Destination X 2008 評価:C
3月のPPVは全体的にカードが弱め。というか魚市場ストリートファイト→ストラップ→エレベーションXって何の嫌がらせですかって感じですよ。(笑)


【3wayタッグマッチ】
ラテン・アメリカン・エクスチェンジ vs ロックンレイブ・インフェクション
vs モーターシティ・マシンガンズ
 TNAタッグ王座の挑戦権を賭けた3wayタッグマッチ。TNAの試合を見るのはかなり久しぶりなんですが、ヘルナンデスが髭生やしてたり、ロックンレイブ・インフェクションの2人の格好にビックリすると共に、過ぎ去った月日をも感じました。
 さてこの面子だとやはりランス・ホイトとヘルナンデスがヘビー級ということもあってか、ただそこにいるだけでかなり浮いてます。しかしヘルナンデスは元々かなり動ける方ですし、ホイットはそこまで動かずに置物状態なのがかえって良かったようで、試合はXディヴィジョンらしさが発揮された爽快なオープニングマッチとなりました。


【Xディヴィジョン王座戦】
ジェイ・リーサル vs ピーティー・ウィリアムズ
 元はと言えばジェイ・リーサルが王者になったことから始まったXディヴィジョン暗黒時代。ピーティーはその時代を終わらせることができるのでしょうか。というかピーティの体がおそろしくビルドアップされていてビックリしました。あの筋肉は激ヤバですよ!スコット・スタイナーとストーリーで絡んでたのは知ってたんですが、あそこまで鍛えていたとは……。ただ変に筋肉鍛えると動けなくなるらしいのでそこら辺が気になる所ですけど。
 リーサルも久しぶりに見たんですが、流石に王者に何度もついたことがあって昔に比べて柔軟性が増した感があり、相変わらず運動能力も高いですし、多少良くなりましたね。基本的に微塩なのは変わってませんが。
 試合はXディヴィジョン王座戦全盛期を知る者からすればやや物足りない感はありますが、まぁまぁ見られる内容です。ムーブ的にはスリングショット式のデュランダル(MIKAMIのやる両膝でのコードブレイカーみたいな技)と、リーサルが使っていた変わったフェイスバスター辺りが目を引きました。それからオチがしょっぱかったのが残念です。


カズ&エリック・ヤング vs ブラックレイン&レリック
 カズ&エリックに対するはアビスに続けとばかりにここ数年で沸いて(そして去って行った)怪奇派レスラー達。正直試合内容はあまり期待できそうにないのですが、どうなるのでしょうか。
 カズのみ元Xディヴィジョンということで、相手にジャパニーズレッグロールクラッチをかけつつ、寄ってきたもう1人の相手にノーザンライトボムをかけたり、田中将斗のスタナー&DDTとかユニークなムーブで魅せてくれるのはいいんですが、その他3人は特に変わったムーブする訳でもなし、さりとて技のキレとかが良い訳でもなしと中途半端でした。エリックのキャラは好きなんですがね。
 しかし試合終盤に入りエリックがバックステージに帰ってしまうと、突然アメリカン・スーパーヒーローにありがちな音楽が流れ出して謎のマスクマンが登場!……スーパーエリックの存在は知ってたんですが実際に見るとあまりにもあんまりすぎて爆笑してしまいました。そしてオチも強引すぎていやはや何とも言えません。個人的には無理にあんなパワー技やらさなくてもいいような気がしますけど。


【ノックアウト王座戦/3wayマッチ】
オーサム・コング vs ゲイル・キム vs ODB
 TNA版女子王座を争う3人ですが、体格が見事にコング>ODB>キムと序列が出来ていて吹きました。はてさてどうなることやら。
 キムとコングがいるのでWWEの女子王座戦よりはプロレスっぽい試合になるだろうと思っていたんですが、期待した程には激しい試合になりませんでした。確かにWWEよりは激しいんですけど、日本の女子プロとかと比べてしまうとちょっと……やはりコングの存在が大きすぎるのが原因でしょうか。コング>ODB+キムみたいな状態になっており、はっきり言ってバランスブレイカーですよ。(笑)


【魚市場ストリートファイトマッチ】
カレーマン&シャーク・ボーイ vs チーム3D
 最初試合形式を見た時に何かの誤植かと思ったんですが、「魚市場」は間違いではありません。氷と魚を満載した台車がいくつも設置され、網や釣り竿(魚市場にそんなものないよね?)まであるれっきとした「魚市場」です。またチーム3Dが体重規定絡みのアングルを展開していたらしく、試合前に体重計に乗ったりしていて、こんな豪華な面子なのにコメディマッチの匂いしかしなくて正直泣きそうです。
 案の定コメディマッチだったこの試合。魚で殴ったり、釣り竿を使って断食していたらしきババレイを誘ったりとやりたい放題です。この馬鹿さ加減は嫌いじゃないんですが、この面子でやらなくてもいいでしょうに。ハードコアマッチらしきスポットってショルダースルーで氷と魚を満載した台車に突っ込んだぐらいじゃないですか?最後の方で、乱入してきたジョニー・デヴァインがセットされたまま放置されていた机に叩き落とされたのはXディヴィジョンぽくて良かったんですが。う〜ん勿体ない。


【ストラップマッチ】
ブッカーT vs ロバート・ルード
 カードと試合形式から激塩試合になるかと思いきや、思ったよりは悪くありませんでした。試合時間が比較的短かったのも良し。久しぶりに見ましたが、ルードは結構面白い人材になってるかもしれません。


【エレベーションX】
ジェームズ・ストーム vs ライノ
 鳴り物入りで登場したエレベーションXですが、初回がAJスタイルズvsライノという謎すぎるカードで大失敗してしまいました。そして第2回の今試合はまたもやライノに、ヘビー級のジェームズ・ストーム。前回以上に塩試合の予感しかしません。
 結論から言ってしまえば予想通り駄目試合でした。速攻で鉄骨に登ったかと思いきや、ちんたらちんたら殴りあう始末。展開がバレバレなのにだらだら引っ張られるのはかなり辛いですよ。ただ個人的には試合形式の方に問題があるように思うので、この試合をやった2人対して同情する部分もありますね。


カート・アングル&AJスタイルズ&トムコ
vs クリスチャン・ケイジ&サモア・ジョー&ケビン・ナッシュ
 メインはカート軍団vsジョー軍団の6人タッグマッチ。PPVのメインとしてはあまりにもカードが弱すぎるかと思いきや、何だかんだでトムコ&ナッシュ以外の4人が試合巧者なお陰で、なかなかの良試合に仕上がっています。トムコもまだぎこちない部分はあるものの以前に比べてスピードが増したように思いますし、ナッシュは動けないなりに置き物状態でやってきた相手にパワー殺法を仕掛けるという戦法に終始していて、そこまで足を引っ張っていなかったのが良かったです。
 ムーブ的にはAJが6人タッグマッチなのにスパイラルタップなんて大技を出したのと、クリスチャンがクローズラインを避けつつリバースDDTを放った場面が印象に残りましたね。試合時間がやや短めですが、これ以上引っ張るとボロが出そうなので妥当かと。そういえばクリスチャンがいつの間にかムキムキになっててびっくりしました。


【映像特典】
AJスタイルズ&トムコ vs クリスチャン・ケイジ&ケビン・ナッシュ
(2008年3月13日放送分 「iMPACT!」より)
 CMカット有り。なんでこんな試合を映像特典に入れたのか理解に苦しむ内容。特に語ることはありません。


 カズ&エリック→女子王座3way→魚市場ストリートファイト→ストラップ→エレベーションXとイロモノ試合を立て続けに連発しており、あまりにもネタに走りすぎた印象を受けたPPVでした。オープニングマッチとXディヴィジョン王座戦、メインはマトモなんですが……。

(執筆日:2009年2月14日)

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