GLOBAL HONORED CROWN HEAVY WEIGHT CHAMPIONS 評価:A
 GHCヘビー級王座の設立からを纏めたDVD。名試合との評判高い三沢高山と三沢秋山収録というだけでかなり期待できます。


【初代GHCヘビー級王座決定トーナメント決勝戦】
三沢 光晴 vs 高山 善廣
(2001年4月15日 有明コロシアム)
 いつものGHCヘビー級王座戦のテーマがロングverでビックリ。長すぎにもほどあるだろうという気はしますけど。
 試合は打撃技と関節技の応酬からスタート。両者、「ヘビー級」という言葉に相応しい重みのある攻撃を繰り出して観客を惹きつけます。そして15分経たずに高山がいきなりエベレストジャーマン2連発。高山はそれほど投げ技のバリエーションを持っていないので、普通の王座戦みたいな終盤戦はしにくいという事情もあってのことでしょうけど、技の価値下げすぎでしょう……。なんとか三沢は返し、会場を一気に沸いて見事に終盤戦の雰囲気に。ここから再び打撃と関節技の応酬が入り、高山のタイガースープレックスという珍技も飛び出しつつ、ラストは激しい打撃戦へ。おお、これが噂に効く三沢の本気エルボーか!森嶋戦とはまた違った迫力ですね。
 総評ですが、かなり異色な試合でしたがヘビー級の魅力を再認識できて面白かったです。ノアにおけるテンプレート的試合(最後は大技ラッシュ)から思い切り外れたというのが興味深いですね。正直、三沢がこんなグラウンドと打撃中心の試合ができるとは意外でした。


【GHCヘビー級選手権試合】
三沢 光晴 vs 田上 明
(2001年5月18日 北海道立総合体育センター)
 「俺が田上」はこの試合のために出てきたんですねー。なるほどなるほど。最後に「だ」が付くか付かないか分からないという問題のコメントも収録されてましたが、確かにこれだと「俺が田上だ」にしか受け取れませんね。(笑)
 しかしまぁ試合見て思ったのは、2人ともよく動きますね。今とは段違いですよ。まぁこの試合の時だと田上が40なったばかりっていうぐらいですからね。やっぱり大きいです。田上のエルボー避けて投げっぱなしジャーマンとか三沢のスピンキックのような動きは今じゃ無理でしょうね……。それと花道から場外テーブルへの喉輪というノアらしからぬムーブもありましたが、全く割れなかった分かなりダメージあったんじゃないのか。
 残念だったのは試合時間が15分に満たないという短さのため、中盤と終盤がくっついてしまい、イマイチ盛り上がりに欠けてしまったことです。特に田上の方は中盤から手を出し尽くしてしまったため、終盤に至っても同じようなことやってるように見えちゃったんですよねー。雪崩式か断崖式喉輪を出して、俺が田上を最後に持ってくれればもっとはっきりしたと思うのですが。双方ともかなり良い感じに闘えてただけに勿体無いです。


【GHCヘビー級選手権試合】
三沢 光晴 vs 秋山 準
(2001年7月27日 日本武道館)
 まずは前哨戦から秋山がギラついてて良いですね。今の秋山に見せてやりたいぐらいですよ。まだ一線から下りるには早すぎる!
 ノア一周年記念大会にして初の武道館大会。更には長期欠場中の小橋建太が解説を務め、秋山のセコンドにはこの時期盟友関係にあった新日の永田裕志がちょっとアレな柄のネクタイに全身黒スーツで登場と、えらく豪華な顔ぶれです。
 試合の方は両者、異常な気合の入れようで序盤から真に迫った打撃とグラウンドの応酬が繰り広げられます。特に三沢が強烈なエルボーを連発。対する秋山は受けに回って温度差が出来そうになるも、場外でのエクスプロイダー、ゴッチ式のツームストンパイルドライバーで一気に流れを戻し、中盤に入る頃には三沢と比べても遜色無い容赦の無さでしたね。もう顔つきからして違いますもん。後、やっぱ2人とも今と比べて全然動けるので、大技出さなくても動きにキレがあって良い感じですね。
 終盤の前半では三沢が初公開となる雪崩式タイガードライバー。説得力は抜群なものの、フォーム崩れまくったのも残念だし、このタイミングで出すのも残念。流石にこれの後に普通のタイガードライバーは無いだろ……。ラストはちょっと一方的すぎたかなという感じはしますね。いくら勢いがあるとはいえ。秋山の垂直落下式エクスプロイダーは凄かったけど。
 いやはや凄い試合だったんですが、2人の能力考えたらもっとやれたと思うんですよね。そう考えると何とも言えない感触が残ります。


【GHCヘビー級選手権試合】
秋山 準 vs 本田 多聞
(2001年9月5日 岩手県営体育館)
 カード通りのアマレス対決。試合時間が短いような気はしますが、グラウンド中心なんでこれぐらいで最適かと。
 この試合では多聞と秋山のグラウンドの上手さを思い知らされました。終盤では強烈な投げも織り交ぜて終盤戦の空気に仕立て上げた上で関節技を繰り出していったのが良かったですね。秋山のフロントネックロック、多聞のタモンズシューター、双方とも執念剥き出しで迫力がありました。間違いなく良試合です。


 やっぱり5年以上も前の試合なんで、皆今より動けますねー。旧全日四天王時代の映像が事実上封印されている現状では、DVDの試合映像として最も古い部類なんで、是非とも当時を知らないノアファンに見て欲しいですね。
 ただ、どの試合も良試合〜名試合で間違いないんですが、近年の激しいクルーザー級の試合ばっかり見てるとあっさり気味に感じるかもしれません。なので「絶対買え」と自信を持って押しにくいんですよね。そのためAランクとなっています。

(執筆日:2007年2月4日)


GLOBAL HONORED CROWN Jr.HEAVY WEIGHT CHAMPIONS 評価:A
 GHCジュニアヘビー級王座の設立からを纏めたDVD。カードが若干弱いですが楽しみです。


【初代GHC Jrヘビー級王座決定トーナメント決勝戦】
金丸 義信 vs フベントゥ・ゲレーラ
(2001年6月24日 愛知県体育館)
 テクニシャンの金丸と華のある飛び技使いのフービーが激突しての決勝戦です。
 さて試合の方はお互い初顔合わせのこともあり少々ミスムーヴが見受けられましたが、無難に良い試合でした。特にノアマットでピープルズエルボーを敢行したフービーには拍手を送りたいです。(笑)


【GHC Jrヘビー級選手権試合】
金丸 義信 vs ドノヴァン・モーガン
(2001年7月27日 日本武道館)
 初めてこの試合を見た時はモーガンの外人特有の粗さが気になって仕方ありませんでしたが、そこらへん割り切れたらそこそこ面白く感じるかもしれません。ジュニア離れしたパワーは魅力的ですしね。


【GHC Jrヘビー級選手権試合】
金丸 義信 vs 浅子 覚
(2001年9月5日 岩手県営体育館)
 実は浅子さんの試合見るのってこれが初めてなんですよね。ノア見出した頃には既に引退してたはずですし、それ以降もDVD等でお目にかかる機会がなくようやくといった感じです。しかし全体的に冴えない体型と顔とマイクによりちょっと不安になってきました。
 というわけで実際の試合の方ですが……浅子さん馬鹿にしてすんませんでした。大技乱発傾向にあるものの間違いなく素晴らしい試合です!特に浅子さんがあの体型でスピード感溢れる動きを見せたのが衝撃的でした。それに技のセレクトもバランス良くて、個人的には好感度急上昇です。引退してしまったのが惜しいなぁ。


【GHC Jrヘビー級選手権試合】
金丸 義信 vs 高岩 竜一
(2001年10月19日 横浜文化体育館)
 どう見たって大技祭りとなることが分かり切ってるカードで少々萎えますが、なんだかんだで対抗戦ムードも漂い、結構楽しみです。
 お互い序盤からフィニッシュムーブを狙う等いきなり盛り上がった後、2人は地味な関節技を続けますが、やがて掟破りを交えて垂直落下ブレーンバスターとパワーボムとデスバレーボムを乱発。今でこそ、このジュニア版四天王プロレスとも言うべきスタイルは見慣れたものですが、当時はまだまだ新鮮で客席も大盛り上がりでした。個人的には大技乱発ってことでやはりちょっと乗れなかった部分はありますが、高岩の外敵っぷりが予想以上に良く、手に汗握る緊張感を楽しめました。


 ヘビー級王座戦特集に比べると1試合あたりの時間が短いので、その分抗争がちゃんと押さえられてるのがGood。初代王座決定トーナメントなんて正直決勝より準決勝の丸藤vsフービーの方が面白そうでしたもん。(笑) 金丸vsフービー、高岩が楽しめたのはもちろんのこと、金丸vs浅子も予想外に面白かったですし、オススメできます。

(執筆日:2008年4月30日)


GLOBAL HONORED CROWN TAG TEAM CHAMPIONS 評価:C
 GHCタッグ王座の初期の変遷を纏めたDVD。ノアDVDのこの手の特集モノにしては珍しく全試合完全収録です。まぁ4試合しか入ってないんで、それぐらいやってもらわんと……。定価5040円ですし。


【初代GHCタッグ王座決定トーナメント決勝戦】
ベイダー&スコーピオ vs 秋山 準&斎藤 彰俊
(2001年10月19日 横浜文化体育館)
 まさかの圧殺劇。意外ですねー。スカイハイチョークスラムを見たのは初めてですが、凄まじい説得力。


【GHCタッグ選手権試合】
ベイダー&スコーピオ vs 三沢 光晴&小川 良成
(2001年11月30日 北海道立総合体育センター)
 とりあえず小川の受けっぷりが凄まじすぎる。スカイハイチョークスラムで小川を三沢に投げつけた時は思わず呻きました。でもなんかラストはちょっと唐突な感が否めない。高山がおちょくっていたように、試合後のアピールのグダグダぶりには笑った。


【GHCタッグ選手権試合】
三沢 光晴&小川 良成 vs 大森 隆男&高山 善廣
(2001年12月9日 有明コロシアム)
 高山と三沢の打撃戦に息を呑む。良い試合だったんですが、これもまたラストに唐突感がありますね。


【GHCタッグ選手権試合】
大森 隆男&高山 善廣 vs 森嶋 猛&力皇 猛
(2002年2月17日 日本武道館)
 今DVDで最もデンジャラスな空気が漂ってるのは気のせいでしょうか……と思いきや、意外や意外。近年稀に見る重量感溢れるパワーの激突に好感度高し。両チームとも荒っぽいチームで噛み合わないかなと思ってたんですけどねー。


 とりあえず王座の変遷っぷりに笑った。初っ端からどれだけ回してるんだよ。試合の方はどれも良試合でした。
 でも他のレビューでも散々語った通り、ノアのDVDは単価高い上に試合数少ないんで、三沢小橋とか丸藤KENTAとか「他のDVD見てもこんな試合NEEEEEEEE!」っていうのじゃないと高ランクつけられないんですよね。見たい場合は中古がオススメ。

(執筆日:2006年9月1日)


バトル・レヴォリューション 序章 評価:D
収録試合
三沢 光晴&田上 明 vs 小橋 建太&秋山 準
(2000年8月5日 ディファ有明)

小橋 建太 vs 秋山 準
(2000年8月6日 ディファ有明)

小橋 建太&力皇 猛 vs 秋山 準&金丸 義信
(2000年8月19日 ディファ有明)

小橋 建太&大森 隆男 vs 秋山 準&高山 善廣
(2000年10月8日 横浜文化体育館)

三沢 光晴&小川 良成&丸藤 正道 vs ベイダー&スコーピオ&リチャード・スリンガー
(2000年10月8日 横浜文化体育館)

★小橋 建太 vs 大森 隆男
(2000年10月11日 愛知県体育館)

小橋 建太 vs 秋山 準
(2000年12月23日 有明コロシアム)

三沢 光晴 vs ベイダー
(2000年12月23日 有明コロシアム)

★橋本 真也 vs 大森 隆男
(2000年12月23日 有明コロシアム)

三沢 光晴&小川 良成 vs 橋本 真也&アレクサンダー大塚
(2001年1月13日 大阪府立体育会館)

ベイダー&秋山 準 vs 小橋 建太&田上 明
(2001年1月13日 大阪府立体育会館)

三沢 光晴&丸藤 正道 vs 小橋 建太&田上 明
(2001年1月18日 後楽園ホール)


他数試合収録。
DVDケース裏に書かれている通りに掲載しているので、
実際の順番とは違う場合があります。
★以外の試合は全てダイジェスト収録
ですが、流し見なのであんまり自信無し。


レビュー
ノア旗揚げから半年をまとめたDVD。当然のごとくほぼダイジェスト。正直、こんなん出すのを見ると、よっぽど金無かったのかなと思わずにはいられません。完全収録らしき試合も小橋の大森制裁とか10分以下の試合ですし、発売時期とは逆になりますが、前にレビュー上げてる「小橋建太 GRAND SWORD」と内容ほとんど被ってて、違いがあるとすれば三沢ベイダー関連と、橋本ノアマット登場ぐらいでしょうか。今となっては特にあまり見る価値ありませんね。正直Eランク一歩手前です。

(執筆日:2006年8月31日)

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