Dramatic Rumble 7 評価:B
DDTの2007年1月後楽園大会です。ヌルブラの本格始動、aWo(アロハ・ワールド・オーダー)初登場等、早くも新たな潮流が巻き起こる中で、EXTREME級・タッグ・無差別級の3王座戦もラインナップ。カードも悪くなく楽しみです。


星誕期&タノムサク鳥羽 vs 中澤マイケル&松永 智充
 ヌルヌルブラザーズが相撲&キックボクシングコンビと対決という構図ですね。
 試合の方は、売り出し始めたばかりということもありヌルブラが目立つスポットが多かったですね。オープニングマッチとしてはぼちぼちってところです。


【アメリカ・コントラ・選手生命/ハンディキャップマッチ】
男色ディーノ&KUDO vs マッスル坂井&大家 健&ゴージャス松野
 ディーノ組が負けたらアメリカ遠征取り止め、マッスル坂井組が負けたらフォール取られたレスラーが引退というコントラマッチです。この試合自体には関係ないですけど試合前のスキットの大鷲ネタでかなり笑いました。
 試合は有力引退候補として目されてる大家が奮闘する展開なのですが、ネタなのか素なのか分かりませんがあまりにも酷過ぎます。目にも当てられません。あと松野さんには笑わせてもらいました。それ以外の見所としては……終盤で披露したディーノの新技「 男色デストロイ」ですかね。相手の頭を自分のパンツに突っ込んでカナディアンデストロイヤーとか無茶すぎてファンタスティックですよ!(意味不明)


【DDT EXTREME級選手権試合】
MIKAMI vs NOSAWA論外
 DDTの旗揚げメンバーであるMIKAMIと論外が激突。普通の試合形式のようですが、正直どんな試合になるか読めません!
 さて試合の大半はラダーを擬人化して扱うというお笑いスポットが多く、それはそれで笑えたのですが、自分は論外の巧さの方に注目させられましたね。正統派の全日本で活動してるので、実質ラダーマッチな展開の中でここまでしっかり対応してくるとは思いませんでした。ラストのみちのくドライバー2 with ラダーもなかなか良かったです。てか試合結果だけ事前に知ってたんですけどてっきりtoラダーの書き間違えだと思ってましたよ。(汗)


【CMLL認定KO-Dタッグ選手権試合】
諸橋 晴也&マサ高梨 vs ポイズン澤田JULIE&ベアー福蛇
 DDTの新世代タッグにして王者まで辿りついた2人に蛇界が挑戦という構図です。煽りプロモのビデオの延滞料云々には吹きました。
 試合の方はお笑い抜きのオーソドックスな展開。澤田以外はキャリアが短い選手ばかりなので、どうしても間の取り方が単調で中だるみした場面が見かけられました。しかし間の取り方が下手なのをカバーするかのように、展開をしっかり詰めてきて盛り上げてくれたのは意外でしたね。終盤のクリップラー・クロスフェイスを巡る攻防には思わず熱くさせられましたよ。


高木 三四郎&長井 満也&猪熊 裕介&矢郷 良明
vs プリンス・トーゴー&キング・アラモアナ&Koo&アントーニオ・ザ・ドラゴン本多
 昨年末に帰国してしまったイタリアン・フォー・ホースメンに代わり、ディック東郷が世界中に広がるネットワークを駆使して次なる軍団を海外から招聘。今までキューバ、イタリアと来たが、今回はなんとハワイだった……。
 というわけでaWo初登場なんですけども、顔見せの色合いが強く試合内容は結構手抜きなように思いました。しかも矢郷さんを変にクローズアップしすぎて試合の焦点がブレてたのが残念。まぁトーゴーさんとかいるんで質はそこまで悪くはないんですけど、この凸凹の面子でももっと出来るだろうという感触はありましたね。


【KO-D無差別級選手権試合】
HARASHIMA vs 柿本 大地
 昨年末に大鷲を破りKO-D無差別級王者になったHARASHIMAの初防衛戦の相手は、能力はありながらずっと埋もれている(と個人的には思っている)柿本大地。双方ともブレイクすることが出来るか?
 柿本の方がパワーあるのでてっきり大鷲戦と同じく、前半柿本が攻める展開になると思いきや、いきなりHARASHIMAが攻めまくってて吹いた。しかも蹴りがいちいちエゲツない場所に入りすぎて引きましたよ。まぁ流石に逆転するだけの説得力はありましたけどね。
 一方の柿本も相変わらずのパワーに加えムーンサルトまで披露。ジャーマン式のカキチュードとドラゴン式のカキチュードまで見れて十分能力を発揮してくれたと思います。しかし2種類のカキチュードが返されてしまうと「フィニッシュムーブが種切れ→負け確定」みたいな空気になってしまい、現在のスタイルに限界を感じてしまうんですよね。関節技でも使い出したらまた幅が広くなると思うのですが……。
 試合全体の感想としては素直にかなり面白かったです。ですが流石に15分てのはあまりにも短すぎて勿体ないですね。このカードなら20分台前半でもっと凄い試合できると思うので。次の対戦に期待しましょう。


 今回はどの試合も見所がある上に極端な外れもなく、興行全体のバランスも取れており、はっきり言って当たり興行だと思いますよ。実に楽しめました。
 ……ですがどうしてもB級臭さを感じてしまいこの評価に落ち着いてしまいました。これがインディーの限界なのか?と自分でも考えさせられます。

(執筆日:2008年6月4日)
Dramatic Style 7 評価:B
DDTの8月後楽園大会です。5試合と少なめでメインが4wayということでアンダーカードもやや弱め。ちょっと外れな予感がします……。


マサ高梨 vs 安倍 行洋
 2年間練習生をしていたという安倍ちゃんのデビュー戦。高梨が新人のデビュー戦の相手をすると聞いて中々感慨深いものがあったんですが、俺だけですかね。
 試合は高梨が上手いこと安倍ちゃんをリードする展開で、高梨の成長を感じましたね。あとフィニッシュが激シブすぎて吹きました。平成も20年そこら経とうとしてる中でこんなフィニッシュを持ってくるとは……。


【敗者チームキャラクター剥奪マッチ】
改造蛇人間ジャカイダー&MIKAMI&タノムサク鳥羽
vs 桃鷲 透&マンゴー福蛇&蛇パニーズ・バルーン
 キャラクター剥奪マッチと銘打ってますが、対象となるのがベビー側がジャカイダー1人に対し、フルーツ軍団は3人ともということで釣り合ってないような気がしますが、まぁDDTだからいいんでしょうね。(笑)
 入場してきた時から気にはなってましたが、やはり被りモノやらなんやらで大鷲とPSJ改めジャカイダーが凄く動きづらそうでした。他の4人は特に制約は無く普通に試合してカバーしていたのであまり影響は無かったんですけれども。後、桃の被り物を鳥羽が被ったのは爆笑しました。


【CMLL認定KO-Dタッグ選手権/ロッカールーム棺桶デスマッチ】
中澤マイケル&松永 智充 vs 高木 三四郎&矢郷 良明
 王者のヌルヌルブラザーズが三四郎と矢郷さんを相手に防衛戦。しかも試合形式は矢郷さんが最も苦手とするロッカーを棺桶に見立てた棺桶デスマッチ!矢郷さんの明日はどっちだ!?
 さて本家WWEの棺桶マッチ自体、微妙な試合が多く、正直こっちもネタありきの試合じゃないかなと思っていたのですが、意外にも面白い試合になりました。場外で置きっぱなしの棺桶とは違い、ロッカーはリング内にいくつも設置されており、存分に凶器や踏み台として大活躍。今までDDTでは時々凶器としてロッカーを使っていましたが、メインの凶器として使用できるほど使い道があるとは思いもよりませんでしたね。特にロッカーの扉を片面外して叩いてたのが良かったです。
 王者ヌルブラについてですがまず松永が太ってたのがショックでした。筋肉量も増加してるとは思うのですが、パッと見太ったようにしか見えないんですよね……。そしてマイケルがロッカーへの投げ技を受けまくっていたのには涙を誘われました。後、展開的に今回はヌルヌルは関係ないなーと思いきや、最後のオチで使っていたのがニクイですね。
 対する挑戦者組ですが無難な仕事ぶりでした。ただ三四郎がロッカーの上からFromコーナーtoコーナーを狙うという無謀なことをしでかしたと思いきや、いざ飛ぶ段になって明らかにやる気なく飛んで一旦着地してドロップキック打ったのは中途半端すぎです。
 いやはやロッカーがネタ凶器じゃなくて、むしろプロレス向きであることを思い知らされた一戦でしたね。最後の方で出て来たプラスチックボックスも派手に割れて面白かったですし、DDTのプロレス頭の切れ味には頭が下がる思いです。


キング・アラモアナ&プリンス・トーゴー&アントーニオ本多
vs KUDO&飯伏 幸太&ヤス・ウラノ
 aWo対本隊という構図らしいのですが、aWo側は太ことアラモちゃんがいるし、本隊側は組み合わせが脈絡無いので噛み合うかどうかが気になりますね。
 この試合で最も驚かされたのはアントン。滅茶苦茶上手くなってるじゃないですか!?これだけできりゃそりゃDDT本隊で普通に試合組まれるわ……。いやはや間の取り方というかリズムの取り方がホント上手いんですよ。うわーこれだけ出来るの見せられてしまうと東郷さんとかウラノとかとシングルやってほしいですね〜。
 アントンばかりではなくウラノとaWoの面々の絡みも面白かったですね。一方KUDOと飯伏は出番がやや抑え目だったこともあり地味に映りました。飯伏は序盤の方でやった、エプロンから場外で前かがみになってる選手の背中を踏んづけて近くにいた相手選手へケブラーダ放ったのは度肝を抜かれましたけど。
 試合総評としては予想以上の好試合という他ありません。ただ実解が脱線しすぎて試合とは全く関係ないことを話続けてたのは×。


【KO-D無差別級選手権/4wayイリミネーションマッチ】
Koo vs HARASHIMA vs 諸橋 晴也 vs 男色ディーノ
 王者Kooへの挑戦権をかけたリーグ戦を実施。しかし何とトップ3人の点数が並んでしまうという事態になり4wayマッチに。DDTは「何のためにリーグ戦やったのか」と突っ込んで欲しくてたまらないみたいですね。(笑) しかし実力者のHARASHIMA、諸橋がいることもあって中々面白そうです。本音を言えばディーノの代わりに飯伏かKUDOかMIKAMI辺りを投入してほしかったんですけど、とりあえず見てみましょう。
 試合は諸橋がハブられる展開でスタート。4wayらしい展開を盛り込みつつこりゃ良い試合になるぞと思っていたところへ、まさかのHARASHIMA脱落。これは正直よろしくなかったですね。意外性を狙ったと思うんですけど、ガクンと試合のスピードも質も落ちてしまったのはねぇ。更にここからディーノが長時間キスを連発して一気に笑いの空気に変化させてしまいます。その後、垂直落下式ブレーンバスターを出すなど本気モードを見せるものの体格に勝るKooには抗えずディーノも脱落させられてしまいます。序盤から見せ場を貰えず休憩しまくり、途中の場外戦でいっちょ前に流血させられた諸橋が巨大なKooに立ち向かう……。
 ちょっとあからさまだったものの最後の諸橋も良かったんですけど、やっぱり途中でディーノが長時間キスを連発して空気をぶち壊したのは余計だったと思うし、試合設計の段階でミスってしまったように感じざるをえません。選手は悪くないんですけどね……。


 というわけでアンダーカードが意外と良かった今興行。メインも期待よりかは落ちるものの十分良試合ですし、ランクBということで。ちょっと甘いですかね?

(執筆日:2009年3月23日)




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