短かったせいか、フレアーが自身の魅力を詰め込んでます。良いやられっぷり・攻めっぷりでしたね。最高。


【女子王座戦】
ミッキー・ジェームス vs トリッシュ・ストラタス
 とりあえず一言。 ミッキーは試合すんな!


【IC王座戦/マネー・イン・ザ・バンク(勝者総取り)】
シェルトン・ベンジャミン vs ロブ・ヴァン・ダム
 まずはシェルトンの入場時の格好に吹いた。グラサンが絶妙すぎる……。
 試合はクドい展開とかムーブお披露目会っぽくなった場面もありますが、結構な長さ貰ってて、なかなか良かったです。シェルトンはシングル転向以降、行き詰ってる感がありましたが、今試合では色々な可能性を感じました。もう何度かRVDと対戦したら何かしら開花するかもしれませんね。


ケイン vs ビッグ・ショー
 超大型レスラー同士の対決はただの映画の宣伝でした。こんなのRAWでやれ……


【ノー・ホールズ・バードマッチ】
ビンス・マクマホン&シェイン・マクマホン vs ショーン・マイケルズ&神
 初めにも書いたとおり、意味不明系アングルだった「神」。結局の所、何もいないのに照明がリングに向かって移動したりとか、レフェリーに凶器チェックさせたりとか、アホな光景が披露されただけでした。ここで”レスリング・ゴッド”JBLが番組移籍&ベビーターンとかだったらそれなりに面白かったかもしれませんが。でもこの構図だとHBKがJBLを信仰する形になるんで無茶すぎか。
 で、試合の方ですが、シェインがDDTに一本背負い風投げ、バッグドロップと普通にプロレス技やってバンプ取ってるのには感心しました。後はHBKがプランチャ→トペ・コンヒーロやら、ラージサイズラダーから場外のスピリットスクアッドへダイブ決めたりと過激すぎるムーブにビックリ。つうかラダーからのダイブは明らかにバランス崩してて、受ける側もかなり危なかったです。
 後はスピリットスクアッドの合体技:ハイ・スピリットを始めて見ました。まぁWWEならではって感じでよろしいんではないでしょうか?てかあそこまで飛ぶもんなんですね。


【WWE王座戦/トリプルスレットマッチ】
ジョン・シナ vs HHH vs エッジ
 結構期待してたんですが、かなり微妙な試合でした。
 シナは昨年大いに成長し、最大の長所となった攻撃ラッシュのリズムの良さは相変わらずなんですが、あまりにもパターン化しすぎてる上に、今試合ではそれを序盤にやってしまったせいで、後はSTFUやってる印象しか残らないのが痛いです。
 エッジはスピアー劣化しすぎでどうしようもない。実況席貫通エッジキューションはかなり良かったんですが。ただ試合の立ち位置としてはアレで正解。
 そしてHHHなんですが、別に悪くはないんですけど、特に印象に残る仕事振りってわけでもなかったです。
 なんなんでしょうね……この散漫さは。出す時に出すべきムーブを出さず、別のムーブ出してる感じがして、チグハグ感があります。でも誰が悪いというわけでもなく、純粋に相性悪いんじゃないかなーと思いました。またはブックが悪かったか。


 まとめ。本編は普通に流しちゃってOKです。それと特典映像枠にジョーイ・スタイルズのロングスキット(RAW実況を辞める際にガチ風演説をしたやつ)が入ってたのは嬉しいですね。

(執筆日:2006年7月31日)


Judgement Day 2006 評価:B
今年のJDは正直なところカードが……。ちょっと勘弁してほしいですね。


【WWEタッグ王座戦】
MNM vs ポール・ロンドン&ブライアン・ケンドリック
 ロンドン&ケンドリックの衣装がえらく変わってますね。試合前に脱いじゃう白仮面のセンスはともかくとして、あのズボンではかなり動きにくそう……
 試合自体はそこそこの熱戦。何故か全員勢いよくリング外に放り出される場面が多く、かなり印象に残りました。ロンドン&ケンドリックの安定具合も今更言うまでもなく。MNMもそう悪くはありませんでした。あ、でもスナップショット出すのが早すぎ。


クリス・ベノワ vs フィンレー
 カード見て分かる通りの渋く熱い試合。フィンレーは一切投げず打撃とグラウンドだけで攻めてていて、イチイチ痛みが伝わってきますね。


メリーナ vs ジリアン・ホール
 どれだけ塩試合になるかと思っていたら、予想外にマシでびっくり。プロレス技こそ少ないもののプロレスしてる感があります。後メリーナは変に奇をてらいすぎ。


【クルーザー級王座戦】
グレゴリー・ヘルムズ vs スーパー・クレイジー
 結構楽しみなカードでしたが、期待に応えてくれました。クレイジーのおちょくり系ムーブがなかなか似合ってて良かったです。無論、技術面・身体能力面は言うに及ばず。ヘルムズも何故かネックブリーカーマニア化してたものの、しっかり受けて攻めてついてきます。
 ただ残念だったのが終盤。お互い手札切りすぎてちょっと散漫になり、動きのキレまで悪くなってショボかったのが痛いです。


カート・アングル vs マーク・ヘンリー
 もうカートがガチ怪我されないか心配で仕方ありません(><) まぁ……結果分かってるんですけどね。
 いきなりカートが謎の飛び技(前方回転ヒップアタックfromセカンドロープ)してて笑った。試合はもうしょっぱくて仕方が無いです。カート攻めてる時は大歓声ですし、彼も精一杯塩抜きしようと頑張ってたんですが。流石に無理でしたか……。
 むしろ試合後のアングル大暴走の方が爽快感溢れて楽しいかも。


ブッカーT vs ボビー・ラシュリー
 試合前のKORの歴史をまとめたプロモで、案の定レスナー戴冠(2002年)が無かったことになってて複雑な気持ちに。
 試合はじっくりまったりとパワーファイトを堪能できました。てっきりしょっぱくなるかなと思ってただけに意外です。ラシュリーが全体的に成長してますね。良さげ。


アンダーテイカー vs グレート・カリ
 グレート・カリはガチでデカイですね!クルーザー階級が主力の団体を最近よく見てたので、凄く違和感らしきものを覚えたりもしましたが、「デカい」ことの魅力を再確認。まぁこういうのに限って超塩ってのは多くの先人が歩んできた道なんですが。彼もまた例外ではありませんでした。


【世界ヘビー級王座戦】
レイ・ミステリオ vs ジョン・ブラッドショー・レイフィールド
 去年のノーマーシーでも戦ったこの両者。圧倒的身長差は相変わらずとして、ミステリオの体重が77キロと呼ばれたことにびっくり。去年、対ヘビー路線で増量してた時で確か90キロ台あったような……。膝の負担のことがあるんだろうけども、流石にこれでは茨の道は避けられませんね。でも頑張ってほしいです。
 結論から言うと良試合であり、かなり意欲的な内容になっています。頭へのキックやローキックの多さ、ムーンサルトアタックやクロスボディを全身でしっかりと当てていく技術、そして受けて受けて一気に返していくカタルシス……。古典的アメプロ(=現WWE)の世界観で、クルーザー階級がヘビーにクイック以外で説得力ある勝利を得るにはどうすればいいのか。方法論の一つが見えた気がします。欲を言えば終盤はもっと攻めるべきでしたが、まぁアングルの力があるので今回はこれでも良し。


 どう考えても危ない対戦カードは短めで切り、信頼ある連中の試合は長く取る。SDはイマイチ人気のある面子が少なく、またカード的にも恵まれていない今年のJDでしたが、終わってみればかなり頑張ったPPVだったと思います。特にメインはこれからのプロレス界を考える上で結構重要な試合という気がしました。
 後、SDはラシュリーやフィンレーといった鍛えれば伸びそうな人材や、クルーザー級に良レスラーが埋もれちゃってるんで、そういうのを発掘して華つけて売り出して欲しいですね。

(執筆日:2006年9月12日)


ECW One Night Stand 2006 評価:B
今年のONSは良いカードと微妙or悪いカードが半々ずつぐらいですね。去年よりかは試合面は充実してる風ですが、はたして……


タズ vs キング・ローラー
 流石にキング・ローラー相手に、引退して大分経つタズではオープニングマッチとして暖めるのも難しいと思いきや、あっという間の瞬殺劇。いやそれは正しいんだけど、わざわざ試合組んだ意味無くないか?


ランディ・オートン vs カート・アングル
 ランディの入場の目玉である火花の滝は会場が狭いので流石に出来ないだろうと思ったら、リングの上から降ってきたのには爆笑しました。アングルもECW用の新テーマで入場。You suckチャントが出来ないようになってるやつですね。これはこれでアリかと。
 試合は序盤からオートンがカートをすかすわ、顔芸やるわで良いヒールっぷりを発揮。ただオートンがあんまりグラウンドできないのをいいことに、アングルが思いっきり手玉に取りまくったため、ちょっと序盤〜中盤の展開が一方的で単調かも。でも流石に終盤のフィニッシュムーブ絡みの一連は魅せてくれました。特にRKOで飛んだ所を、そのまま叩き落してアンクルロック入ったのはシュールで笑えました。


F.B.I vs スペル・クレイジー&タジリ
 かなり楽しみなタッグマッチでしたが、やはりやってくれますね。FBIの2人は上手さを存分に見せつけ、タジリがWWE時代見せなかったルチャムーブを解禁し、クレイジーも太りましたがまだまだ頑張ります。特にリトル・グイドーの受けが素晴らしいです。ただ全員もう結構な歳になったせいか思ったよりスピードが無く、ちょっと形式的であったり、タイミングを測ったりな場面も見かけられたのが残念。まぁでもトータルで見たらやっぱり面白いですよ。うん。


【世界ヘビー級王座戦/ECWルール】
レイ・ミステリオ vs サブゥー
 ミステリオがガウン着て花火付き入場してきてかなり驚きました。色的には似合ってるけど、ちょっと体格的にガウンはしんどいな。(笑)
 いきなり椅子を持って対峙する絵はかなり異色ですねー。流石にレフェリーが黙ってませんが、試合開始後すぐに椅子チャンバラして笑った。その後はやはり空中技対決。2人とも年齢的には大分前にピークは過ぎてますが、まだまだやってくれます!ミステリオも椅子やスワンダイブで飛びまくりで良いですね。ラストのスワンダイブ式飛びつきDDTto場外テーブルはかなりの説得力がありました。


【ミックスド・タッグマッチ】
エッジ&ミック・フォーリー&リタ vs トミー・ドリーマー&テリー・ファンク&ビューラ
 まず抗争でのミックの言動がリアル入ってて面白かったですね。試合前のマイクで、かつてはECWを尊敬してたと振りつつオチがアライアンスアングル時代のステファニーGM讃歌だったのはかなり笑った。そしてテリーが今年で61と聞いて驚愕。もういい加減引退して下さいorz
 試合の方はやはりクラシカルなハードコアレスリング。様々な種類の凶器で殴りあいます。特にムーブ的には特筆することもないんですが、色々ネタを織り交ぜて楽しませてくれます。後半の方で、火がついた有刺鉄線付き角材でテリーがミックを殴った時に案の定ミックの服に若干引火してて笑った。


ボールズ・マホーニー vs 田中 将斗
 パワー派対決はあっさり終了。ちょっとわざわざ日本から来てこれはどうなんよ。田中は相手が悪かったと思ってまた来年(あるのか知らないけど)頑張ってください……。


【WWE王座戦/ECWルール】
ジョン・シナ vs ロブ・ヴァン・ダム
 シナの入場が滅茶苦茶カッコいいですね。極端なまでの完全アウェーという状況ということもあり、シリアスモードと合わさって凄く「敵地に殴りこんできた」雰囲気が出てます。客がしつこく投げこまれたTシャツをシナに投げ返したのにはかなり笑った。それはさておいても、ある意味WM20のレスナーvsゴーバー以上に困難な状況ですが、どうなるのでしょうか……?
 試合の方ですが、双方ともちょっと全力出し切れないまま終わっちゃいました。というのも歓声が凄すぎて、その相手をするために両者ともアピールしまくったため、通常の王座戦並の時間をかけたにもかかわらず、中身があんまり無いんですよね。凶器も椅子がほとんどで、なんというかWWEのNoDQマッチチックな感じです。欲を言えばテーブルとかラダー出して欲しかったんですけど……。
 シナはあの中でよく戦意を失わず試合できますね!その事だけでもうこの試合での彼の評価は高いと言わざるをえません。終いにはキルスイッチ(旋回式バックドロップボム)→5ナックルシャッフルの流れでアピールしまくってて圧巻でした。ムーブ的には基本の技に加えて今試合用に凶器を織り交ぜた技や珍しくダイブを見せましたし、ある意味クラシカルなアメリカンプロレス=WWEの体現者ですから、この方向性で良かったと思います。まぁシナのハードコアマッチは昔から定評ありますし、今回も全く問題無かったですね。
 一方、ホームで大歓声を受けつつ闘ったRVD。水を得た魚の如き勢いで、様々なムーブを解禁したり、既存のムーブでも気合を入れて攻め立てていきます。それと後半でRVDがシナをロープに乗せて何がしたかったのか分からん。急所攻撃か? RVDに関して言えば今試合はちょっと物足りないですよね。多分本人としてももっとムーブ出して客を沸かせたかったと思ってるだろうし、アピールで時間取られすぎたのは不憫な感じが。ヴァンダミネーターもほとんどやってないですし。久しぶりにfromコーナーtoコーナータイプとか見たかった……


【WWE vs ECW オーバー・ザ・トップロープ・バトルロイヤル】
<WWE側参加者>
ビッグショー、ランディ・オートン、マークヘンリー、タタンカ
シェルトン・ベンジャミン、マット・ハーディー、フィンリー、カリート
ボビー・ラシュリー、エッジ

<ECW側参加者>
カート・アングル、トミー・ドリーマー、テリー・ファンク、ジャスティン・クレディブル
リトル・グイドー、アル・スノー、サンドマン、スティービー・リチャーズ、ボールズ・マホーニー
 2回CMカット有り。 流石に通常サイズのリングでは人数多すぎて、マトモに試合できませんね。最後のサプライズだけが見物。ちなみに各10人ずつ参戦なんですが、ECW側が一度に入場したため1人だけ誰か分からないレスラーがいます。すみません。


 まずはミステリオvsサブゥーの前にやったJBLの演説が素晴らしすぎ!凄い的確なヒールのマイクっぷりはHHHを越えたかもしれん……。来年あるんなら是非ともJBLに試合していただきたいところです。(笑)
 PPV総評としては、良いカードは予想の範疇に収まり、悪いカードもなんとか塩試合寸前で踏みとどまったというところでしょうか。試合重視で組んだのにこれは痛い。残念ながらちょっと面白いPPVとしてしか評価できないですね。

(執筆日:2006年12月15日)


Vengeance 2006 評価:B
2006年のヴェンジェンスはどの試合も興味深いカードですね。あまり安定感のある組み合わせでは無いですが爆発したら面白いんじゃないかと。あとハンディキャップマッチがメインというのはちょっとどうかなと思います。


カート・アングル vs ランディ・オートン
 あまりにも豪華すぎるオープニングマッチ。しかしワンナイトスタンドでの対戦では今ひとつ盛り上がらなかったので少し怖くも感じます。
 試合はグラウンドの展開でスタートと思いきや、早くもカートが場外でジャーマンを出し、更には珍しいことにブレーンバスターを出すなどかなりの荒れ模様でスタート。オートンはカートをヘッドロックで捉えて締めあげますが、流石にあっさりと脱出されてしまいます。更には雪崩式のフロントスープレックス(呼吸が合わなかったか崩れまくり)まで食らってしまいオートンは窮地に陥ります。何とか返し技等で立て直そうとするも、カートの8連続ジャーマンという大技からフィニッシュムーブに繋がれては霞むばかりなのでした。ラストのオチがベタすぎることを除けば、オープニングマッチらしいスピードと派手さに溢れた良い試合だったと思います。


ウマガ vs ユージン
 まともにやったら面白そうな感じがするカードですが、あまりにも滅茶苦茶なセコンド陣を見た瞬間にスカッシュマッチだと確信させられました。そして期待を裏切ることなくその通りになってしまうのには閉口しますね。最後の対峙にしても「こんな抗争しても仕方がないだろう」と冷めた目で見てしまいましたよ。対峙した絵自体は中々滑稽で笑えるんですが。


【3本勝負】
ミック・フォーリー vs リック・フレアー
 プロレススタイルを巡るイデオロギー闘争となった試合。試合前のミックのインタビューも中々良く、もしかしたら面白い試合になるかもと期待させてくれます。
 ミックが「レスリングで勝負する」と宣言したため、試合はお互いの腕を取り合う展開からスタート。やはりレスリングでフレアーに勝てる訳も無くパワーで押していくも、流石にミックもロートルなので正直見ててしんどいですね。ただフレアーソッコだけはかなり笑えました。その後もどんどん試合は荒れていき、ある意味予想出来ていた結末を迎えてしまいます。前の試合に続けてこれはキツイ。


【IC王座戦/トリプルスレットマッチ】
シェルトン・ベンジャミン vs カリート vs ジョニー・ナイトロ
 潜在能力を持った中堅勢が勢ぞろい。一体どのような試合になるのか楽しみです。後、試合前のカリート絡みのスキットには爆笑させられましたね。それから入場時にアピールしてましたけど、ナイトロってあんな腹筋割れてましたっけ?そこまでムキムキなイメージ無かったのであれを見た時はちょっと驚きました。
 試合冒頭からハイスピードな丸めこみ合戦や3人入り乱れながらの攻防を繰り広げると、まずはカリートがロープを2回バウンドしてのトペ・コンヒーロを放ち観客の度肝を抜きます。更にはナイトロがTNAのピーティ・ウィリアムズが使ってるヘッドシザーズの入り方でロシアン・レッグスイープというムーブを見せれば、カリートがその場飛びのフランケンシュタイナーで観客から大喝采を浴びます。てかカリートの体格でその場飛びフランケンシュタイナーってかなり凄いんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
 ベンジャミンも負けるはずがなく、リング内からトップロープを越えて直接Tボーンスープレックスで投げ飛ばすわ、ターンバックル・アリウープなんて珍技を繰り出すわで観客の耳目を引きつければ、今度は3人がかりでモンキーフリップ→受け手が着地→待ち構えてた奴がドロップキックなんて斬新な場面を繰り出します。
 そしてこの試合を象徴するのが終盤のコーナー絡みでの攻防です。ナイトロを逆さ吊りにするところまでは普通でしたが、それ無視してシェルトンが直接コーナートップに大ジャンプしてカリートに雪崩式ブレーンバスター狙いに行ったのはビックリしましたね。しかも、やられてたナイトロが腹筋で体起こして、雪崩式ブレーンバスターを狙うベンジャミンごとスパイダージャーマンなんてムーブをやられた日には、会場の観客と同じく「Holy Shit!」の大合唱しかありませんよ!
 いやはや、とんでもない試合になったもんです。シェルトン・ベンジャミンの身体能力の高さは今さら言うまでも無いことですが、カリートもスワンダイブ式の飛び技を多用しますし、ナイトロもスカイツイスタープレスを使いこなすだけの運動神経の持ち主。どいつもこいつも運動能力が高いことは読めても、ここまでWWEらしくないデンジャラスなムーブや飛び技が入り乱れる激しい試合となるとは誰が予想できたでしょうか?WWEらしい緩急に富んだプロレスリングという意味では駄目だったかもしれませんが、体を張って全力で観客を楽しませたことは疑いありません。


【WWE王座戦】
ロブ・ヴァン・ダム vs エッジ
 シナを破ってWWE王座に輝いたRVD。更に新設されたECW世界王座にもついて2冠王だったのですが、今PPVではWWE王座だけをかけてエッジと闘います。ハードコアな展開になればそこそこ面白そうですし、煽りビデオが中々秀逸で盛り上げてくれます。
 RVDを知る人ならこの感覚を分かっていただけると思いますが、アクロバティックかつモッサリな攻防からスタートしたこの試合。攻防自体は中々トリッキーで良いんですが、いかんせんモッサリ……。しかしそんな空気もエッジが放った断崖式のサンセットフリップ・パワーボムで吹っ飛びました。いやぁWWEで見たの初めてじゃないでしょうか。もしかしたら数年前のPPVで見たことあるかもしれませんが……。
 その後もスポット自体は良いのですが、スポットごとに流れ途切れてしまい、やってることの割りには観客が盛り上がらないという辛い状況に。しかしエッジはおかまいなく フェンスへのパワーボム まで敢行。WWEのフェンスは分厚くて緩衝材入ってるとはいえ、完全に背中が反り返ってるしヤバいよ!またRVDの方はジャーマンスープレックスホールド (WWEでは初めて見たかも)を繰り出したり、変わった形でローリングサンダーに行ったりと、先の試合に続きこれまたWWEらしくない激しい展開が続きます。
 しかしそんな激しい試合でもエッジがダーティなムーブを繰り出し始め、雲行きが怪しくなった所へ最後はWWEらしいオチで締めるというのがにんともかんとも。(笑)オチ自体は滑稽さと壮快感溢れててかなり良かったんですけど。
 試合総評としては中途半端にECWテイストを盛り込んだ、ややしょっぱめの試合というのが妥当なところでしょうか?しかし、個人的にはWWEとECWのスタイルの融合(=WWECW独自のスタイル)を目指した試合のように思われて、あまりこの試合を簡単に否定するようなことはしたくないですね。


ケイン vs インポスター・ケイン
 いかにもイロモノなカードなのでどれだけ塩試合になるかと思いきや、ケインの試合としては上々の出来でした。インポスター・ケインの中の人が意外と動けるみたいで、それに合わせてか本物のケインの方もいつもより素早く動いててモッサリ感が少なかったです。攻防も結構激しいですしね。まぁ観客はboringチャントしてるんですけど、少なくともそこまで酷い試合では無かったと思います。


【エクストリーム・ランバージャックマッチ】
ジョン・シナ vs サブゥー
 これも煽りビデオが良いですね。ONSのシナvsRVDを見てた者からすれば凄い感情移入できますよ。シナの入場時も歓声とブーイングで混沌としていて、まさに対抗戦かつ今試合の主役という風格を漂わせています。
 全体的にサブゥーが攻めている印象を受けたこの試合。シナも攻めてないわけではないのですが、やはりサブゥーの華のある飛び技祭りを相手にしては地味に映りがちです。中盤からはサンドマンが竹刀でぶったたき、サブゥーは椅子を投げ、シナは何故かリチャーズをフェンス越しにコンクリートの床へFUする等、乱戦模様が繰り広げられました。
 更にシナがテーブルで寝かせられたので、ああこりゃテーブルクラッシュが来るなぁと思いきや、何とヴィセラがECWのセコンド陣をなぎ払って救出!(爆) RAW側のセコンドの中にヴィセラがいたのは気付いてたんですが、まさかこんな美味しいとこを持って行くとは思いませんでした。てかカメラが引いててもあの体格では目立ちすぎ。(笑)
 その後、トップロープ越しに場外テーブルへの断崖式FUなんて無茶ムーブを披露し、これからまだまだヒートアップするぞ!と期待したところでまさかの幕切れ。これは流石に残念です。


【ハンディキャップマッチ】
DX vs スピリット・スクワッド
 メインが王座戦でもないハンディキャップマッチってのが何とも意外で心配なんですが、大丈夫なんでしょうか。いくら試合達者なHHHとHBKとはいえハンディキャップマッチではまた勝手が違うでしょうし。シビれる煽りビデオに乗りつつ見てみましょう。
 やはりというかなんというか懸念通りヒーローショーのような試合になってしまいました。そのため試合自体はあまり見るところが無いのですが、個人的にはスピリット・スクワッドの面々が印象に残りました。身体能力の高さはもちろんのこと、受けだってなかなか良いですし、ジョニーの空手ポーズ→ボコられるの流れもかなり笑ったし(関係無い)、間違いなく良い素材ですよ。ただ5人纏めて売りだそうとしたのが唯一にして最大のミスであっただけで。無念。


【特典映像/WWE王座戦】
ロブ・ヴァン・ダム vs ジョン・シナ
(2006年6月26日 RAW#683より)
 ヴェンジェンスでのスキットで、ヴェンジェンスの次の日のRAWにてRVDがシナの挑戦を受けると宣言したことにより実現したこの試合。ワンナイトスタンドでの試合を見る限り、相性は良さそうなので楽しみです。
 CMカット有り。 まぁ通常放送なので仕方ないか。RVDがコーナーからの豪快なトペ・コンヒーロを見せた他、良い攻防を繰り広げたことで、試合はかなり盛り上がりました。ただ最後で本当にぶち壊されたのが残念。まぁ通常番組だから仕方ないと言われればそれまでですが……。
 後、どうしてもヴェンジェンスでのRVDvsエッジと比べて見てしまいますが、どうやらRVDはエッジよりシナの方が相性良さそうな感じがいします。


【特典映像/ガントレットマッチ】
スピリット・スクワッド vs HHH
(2006年6月12日 RAW#681より)
 DXが再結成する試合。ガントレットマッチということで、スピリット・スクワッド側が順番に入って来る形になるのですが、相手はHHHたった一人。流石に圧倒的すぎて、特に3人以上入ってきてからはひどくつまらない展開が続いてしまいました。ただHBKが登場するシーンだけは中々痛快ですね。


 WWEの通常PPVとしては初のDVD2枚組(ワンナイトスタンド2006は旧ECWのPPVで1枚使ってるので例外)という大ボリュームで、なおかつお値段据え置きということでお得感がありますね。特典映像も中々面白いものばかりで、時系列的にPPVより先な物は本編より前に見ておいた方が良いかもしれません。先に本編見ちゃってビンスが手に持ってる青い箱の説明が無かったので困りましたよ。(笑)
 肝心の試合の方はどうもワンナイトスタンドの2週間後ということもあってか、その流れを汲んだ激しい物が多かったですね。またウマガvsユージン、フレアーvsミックが見事にスカされてしまったのはガッカリしました。更に頼みの綱のDXの試合も試合形式の影響でかなり癖が強いとあっては、評価に個人差が出やすくなってしまうのは避けられません。
 一応、自分はCランク寄りのBランクとして捉えましたが、正直異論が出ても不思議ではないように思います。

(執筆日:2009年2月1日)


Summer Slam 2006 評価:C
今年のサマスラはどうにも締まらないカードですね。まぁ世界ヘビー級以外は悪くないカードだと思うので、試合内容に期待ってところでしょうか。


レイ・ミステリオ vs チャボ・ゲレロ
 なんてことのない普通の試合。とはいえ適切な体格の相手を前にしてミステリオも久々にラナ系連発。ラナしながら場外落ちるパターンが何度かあって危ないなと思うところも。チャボの垂直落下式ブレーンバスターとかかなり久々に見た……。


【ECW世界ヘビー級王座戦】
ビッグショー vs サブゥー
 ビッグショーの入場曲が変わってるの知らなくてびっくりした。まぁ王者だからこういうのの方がいいですわな。
 試合の方はしょっぱなから椅子破壊パフォーマンスのビッグショーにまずは+1。サブゥーはイマイチどの技も適当というかフォーム汚すぎ。ムーブミスもあるし一体どうしちまったんだ……。特に2個の階段の上に橋のようにテーブル設置してからのアレは痛すぎる。あの形のオブジェが出てくるのは「E」以降後だと多分初だと思いますが、あれは立たせて、ビッグショーに蹴り入れてから頭掴んで強引にDDTに持っていく流れの方がまだ良かったと思います。
 ラストはちょっと唐突でしたね。ビッグショーの圧倒的強さを見せるにはこれで良いのかもしれませんが、試合中に急遽ブック変えた感じもしなくはないです。一切ハイフライムーブやってないのも不自然ですし。
 ECW移籍後のビッグショーの試合を見るのはこれが初なんですが、生き生きとしていいですね。確かにこっちの方がいいのかもしれない……この歳になってハードコアマッチ強制されるのは本人にとっては災難かもしれませんが。(笑)
 一方のサブゥーの不調はなんなんでしょうね。相性とかビッグショーの受けの問題ではなく、明らかにサブゥー側に起因してます。TNAにおいてアビスが相手でももうちょっとマシだったんで、歳とかヘタってるわけでも無さそうですし。この辺り、ECWに詳しい道頓堀氏の意見を伺いたいもんです。


ハルク・ホーガン vs ランディ・オートン
 意外なことにホーガンの試合がこの位置。いやまぁ中身が中身ですし、前の試合との対比で魅せるってことでしょうか?
 う〜ん。もはや縁起物の域に達しつつあるいつものホーガンの試合ですよね。オートンの顔芸が凄く素晴らしかったです。というかそれぐらいしか見るところが無い。


【アイ・クイットマッチ】
リック・フレアー vs ミック・フォーリー
 思ったよりかなり短い試合だったんですが、とりあえずフレアーの歴史を語る上で欠かせないシーンの一つになるかと。初っ端からミックが有刺鉄線付ソッコなんて無茶なものを用意するんですが、フレアーがそれを奪って自分でつけてチョップしだしたのはかなり笑った。
 その後は、フレアー師匠ひたすら受けまくり。有刺鉄線ボードやら有刺鉄線付バッドやら……。思わず呻いたのはやはり画鋲ですね。ボディスラムで投げ込まれたシーンはホント戦慄しました。その後も平気で画鋲の上を転がって通り抜けたり(これはミックもやってましたが)、かなりクレイジーでした。凄すぎる。流血しすぎて全身真っ赤になっててガチで心配しましたよ。04年のTTのケージマッチ、05年のSSでのラストマンスタンディング、06年はTLC5とこれで、もはやフレアーの事をご老体呼ばわりする奴はいないでしょうね。なんでこの歳なのにここまで出来る? ホーガンも少しは見習えと。(笑)
 いやはやフレアーの偉大さの一片に触れた一幕でした。正直、相手が相手ですし、オチもイマイチだったので試合の完成度としては?マークが付きますが、やってよかった見てよかったという感想です。


【世界ヘビー級王座戦】
キング・ブッカー vs バティスタ
 あっさり塩同士の対決。パワー的には世界ヘビー級王座戦ですが、試合自体はIC・US王座以下って感じですね。実際の試合も予想通り。しかし技のフォームが2人とも汚い。バティスタのジャックハマーとかかなり酷い。オチもあれだし、救いようがない。


DX vs ビンス・マクマホン&シェイン・マクマホン
 ゴングなる前からいきなり応援呼びまくるマクマホン親子が最高すぎる。しかし全員排除されてからがちょっと中だるみしたと思うんで、進行に従ってどんどん乱入させていくなり、後半で乱入祭りした方がよかったかも。(それだとウマガとケインのインパクトが薄れますが)DXの方はちょっと省エネ気味の試合回しで、シェインがほとんど受けてましたね。まぁそれでもビンスは少なくともホーガンより受けてることは間違いないですが。それよりも普通にマクマホン親子が合体技連発してるのを見てビックリ。ダブルインパクトまでやるとは!
 総評としてはそこそこ良試合。乱入のタイミングは再考慮する価値はあるかと。


【WWE王座戦】
エッジ vs ジョン・シナ
 思ったより良い試合でビックリ。エッジと普通にこれだけやれれば充分でしょう。少なくともバックラッシュでの3wayは越えてるかと。ただサマスラのメインを張るにはインパクトが弱すぎる。やっぱりアンフォーギブンのTLC6をこっちに持ってきた方がよかったのでは……。


 見所あるんですけど、全体通してのクオリティがパッとしないです。去年もそうでしたけどタッグとかクルーザーがほとんど無くて、ほぼ全戦シングルになってるのが凄い疑問。しかも試合巧者同士ってわけでもないカードがあって興行としてはリスク多すぎでしょう。

(執筆日:2006年11月23日)


Unforgiven 2006 評価:S
今年のアンフォはカードが凄すぎますねー。ヘル・イン・ア・セルとTLCが同じPPVで行われるあたり、「WWEも落ちたな……」という感じもしなくはないですが、パッケージとしてはもうこれだけでお腹いっぱいになりそうな勢いです。他にもトリッシュの引退試合や、将来のドリームカードという趣のあるオートンvsカリートもあるし、見所はかなり多いです。


【IC王座戦】
ジョニー・ナイトロ vs ジェフ・ハーディー
 まさかのWWE復帰を果たしたジェフの復帰後初PPV。解説でTNA時代=行方不明扱いになってて笑った。せめて「修行に行ってました」ぐらいに誤魔化しとけばいいのに……ある意味ガチだ。
 試合は定番ムーブのジェフと足攻めのナイトロという構図。ジェフはTNAの時より明らかにやる気があって笑った。しかし若干体の捌き方が駄目かな……。
 むしろこの試合で自分が関心したのはナイトロが本当に成長していたって所です。まだまだ伸びしろは感じるし、顔も良く、オートン、カリートに続く若手のホープとしていけそうな逸材ですね。今日の試合ぶり見てると、レスリング上手い連中と抗争したら一気にモノになりそうな気がします。特にベノワ辺りとやってほしいですね。
 試合ではジェフの手前、派手なムーブは控えてたんですが、唯一出したスカイツイスタープレスに驚愕。ちょっと着地の時に体捻り気味だったけど、完璧に決められる能力があるのは見せつけましたし、フォームも綺麗でしたね。しかし、一時期SSPや450プレスも禁止になってたぐらいなんで、これから定期的に使っていけるかどうかは疑問ですが。


ウマガ vs ケイン
 フライングニールキックにコンプリートショット、ダイビングエルボードロップと、パワー派のはずなのにパワー派っぽくないウマガに笑った。ケインはいつもどおりで、無難な試合展開に仕上がっています。


【世界タッグ王座戦】
スピリット応援団 vs ハイランダーズ
 ハイランダーズは初見なんですが、アイルランドギミックなんですね。しかしイロモノ臭が強いなー。
 試合の方はそれなりながら、ハイランダーズもスピリット・スカッドも双方のメンバー全員の潜在能力の高さを。全員身体能力あるし、鍛えたらピンでいけると思いますね。WWEの抱える選手層の厚さを見せつけられた気がします。


【ハンディキャップマッチ/ヘル・イン・ア・セル】
ビンス・マクマホン&シェイン・マクマホン&ビッグショー vs DX
 こんな位置にヘル・イン・ア・セルがあるなんて信じられないですが、メンバーや内容、他のカードとの関係考えたらこれが正解なんでしょうねー。後、セルが新型のビッグサイズで驚いた。会場に収まりきらないぞ!(wj いやしかし明らかに大きすぎる上に、網の目が細かく登らせる気がさらさらないデザインですね。それに網の目が細かいと会場のファンや、セルの外にいるカメラにとっては分かりにくいのであまり良くないんじゃないかと思います。
 試合の方は、DXの2人が向かってきたビッグショーをローブローで沈没させてマクマホン親子に襲いかかっていくという、スカし具合が面白いスタート。その後はマクマホン親子がガンガン金網に突撃させられ流血します。HHHのニードロップが当たってないの丸分かりだったのは×(主にカメラマンが)。シェインのfromコーナーtoコーナーもアルミ製ゴミ箱付きで冴え渡ってますし。トップロープの上でしばらく停止してたとかバランス感覚が凄すぎる……。しばらく後のHHHをアルゼンチンバックブリーカーで持ち上げて歩き回ったシーンも顎が外れそうなぐらい驚いた。相変わらずのビンスの顔芸もやはり最高すぎる。
 いやはや。歴代のヘル・イン・ア・セルの中でも、ここまでクラシカルなレスリング(凶器攻撃含めて)寄りなのは見たことないですね。しかも単に古いだけでなく、「F」の全盛期から培われてきたビンス親子のネタも組み込んで、そしてケージではなくHIACという舞台も合わせて、現代プロレスに昇華させてるように見受けられました。これがミドルカードなんてありえない。普通にPPVのメイン張れますよ。満足満足。


【女子王座戦】
リタ vs トリッシュ・ストラタス
 長年に渡って女子王座戦線の旗手を務めたトリッシュがついに引退。結構WWEでこういう形で引退を大々的に打ち出してやるのって珍しい気がしますね。まぁ引退→復帰が日常茶飯事ってこともあるんでしょうけど……。
 最後の試合ってこともあり、ここ1・2年では最も激しい試合な気が。トリッシュも最後なんでストラタスフィアー連発したりとやりたい放題。それとフィニッシュの流れはかなり感動しました!ホント、お疲れさまです。


ランディ・オートン vs カリート
 さぁかなり立ち位置が難しいこのカード。若きエース候補(オートンを候補というのはちょっと抵抗ありますが)2人は乗り切れるのでしょうか?
 オートンの入場で、鉄板にUNFORGIVENとくり貫いてある裏で火花の滝流すのは少々分かりにくかったかと。最初、「あれいつもの火花の滝ないやん」と思ってよく見たら、UNFORGIVENが閃光放っててちらちらと下に火花が落ちていくのが見えてようやく理解した次第。それと入場前のインタビューはかなり良かったなぁ……。
 試合の方は安定したランディはともかくとして、カリートが劣化してて残念。1試合に4回もスワンダイブするなんて酷すぎ。しかも連続して出しちゃうから、ダラダラ飛んでるように見えるんですよね。スワンダイブ式ローリングセントーン→ライオンサルトとか、2回もやったランニングニーリフト→ロープ往復からの攻撃とか。う〜ん。安易にスワンダイブで沸かせるのは考え直してほしいところ。
 フィニッシュは凄かったですね。本来の形からは崩れてますが、十分インパクトありますよ。まさに電光石火すぎて唐突な感はありましたけど。


【WWE王座戦/TLCマッチ】
エッジ vs ジョン・シナ
 ハードコア戦に関しては定評のある2人がTLCマッチで激突。これは正直4大特番ぐらいまで置いとくべきだったのでは無いかと思うんですが……。ベビーなのにブーイングを浴びるのを逆に利用し、「敵地に乗り込んでいくシナ」という図を作り出したWWEは考えましたね。ONSの時より徹底的です。
 いきなり総評からしてしまうと、シングルのTLCマッチとしてはかなりの死闘でした。新たなムーブを次々と繰り出し、体張りまくりの大破壊戦を繰り広げます。ただ従来の3wayタッグなんかのTLCマッチを見慣れていると、2人ともダウンしてしまう展開があって試合が止まり、若干間延びしてる風に感じてしまうかもしれません。いやシングルマッチなんで正しいんですけどね。本来ならもっと寝るべきでしょうし。しかし個人的にはそこらへんに違和感があってやや乗り切れなかったです。
 ムーブ的には新たなムーブが続出。初っ端からエッジが椅子向かい合わせに2つ設置して、座席部分にリバースDDTを敢行。これはかなり度肝抜かれました。それからこれまたセカンドロープにうつ伏せに持たれかかってるシナの前にラダーを立てかけ、フェンスからラダーへのドロップキックしたのも面白かったです。その後のサンセットフリップパワーボム失敗は何がしたいのかよく分からないままパワースラムtoテーブルでフォロー。さらにコーナーに斜め掛けしたラダーを駆け上がってのプランチャは、ラダーが崩れたので見てる側も一瞬ヒヤッとしましたが見事成功。
 ここからシナが攻めはじめ、スローバックto椅子、STFUwithラダー、ダウンしてるエッジに向けてラダーをFU等、ダイビング5ナックルシャッフルfromラダー等、いつものムーブにハードコアアイテムを組み合わせて盛り上げていきます。さらにパワーボムto立っているラダーなんていう微妙な荒業も敢行。
 終盤はお互い体張りまくりですね。エッジのラダーからラダーへのスピアーを始めとして、倒されたラダーからの場外ダイブtoテーブルを2人ともするとは思いもよらずかなり驚きました。普通片方だけだろ……。フィニッシュもかなり壮絶でインパクトありすぎ。
 いやはや凄い試合でした。しかしやっぱりシングルのTLCマッチとなると、ただデンジャラスムーブやればいいってもんじゃないことを実感させられます。2年か3年してまたやるんだったら、その辺りを練りこんでやって欲しいですね。まぁ何はともあれ2人ともお疲れ様でした。しばらくは抗争してほしくないなぁ。


【映像特典(RAW)/ノー・ホールズ・バードマッチ】
HHH vs ビンス・マクマホン
 HHHが変わった流血をして入場してきたのにはビックリ。そして開始からちょっとして出したビンスのぺディグリー綺麗過ぎ。HHHの受けもあるけど、純粋にジャンプも良かった。しかもその後HHHのスパインバスターまで受けてて60代のやることとは思えないですねー。


 第3期DXで一番良かったスキットである自家用ジェット機&WWE本社ビル落書き編が入ってて嬉しいですね。どの試合もかなり見所があって久々の神PPVでした。マストバイ!

(執筆日:2006年12月28日)


No Mercy 2006 評価:C
ちょっとカードが微妙なPPVですね。安定株も混じってるんですが、メイン含めてどうなるか分かったもんじゃないのが半分以上ですし。メイン本当に大丈夫かしらん……。


マット・ハーディー vs グレゴリー・ヘルムズ
 いい加減、ヘルムズ王座落とした方が……と言いつつも双方の上手さが出てる良い試合。お互いあんまり飛ばず走らずなので、クルーザー級の試合っていう感じではないですが非常にWWE的な試合ではあります。しかしヘルムズのムーブはどれも一風変わってるな。
 中盤過ぎからマットのサイド・エフェクト3連発、ヘルムズの変形スイングネックブリーカー3連発等、いつものWWEの試合とは違う雰囲気が漂い始め、中盤から2.5カウント連発。WWEにしてはこの手法は非常に珍しいですね。腕があって気心も知れてる2人なので、あえてこういうのをやってみたという風ではありますがなかなか良かったです。途中のもそうですが、終盤のダイビング式シャイニングウィザードという名のエンズイギリにはかなり複雑な気持ちに。いい加減WWEも普通のシャイニングウィザードの使用許可出してやってください……。後、最後の切り返し合戦がやや雑なのが残念です。


【WWEタッグ王座戦】
ポール・ロンドン&ブライアン・ケンドリック vs KCジェームス&アイドル・スティーブンス
 ロンケンがどれだけ引っ張れるかが鍵。しかしロンケンの入場時のマスクのセンスはどうにかならんのか?そもそも被らないでくれっていうのはありますね。KCジェームズとアイドル・スティーブンスは初見なんですが、なんかもっさりとした外見でやや不安。
 試合の方はもう完全にロンケンが引っ張る形。かなりタッグチームとして成熟してきて良い感じですね。前は2人ともシングルプレイヤーで若干華やかさに欠けてましたが、今はかなり華がありますね。
 っていうか相手はルックスも技も体格も経験すら劣ってるからそう見えるだけか。流石に新人の2人はロンケンと比べてしまうと霞んでしまいますね……。存在が空気すぎる。せいぜいクルーザー級の技をちゃんと受けられるのが褒められるぐらい。それも新人だからだし。
 ムーブ的にもかなり過激。珍しく入場ゲート以外の方向へ行き違うようにして放った同時トペ・コンヒーロ(着地点が狭いのに2人とも成功させたのは流石)、もの凄い勢いのロンドンのトペ、ケンドリックのステップDDT(スパンキー、日高からムーブ貰いすぎ)と見事なもんでした。ラストもロープ直接駆け上がり式のスライスブレッドNo2から、スパンキーが踏み台のランニングSSPと凄まじかったです。よくWWEも許可出したな……これ。


MVP vs マーティー・ガーナー
 MVPのデビュー戦。相手ジョバーなら別にSD!でやればいいじゃん……。しかも内容は非常に一方的&短いと何がしたいのか分からない。JBLがガチに酷評してたのも仕方がないですね。


ミスター・ケネディ vs アンダーテイカー
 結構プロモ良い感じですね。ケネディが一方的に淡々と語るだけですが、見せ方だけでここまでカッコ良くなるのか……。
 いつの間にやらケネディの入場時間が短縮されてて感心。リングまで特にアピールせずスタスタと歩いていくようになったからか。デビュー戦かなんかの長い入場がイメージに残っていて、テイカーと合わせて大分かかるなーと思ったんですが、こりゃいいや。
 試合の方はアンダーテイカーが攻めすぎ。多分前半やられて、後半対等まで押し返すみたいな感じの流れを想定していたんだろうけど、客のイメージ的には後半に至ってもまだテイカー有利ですからね。まぁケネディもオールドスクール返しで雪崩式アームドラッグ、ロープくぐったところへDDT(アンダーテイカーが受け切れなかったっけど)、顔面ウォッシュ、パイルドライバー(何故か実況ではツームストンパイルドライバー扱い。ケネディならツームストンの入り方でもいけるはずなのに何故?)、ハイキックフェイントのエンズイギリ等、ムーブ的に色々引き出しを開けてきたきたんですが……。ここまで引き出し開けた上に頭脳派の自爆を誘うスタイルをしても劣勢気味てのがちょっとねー。体格差がありますから仕方ないっちゃ仕方ないんですけど。
 テイカーはいつも通りというかノリノリで攻めてました。後半の方でバックドロップしててかなり驚いた。テイカーのバックドロップなんて初めて見たかもしれん。ビッグブートも良い感じでケネディが受けててカッコ良かったですし。
 これを見てて、かつてのテイカーvsハイデンライク戦、テイカーvsジンドラック戦なんかのデカイ新人への教育マッチを思い出しました。ケネディは欠場明けとはいえそこまで出来ない子だけではないだけに、もっと真っ向からぶつかるブック書いても良かったと思うんですけどね。


【エニウェアフォールマッチ】
チャボ・ゲレロ vs レイ・ミステリオ
 めちゃくちゃ安定してるカードですが、WWEデビュー戦〜クルーザー級王座戦時代と散々やってるので流石に食傷気味。リング内の攻防もそそくさと終わらせ場外戦行ったので、これは手抜きモードかなと思ってたら、場外でもプロレス技を次々と繰り出して客を沸かせます。鉄のフレームで懸垂状態(かなり長い間しててビックリした)からのフランケンシュタイナー、場外ヘッドシザーズ等などミステリオはかなり出しましたね。チャボの方は打撃が中心ながらもゴリースペシャルからフェンスに落としたりしてました。
 チャボvsミステリオは中身的に使い切ってるので、ルール追加で一風変わった展開にしてみました……的な匂いのする試合ですね。まぁあんまり事前プロモでも煽ってなかったし、WWE側もあんまり力を入れてる様子無いんでこんなもんですか。


ウィリアム・リーガル vs クリス・ベノワ
 アングルが無いというアレすぎる理由でオフを貰っていたベノワが、リーガルの正体不明の相手として復帰。ギミックが不発だった新人ならともかくとして、ここまでの大物がアングルから外れるとはマジで勿体無い。
 さて試合の方ですが、率直に言うと外しちゃったかなと。健康的で調子も良さそうなベノワとは対照的に、リーガルが大分調子悪いように見えました。これがロードに参加してる者としてない者との違いなのか??? それと展開に結構粗が見られますね。グラウンドの攻防中心なところを見ても、どうも結果だけ先に決めといてほとんどアドリブでやったくさいです。
 そしてビックリしたのがベノワが投げっぱなしドラゴンスープレックスを決めたこと。といっても滅茶苦茶ゆるいスピードゆるい角度で、流石WWEのリングといった感じでしたが。


【世界ヘビー級王座戦/フェイタル4wayマッチ】
キング・ブッカー vs フィンレー vs ボビー・ラシュリー vs バティスタ
 あんまりにもあんまりなカード。NMでこのカード組んだのを知って「WWE正気か?!」と思ったくらいですよ。特にフィンレーはちょっと早すぎるだろ……。まぁここまで筋肉ムキムキなレスラーばかりの4wayは見たことがないんで、記憶には残ると思うんですけど。日本では見られないですしね。
 とりあえずラシュリーが一番良かったです。バティスタと対峙してしまうとバティスタの方が貫禄負けしてるのには驚いた。まぁバティスタはボディビル上がりなので、どうしても作り物っぽい体になってしまうのは仕方ないところですが、試合の面でも負けてるのはかないませんね。相変わらず動きがやや遅いし。ブック様ですら今試合ではたまに凄いキレの良い動きあったのに。フィンレーはこの中に混じって埋もれなかったのは偉い。明らかに周りと比べて身長の面で小柄ながらもグラウンド技術と介入ネタで盛り上げました。
 全体的な流れを見てしまうと、やっぱりこの面子に相応しい雑な組み立てでしたね。どれだけ場外落とし見たことやら……。まぁこれだけの肉体のインパクトと力のぶつかり合いは他の団体では見られない物なのは事実で、なんとかPPV締められるだけの試合だったとは思うのですが。技術点は低いよね。正直。


 良くもなく悪くもなく。後半にかけての盛り上がりが無いので、ダラダラしてると感じる方もいるかもしれません。

(執筆日:2007年1月5日)


Survivor Series 2006 評価:C
2006年のサバイバーシリーズは何とイリミネーションマッチが3試合もあります。如何にも各試合が薄くなりそうな試合構成で不安な所へ、メインがブッカーvsバティスタと聞いた日にゃ……。正直、見るのが怖いですね。


【レジェンド軍 vs スピリット応援団 イリミネーションマッチ】
リック・フレアー&アーン・アンダーソン&ダスティ・ローデス
&サージェント・スローター&ロン・シモンズ
vs スピリット・スクワッド
 レジェンド軍にスピリット応援団が挑戦するというシチュエーションです。明らかにロン・シモンズが浮いてますが、本来ロディ・パイパーが入る予定でした。
 この試合は非常に展開が強引すぎますね。最初のカウントアウト&反則裁定連発とか意味不明すぎましたし。まぁフレアーが神のごとき活躍を見せてカバーしちゃってはいるんですが……。もうちょっと展開の妙で魅せて欲しかったです。


【US王座戦】
クリス・ベノワ vs チャボ・ゲレロ
 それなりに安定感のあるカードですね。
 試合は全編に渡ってベノワのワンサイドゲームで進みます。ベノワがやたらハードヒットな上、蹴りを連発し、珍しくサモアンドロップを繰り出す等、いつもと違いすぎて驚きました。解説席のJBLも戸惑ってるようでしたね。しかし所々で反撃を見せるチャボも動きのキレが良く、期待通りにまぁまぁ良い試合に仕上がりました。


【女子王座戦】
リタ vs ミッキー・ジェームス
 トリッシュの引退から2ヶ月後、リタまでもが引退することになりました。トリッシュのように王座を持ったまま引退出来るのか!?
 試合はラストマッチということもあってか、ここ最近の女子王座戦としては異例の大熱戦……ってトリッシュの時も似たようなこと書いたな。(笑) でも普通に大技とかも色々出て、派手で良い試合ですよ!
 試合自体も良いのですが、本当の見所は試合後。クライムタイムが登場してきてのパフォーマンスには爆笑しっぱなしでした。特にJBLが色んな意味で輝きすぎです。


【DX軍 vs Rated-RKO軍 イリミネーションマッチ】
HHH&ショーン・マイケルズ&マット・ハーディー&ジェフ・ハーディー&CMパンク
vs エッジ&ランディ・オートン&マイク・ノックス
&ジョニー・ナイトロ&グレゴリー・ヘルムズ
 あまりにも豪華すぎるイリミネーションマッチ。実質メインのようなものですね。DX軍の入場パフォーマンスが豪華すぎて吹いた。
 エッジもオートンも成長したとはいえ、流石にこの面子が相手ではヒーローショーの雑魚敵役を務めることしかできません。まぁでもDX軍が勝手に輝きまくったお陰で、試合としては普通に面白かったです。相手を引き立てないので物凄く性質悪いっちゃ悪いんですけど。(笑)それとスイート・チン・ミュージックが1試合に3回も炸裂したにも関わらず、正調式が1度も出なかったのが残念でした。まぁ出てたらもっと相手チームを虐めてる感が強くなりますが。


【ファーストブラッドマッチ】
アンダーテイカー vs ミスター・ケネディ
 ファーストブラッドマッチって盛り上げるのが難しいイメージがあるので、ちょっと心配です。
 序盤の展開としてはオーソドックスな打撃やムーブに終始しているのですが、比較的スピードが早くそこそこ見れますね。さてどうなるかと思いきや、乱入やらなんやらすったもんだの末に試合終了してしまったのにはガッカリです。これでは語れません。


【ジョン・シナ軍 vs ビッグショー軍 イリミネーションマッチ】
ジョン・シナ&ケイン&ロブ・ヴァン・ダム&サブゥー&ボビー・ラシュリー
vs ビッグショー&ウマガ&フィンレー&MVP&テスト
 あまりにも脈絡の無いメンバー過ぎて吹きました。時系列的には前後してしまいますが、この試合の参加者のほとんどは一度はECW所属することになるんですかね?何かパッとメンバーを見た時にやたらECW系多いなぁという印象を受けたので。
 試合はあまりチームプレーを発揮する場面こそ無いものの、それぞれが自分の仕事をきっちりこなして程ほどに盛り上げていきます。RVDだけ動きが悪すぎたのがちょっと気になりましたけど。それから最後の1vs2の構図になってからが中々スリリングな展開で面白かったですね。


【世界ヘビー級王座戦】
キング・ブッカー vs バティスタ
 塩試合量産のこのカード。最終決着戦となる今大会でようやく打ち止めかと思うと、中々感慨深いものがあります。
 試合の方は、両者ともそこそこスピード上げて技のキレも良くして大技も増やして……と懸命な努力をした結果、何とか塩試合から脱出することに成功しました。まぁかなり擁護しまくっても凡戦以上の評価は与えられそうにないのですが、2人の努力は認めるべきでしょう。それから試合のオチがあんまりすぎて笑いました。バティスタよ、本当にあれでいいのか!?(笑)


【特典映像/イリミネーションマッチ】
アンドレ・ザ・ジャイアント&ワンマン・ギャング&キングコング・バンディ
&ブッチ・リード&リック・ルード
vs ハルク・ホーガン&ポール・オンドーフ&ドン・ムラコ&ケン・パテラ&バンバン・ビガロ
(「Survivor Series 1987」より)
 第1回のサバイバーシリーズ、メインイベントが映像特典として収録されています。ただし解説はJBLとコーチの後入れである意味価値あるかも。
 さてこの時代のアメリカのレスラーは巨体なだけの木偶の坊だらけという偏りまくったイメージがあるのですが、そのイメージは見事に覆されました。アンドレはともかくとして、他の選手のほとんどが素早く動き回ってるのには相当な衝撃を受けましたよ。当たり前ですが皆若いですし、伊達にメインイベンターを任されているわけじゃないってことを痛感させられましたね。それからビガロが期待の新人のような扱いで、物凄く時代を感じました。


 蓋を開けてみれば各試合ともそこそこの出来で、酷い試合があまり無い代わりに飛びぬけて良い試合も無いという感じです。流し見程度でOKかと。

(執筆日:2008年9月9日)


Armageddon 2006 評価:B
2006年のアルマゲドンはギミックマッチと王座戦だらけのカオスな構成になっています。そしてメインはPPVにしては珍しくタッグマッチ、しかもバティスタ、ブッカーがいるという不安要素が目立ちます。フィンレーもテクニックはあるんですが華は無いですし……。一体どうなることやら。


【インフェルノマッチ】
ケイン vs MVP
 7年半ぶりという触れ込みのインフェルノマッチ。正直ほとんど期待してなかったのですが、ビジュアル的にかなり派手で物凄く画になりますね。あまりにもケインに似合いすぎ。こういうのができるからWWEはケインを雇い続けてるんだろうなぁとしみじみと思いました。俺の中でケインの評価が上がりましたよ。
 さて試合の方は両者とも期待通りのキャラクターを熱演。特にMVPがラストかなり頑張って走り回ってたのが印象に残りました


【WWEタッグ王座戦/4チームラダーマッチ】
ポール・ロンドン&ブライアン・ケンドリック vs ウィリアム・リーガル&デイブ・テイラー
vs MNM vs ハーディーズ
 名試合という噂になってたんで凄く見たかったんですよねー。ハーディーズはもちろんのこと、特にロンケンに期待です。後は高所恐怖症アングル のリーガル師匠の名演にも期待。
 試合は序盤から軽快かつ派手な攻防を見せるロンケン&ハーディーズに対して、いきなり リーガルがロンケンに対して片羽締めスープレックス&ハーフネルソンスープレックス というWWEではありえない技を連発。しかしロンケンもさるもの見事な一回転受けしてみせたのは流石です。
 リーガル&テイラーの妨害もむなしく、ラダーが3つもリング内に入り試合は佳境へ。しかし4チームもいるのでかなり狭苦しい状況になってしまい、全員が動きにくそうにしてたのがちょっと残念ですね。まぁそれはともかくとしても、ここからはハイレベルなラダーを巡るスポットが連発。ラダーに登る人がスワンダイブ式ミサイルキックで打ち落されるのを素早く回避したりとか、人がラダーの上にいるのにそのまま多人数でラダーごと移動させて場外転落させるとか無茶苦茶しすぎですよ!特に後者は転落中にトップロープに足引っ掛かったのがヒヤリとしました。
 その後もラダーを使った過激なスポットが連発。折りたたんだラダーの上に乗せた相手に対してダイビングフットスタンプとかも普段のWWEじゃありえませんよねー。しかしそんな中、シーソーになるように設置したラダー絡みのムーブで、マーキュリーが跳ね上がったラダーで顔面を直撃。 一瞬にして大流血した上、目が完全に腫れあがるという惨事 に。結果から言うと鼻を骨折して目も失明寸前まで言ったのこと。ここで試合中止になってもおかしくなったのですが、マーキュリーを即退場させ病院に送って試合を続行。
 ここから陰の薄かったリーガル&テイラーが登場。リングを占拠して暴れます。特に リーガルがコーナーに斜めに引っかけたラダーに向かってハーフネルソンスープレックス した時は、受け手のロンドンをかなり心配しましたよ。またもや1回転受けしようとしてましたが流石に間に合わず頭からラダーに突っ込んでましたし。体重軽くて1回転受けで受けやすいとはいえある意味小橋より恐ろしいわ。
 しかし鬼のような攻撃を見せるリーガルもいざラダーを立てて奪う時になると高所恐怖症によりなかなか登れない。(笑) 師匠、期待通りの良い演技です。しかも代わりにテイラーを登らせて、下から嫌がるテイラーのケツを押し上げるなんて一幕も。
 そんな所へハーディーズが復帰して2人をKO。ジェフが場外に立てたラダーからリング内にダイブをしかけるという、「普通にコーナー登って飛べばいいじゃん」とつっこむしかない、実用性に欠けた無駄にカッコいい攻撃を狙います。ところがなんとナイトロがリング内からベースボールスライドの要領でジェフの乗るラダーをキック!哀れジェフはトップロープに首をひっかけるように墜落し、そのまま場外でダウン。これも相当危なかったですよ。
 この後もラダーからのバックドロップ、ミサイルキックでラダーを登る相手を撃墜、ジェフがナイトロにサンセットフリップ・シットダウンパワーボム(これが翌月のNYRのケージマッチに繋がるんですね)等、相変わらずNoFutureな攻撃を連発。しまいには ケンドリックが2人とも並行に置いたラダーに登った状態からスライスブレッドNo2(不知火)を敢行! しかし踏切りが足りず回らないまま急角度で2人で墜落!もう止めてくれーと叫びたくなる所でようやく試合終了と相成りました。
 総評。確かに面白いことは面白いんですけどデンジャラスなスポットに頼りすぎかなという気がします。あとMNMの離脱により予定が狂ってしまい、本来の面白さが失われた気がして仕方がないんです。このメンバーならもっと出来るって思っちゃうんですよね。出来ればいつか再戦が見たいところです。リーガル師匠達は可哀相なんで外してもいいですけど。(笑)


マイク・ミザニン vs ブギーマン
 過激すぎるラダーマッチの後は小気味よいスカッシュマッチ。「フーラ!」→「You sucks!」の応酬には笑った。


【US王座戦】
クリス・ベノワ vs チャボ・ゲレロ
 カードは地味ですがなかなかの熱戦でした。チャボがWWEの選手にしては珍しく捻り入りのバックドロップを使っているのが、個人的に印象に残りました。


【クルーザー王座戦】
グレゴリー・ヘルムス vs ジミー・ワン・ヤン
 飛ばないクルーザー級王者として新たな王者像を提示し続けるヘルムスの防衛戦。ただ志は高くとも、飛ばず走らずで観客を楽しませる腕前かというと疑問符が残るところ。ちょっと間が空いたりとかグダグダになりがちで、相手のヤンが対照的によく飛んで盛り上げるのですが、それでもイマイチ感を拭いさることはできませんでした。まぁでも「つまんねぇ」コール受けるほどでは無いと思うんですけどね。


【ラストライドマッチ】
アンダーテイカー vs ミスター・ケネディ
 サバイバーシリーズでファーストブラッドマッチに勝利したケネディが、今度はテイカーならではのギミックマッチ「ラストライドマッチ」にて勝負。
 結果から言ってしまうと今一つな試合。とはいってもケネディが悪いというわけではなく、試合形式自体がネタ先行でなかなか盛り上がるような試合作りをしにくい部分があるので仕方ない気がします。
 それにしてもケネディが技をほとんど出させてもらえず、印象に残るような攻撃と言えば椅子乱打とセットの上からテイカーを投げ落とした ぐらいだったのは可哀相でしたね。後者は流石に驚きましたが、40過ぎて無茶な技を受けるテイカーおじさんに対して感嘆はしても、ケネディへの評価にはなりようがありませんし。
 前述の高所からの転落の後、案の定、車の中に運びこまれるわけですが……アレには思わず爆笑させられました。アレはテレビ映像ありきというかWWEだからこそできる演出ですよねー。あの一瞬のために今回の試合を組んだんじゃないかと思ってしまうくらい傑作でした。いやはや。この一瞬で一気に流れを取り戻したテイカーは車の上で大暴れ。完全に横綱相撲でした。まぁこれでは仕方がない。


バティスタ&ジョン・シナ vs キング・ブッカー&フィンレー
 カードからして塩分が漂ってきそうな感じですが、試合の時間がかなり短く、介入劇も織り交ぜてなんとかPPVを締めることができるだけのクオリティに仕立て上げた感じです。シナがゲストらしくあまり目立とうとしなかったのが印象的。それと中盤にバティスタが筋肉バスターを唐突に出したのには驚きました。


 クリスマス色を全面に押し出した楽しいショーという感じのPPVでしたね。それだけにネタ先行の試合だとかクオリティが微妙な試合も混じり、そこまで高い評価はできそうにありません。まぁネタで見るならかなり楽しめるかと。

(執筆日:2008年4月15日)



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