KOBEプロレスフェスティバル2007
団体名 ドラゴンゲート
日時 2007年7月1日(日) 15:00〜
場所 神戸ワールド記念ホール

というわけで行ってきました〜。初ドラゲ観戦となった今回ですが、いきなり年間最大イベントである神戸ワールド記念ホールです。新日との交流戦のクライマックスということもあり、二度と見れないような超豪華カードが組まれ非常に楽しみです。



 上は開始30分前の会場の様子。自由席は当然のこと、指定席が埋っていくのも非常に早かったですねー。




第0試合
新井 健一郎
大野 勇樹
宍戸 幸之
APEキマタ
○超神龍
6分23秒
龍☆星→片エビ固め
K-ness.
スペル・シーサー
シーサーBOY
ルパン松谷●
m.c.K.Z.

 第0試合ということで余り人員の寄せ集めかつ手軽すぎる10人タッグなわけですが、いきなり一発目から「ルパン・ザ・サァーーーー(ド)!」とルパン三世のテーマが流れたのは客ウケ良すぎだろ……。しかも残りの人らも個人で入場かと思いきや皆チームごとに入場。ルパンは出オチの予感……!
 試合自体は人数が多いので、そこまでアピール&持ちムーブは披露せず、代わりに軽めの連携技・合体技で場内を盛り上げていました。ラストはルパンがアラケンのこきゅうやまを何とか返すもSSPを食らってあえなくフォール。第0試合からSSPとは実に豪華ですね。
 ちなみにルパンですが、試合中は特に大きなスポットも貰えずやっぱり出オチでした。(笑)







第1試合
戸澤 アキラ
○岩佐 拓
7分42秒
戸澤塾最終奥義其ノ弐・熨斗紙
→片エビ固め
YAMATO
ジャック・エバンス●

戸澤塾トップvsニューハザードの余りという構図の試合。序盤から戸澤塾が合体技や関節技で攻め、YAMATOやジャック・エヴァンスが逆転しようとしたんですが、突然YAMATOが肩を負傷し戦線離脱。それまで派手に動き回っていたジャックも、場外へのスワンダイブ式セントーン・レベルサ(要するにラ・ケブラーダからさらに180度回転)して、戸澤塾の2人が受けきれずに頭から地面に直撃! 鼻血を出すもYAMATOが試合不能状態になっていたこともあり、孤軍奮闘。ラストは何とか630を決めるも、岩佐がゴリーボムでし止めて締め。

ラストは岩佐の熨斗紙!

 試合後、戸澤塾がマイクでYAMATOがガチで怪我したとコメント。不甲斐ない試合になってしまったがこの後の試合は絶対熱いから応援してくれと異例のアピール。何せ敵チームが庇ってるんですからね。やはり当初のブックからかなり外れまくってしまった様です。

謝罪マイク中





第2試合
○ドン・フジイ
11分26秒
ナイスジャーマン
黒田 哲広●

黒田は有名な黒田ファンのおばちゃんを引き連れ入場。試合中も普通にセコンドさせて介入させるわ、試合後には感謝のコメント。痛いことで評判なんだから増長させるようなことすんなよ……。
 試合自体は今大会ワーストバウト。時間稼ぎの場外乱闘と、”ハードコア”と呼ぶことすら嫌になるくらいしょっぱい凶器攻撃、強制的な客煽りしかできない黒田にはうんざり。
 ところで黒田とフジイが体格ほとんど一緒なことにびっくり。フジイの方が上だと思ってました。







第3試合
○ドラゴン・キッド
アンソニー・W・森
9分56秒
マスク剥ぎにより反則裁定
Gamma●
玉岡金太

意外なことにアンソニー側の奇襲で試合はスタート。今試合はアンソニーが結構パワフルな所を前面に出してて意外でした。まさか金太とタックル合戦するとは思わなかったです。ドラゴンキッドはお決まりのコルバタ(ヘッドシザーズホイップ)系ムーブしかやりませんが、要所要所を締める形でやるのでそこまで印象は悪くなく。
途中からやたらマッスル側が反則しまくって不穏な雰囲気になったところで、ガンマがキッドのウルトラ・ウラカンラナで飛びつかれた際にマスク剥ぎ!さらにはレフェリー暴行であえなく反則判定。試合後もマイクでアンソニー達を馬鹿にして締め。
 今大会ワーストバウト候補。それぞれのスキルはともかくとして相性的に噛み合ってないんですわ……なんか試合見てて違和感がありました。あ、それと玉岡がスタイルズクラッシュやっててビックリした。

ブリッツェンを狙うGamma





第4試合
●"ハリウッド"ストーカー市川
5分05秒
ミドルキック→片エビ固め
永田 裕志○

永田が「タケちゃんまん」を送り込むとか言ってて、実際入場する時も謎のコスプレやってたので、なんじゃこりゃと思って調べてみたら、「オレたちひょうきん族」のネタ……って世代的に知ってるわけ無いだろ!!!(上島竜平バリに帽子を地面に叩きつけつつ)
まぁ現IWGP王者がこんなことやってくれたというだけで凄いありがたいってのはありますが。(笑)

永田です

まぁそれでも市川がお前誰や〜と抗議→扮装脱いで永田登場という流れはかなり盛り上がりました。ベタっちゃベタなんですが。
試合は市川が白目式腕ひしぎとか拝み渡り+敬礼とか永田さん相手ならではのネタが披露され予想通り面白かったです。


掟破りの白目式腕ひしぎこの後、当然のごとく失敗する





第5試合:オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合
●堀口 元気
8分00秒
ダイビングエルボー→片エビ固め
神田 裕之○

神田については怪我で一旦引退した印象が強く、復帰した時も一時的かと思ってたのにレギュラーでやってるみたいなので、そのあたりすごく懸念してるんですよ。で、そんな彼が神戸ワールドで王座戦。一体どうなることやら……
 試合そのものは王座戦にしては短かったのですが、堀口の職人ぶり、神田の健在ぶりが伝わってきて普通に面白かったんです。さらにそこへマッスルが介入してやりたい放題→岡村社長がリングインし玉岡にハイキック→レフェリーのK-ness.が堀口に昇竜脚&ダークネスバスターを敢行し神田をアシストと、まるでECWのような乱入祭りで非常に熱かったです。
 最後は下克上エルボー(今はYAMATOに譲ったんでしたっけ?)で〆。かなり短いながらも良試合でした。
 とはいえ今後の防衛戦が不安ですね。スタミナ面とか、王者らしいハードな攻め受けがちゃんと出来るのか。今試合だけ見ると疑問が残ります。まぁでも頑張ってください。

The無法地帯岡村社長が登場!





第6試合:IJタッグ選手権試合
●邪道
外道
13分09秒
ジャンボの勝ち!→ジャンボの勝ち!固め
横須賀 享○
斎藤 了

 新日が誇る名タッグチームに、DGのエースになりきれない2人がタッグを組んで挑戦。全員ポテンシャル高いので前試合の流れを受けて、相当な熱戦が期待できますね。


 展開としては序盤から斎了が場外ブレーンバスターでやられ、横須賀がローンバトルで受けまくるという流れなのですが、残念なことにちょいと退屈でした。邪道外道の上手さはしっかり伝わってきますし、主導権握ってるのも分かるのですが、この試合タイムだったら最初から最後まで入れ替わり立ち代りで普通にやりあってほしかった。
 斎了にタッチしてからは終盤に突入し、大技ラッシュに客席も盛り上がるものの、ここでもシングルプレイが多く(派手な合体技が飛び交うであろうセミに配慮したのかもしれないのですが)、やや派手さに欠けました。それに早い時間からのラッシュなのでまだ双方とも余裕が見られ、個人的には萎えてしまいました。
 ラストは横須賀と邪道が激しくラリアット合戦をするも、横須賀は体格で負けてるので逆にパワー負けしてはいましたが、何とかダウンだけは耐え、隙をついて放った夢限も返されたものの、グロッキー状態へのジャンボの勝ち!2連発で勝利! パワー負けしてるのにラリアットで勝つというと説得力なさそうに聞こえますが、手数とスピードで上回ってたので個人的には全然アリ。


スーパーフライを狙う外道スーパーパワーボム!
クロスフェイス・オブ・邪道ラストはハーフダウンの邪道にジャンボの勝ち!

 試合総評ですが、やっぱり後の試合に配慮してお互い控え目になってしまったのが痛いですね。普通にこの面子なら20分代の大熱戦をやり切れると思うので、流石に10分前半クラスだと不完全燃焼なのが露呈してしまいました。
 後は斎了がそんなに技出してない印象があったのでWikipedia覗いてみたら、プレミアムブリッジ以外の現在の得意技はほとんど出してたというオチ。やっぱラストで横須賀と邪道がやりまくってただけに割りを食ってしまったか。はっきり言って陰薄かったです。まぁ外道もスーパーフライ以外相当陰薄かったですけど……。






ここで一旦休憩が入りました。会場は写真の通り文句なしの超満員で、休憩後に岡村社長のマイクがあったんですが、そこで電光掲示板に「満員御礼」と表示させてたくらいです。停滞してるとか身内のゴタゴタが多いとかありますけど、関西におけるドラゲの地位は未だ揺るがずといったところで。
 ちなみにここのマイクで、秋に府立第一をやること、1年以内にアメリカ興行を実施したいという計画を披露。そこから続けて大阪城ホール、スタジアムや大阪ドームでも興行をやりたいと言って、明確に府立第一を3回埋めたら……と条件を出してたのですが、ドラゲって年一しか府立第一やってないんちゃうんかと(ry いくら年間最大興行とはいえあんまり現実味の無い大口叩かれるのも辛いですわ。周りの客も生暖かい目で見てましたし。まぁカードさえ良いの組めば城ホールあたりなら今やってもなんとかなるんじゃないかっていう気はしますが。
 ここ2・3年でプロレスファンになった者としては城ホールや大阪ドームで興行打つのがイマイチ信じられないんですよね。ですから、やるなら是非とも見てみたいですねー。



第7試合
●望月 成晃
14分22秒
アンクルホールド
金本 浩二○

というわけで休憩明けはスペシャルシングルマッチの望月金本。バチバチの蹴り合いになることが予想されましたが、期待を裏切らず試合冒頭から蹴りまくり。隙を見れば金本はアンクルホールドを狙い、中盤からはさらにファルコンアローに雪崩式リバースパワースラムにタイガースープレックスにムーンサルトまで入り乱れ(といいつつ全部金本なのがアレ)、望月はスーパーケンカキックにツイスターを繰り出した他、掟破りのアンクルホールドにファルコンアロー(もしかしたらツイスター2かも)まで繰り出す等、大熱戦でした。
 ……と書きたいのはやまやまなんですが、実際はお互い様子見の傾向が強く、後半こそ盛り上がったものの、この2人ならまだまだいけると感じさせてしまった試合内容でした。

ファルコンアローを決める金本
金本のタイガースープレックスホールド

 試合後はお互いノーサイドで抱擁。これからも交流を続けていくことを宣言しました。なんだかタッグ組みそうな流れでもありますが、とりあえず次回のシングルに期待といったところで。







第8試合:オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合
○鷹木 信悟
B×Bハルク
サイバー・コング
19分02秒
ラストファルコンリー→エビ固め
マグニチュード岸和田
土井 成樹
吉野 正人●

ドラゲの真骨頂とも言える純血6人タッグがセミに。実はほとんどこの面子の試合を見たことが無い代わりにその高い評価は伝え聞いてるので非常に楽しみです。

マッスルアウトローズ入場ニューハザード入場

 試合はまさしくドラゲらしいノンストップアクションの大活劇でした。スピードはもちろんのことパワー、テクニックも存分に披露され、今大会ベストバウトです!双方とも斬新なムーブこそなかったものの、息もつかせぬド迫力の攻防にはもう拍手喝采を送るしかないですわ。全体的にチームというよりかは個を前面に押し出した展開でしたが全然アリですね。
 まず挑戦者組の中では特に岸和田がその巨体から繰り出される飛び技と、椅子やテーブルを使ったハードコアファイトで目立っていました。土井吉は凄い技術はあって見せ場もあったんですが、どうしても試合を振り返ると王者組vs岸和田と愉快な手下みたいな感じに捉えがちで、正直陰が薄かったですね……。
 逆に王者組は3人共持ち味をしっかり出し切り、観客からやんやの大喝采。ハルクが受けまくり残りの2人がパワーで返す展開だったのですが、サイコンとシンゴはキャラが微妙に被ってるのすら吹き飛ばす大暴れっぷりでした。いやはやドラゲも凄い新人勢に恵まれたもんだ。
 またマッスルの面々の介入や、NHのジャックが再登場し本日2度目の630°を披露する等、非常に華やかな試合を更に盛り上げました。しかし、最高潮の盛り上がりのラストは不可解な結末。信悟がラストファルコンリーからフォールした際にレフェリーが2カウントと一旦判定したように見え、その他のメンバーもそれを受けて動き出した直後に突然ゴング。会場の観客は?の嵐で、選手もやや戸惑っている様子ですが、そこはプロ。マッスルのメンバーがレフェリーに暴行し、何とか無理やり収拾を付けました。
 いやはや試合自体は良かっただけにラストのレフェリーミスが惜しすぎる……。ドラゲ側もこの結果を無視できなくなったらしく、早くも7月22日神戸サンボーホール大会での再戦が決定ということで、完全決着が期待されるところです。

サイバーコングがイスで攻撃
土井をリフトアップするサイバーコング場外テーブルへのダイビングボディプレスを狙う岸和田
マッスルがいつも使っている合体技へマッスル・アウトローズの面々が乱入
パワーボムを狙う岸和田





第9試合:オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合
●獣神サンダー・ライガー
25分14秒
クロスファイヤー→片エビ固め
CIMA○

いよいよメイン。表向きは外敵との団体間抗争ですが、裏を見てみれば、新日のJrヘビー級を長年牽引してきた”生ける伝説”ライガーに、日本のジュニアヘビー級の勢力図を数年で塗り替えた闘龍門の代表者・CIMAが挑むという世代間闘争でもあるんですね。非常に興味深いです。

新コスチュームのCIMA

 試合の方ですが、相手がライガーだけにセミのようなスピード感溢れるノンストップバトルというわけにもいかず、序盤はじっくりと関節技で攻める展開。まぁ場外に連れ出してライガーがパワーボムや垂直落下式ブレーンバスターやったり、反撃でCIMAもトルニージョを敢行したりしてたんですが、先程の試合が派手すぎて素人さん的に辛いかもしれないなーと思いながら見てました。シングルということでさっきの試合とは違うと割り切れないと素直に楽しめなかったですね。
 そういうわけで中盤までは静かな展開だったのですが、ライガーはやっぱり上手いですね。関節技における一挙一動とかラフファイトの流れとかまさに玄人技。CIMAのセールの上手さもあって、ついついCIMAに感情移入してしまいました。執拗な膝攻めというシチュエーションで客にちゃんと心配させられるなんてなかなか出来ることじゃないですよ。


4の字の攻防その14の字の攻防その2

 15分過ぎからCIMAはパーフェクトドライバーから串刺しダブルニー、ヴィーナス→アイコノクラズムと大技を連発しだし、静かだった会場が一気に盛り上がります。ライガーもマッドスプラッシュを回避してライガーボム、ダイビングボディプレスと畳みかけましたが、CIMAのスピードと手数の広さにはかなわずシュバインにトカレフ、ヴィーナス→ゴリコノクラズム→マッドスプラッシュとボコボコに反撃されてしまいました。
 ライガーも少ない手数ながらも雪崩式垂直落下ブレーンバスター→垂直落下式ブレーンバスターという鬼のようなコンビネーションからフォールするも2カウント。ここは流石にCIMAがフォール取られるかと思いドキドキしました。さらに追い打ちでCTBを出しましたが、ちょっと使うタイミング間違えてるような気がする……。この時点でライガーのフィニッシュムーブは種切れ。丸め込みをする様子もなく、垂直落下式ブレーンバスターを連発するパターンぐらいしか残ってないので、ここでほぼCIMAの勝ちを確信できてしまうってのは問題ですね。

トカレフを決めるCIMA雪崩式垂直落下ブレーンバスターを狙うライガー

 技が無くなったとはいえライガーは掌底や浴びせ蹴りでしつこく攻撃。しかし最後はCIMAが掟破りの垂直落下式ブレーンバスター→シュバイン→モナリザ・オーバードライブ→クロスファイヤーという猛攻でライガーをフォール。やりすぎというか技に頼りすぎだろうという気はしましたが、何はともあれ会場はメインに相応しい盛り上がりを見せたのでOKなんでしょう。
 あと終盤に入ってCIMAが飛び技連発してるのに対して隣の客が「あれ、膝痛めてたはずなのに、大丈夫なんじゃん!」とツッコんでて笑った。確かに終盤の頭らへんは痛みを我慢して……って感じでしたが、最後は普通に飛んでましたからねー。(笑)
 総評としてはメインで文句無い試合だったと思うんですが、期待値以上の何かを見れなかったのはちょっと残念。相手がライガーということで歳・体力のこともあるし、これ以上の試合は難しいだろうなーと思いました。




興行全体の総評ですが、あまりにもトータルパッケージのバランスを優先しつつ客数を増やすことを考えたために、タイトルマッチ多すぎの割りには手ごたえが無さ過ぎるというのが正直なところ。ブレイブゲート、望月金本、IJタッグは全部もう5分〜10分あってしかるべきじゃないでしょうか? 試合後に双方共、余裕が見えてしまって消化不良です。凄いカード組んだって外してしまう時は外してしまうのだから、保険として中盤カードに力入れてほしかったですよ。メインまでに燃え尽きてしまうのを恐れたのでしょうが、ぶっちゃけビッグマッチならそれもありだと思うんですけどね。





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