TLC : TABLES LADDERS CHAIRS 評価:D
収録試合
【ラダーマッチ】
ハーディーズ vs エッジ&クリスチャン
(「No Mercy 1999」より)

【テーブルマッチ】
ハーディーズ vs ダッドリーズ
(「Royale Rumble 2000」より)

【WWFタッグ王座戦/トライアングルラダーマッチ】
ハーディーズ vs エッジ&クリスチャン vs ダッドリーズ
(「Wrestle Mania 16」より)

全てダイジェスト収録。

レビュー
TLCマッチへの流れを特集したDVDが今作です。3チームそれぞれのインタビューと、合間合間のダイジェスト映像で構成されています。といっても英語版なんでインタビューよく分からないんですが。それでもテンポ良く編集されていて、見終わった後にはそれなりの満足感が得られるでしょう。トライアングルラダーマッチ後に各選手が抱擁し合う場面は必見。ダッドリーズによる、女性へのテーブル破壊雪崩式パワーボム集も見所。(笑)ただチャプター機能が無いのは×。まぁ所詮は廉価版DVDなので、余程TLCマッチについて知りたい人ぐらいしか、わざわざ買う価値は無いかと。

(執筆日:2005年10月12日)


Live in Japan 2005 評価:B
日本のWWEファンにとって夢であった「RAW&SDの日本収録」がついに実現!さいたまスーパーアリーナという大箱で2日間に渡って行われた興行をまとめたDVDです。ちなみにTV収録は日本どころかアジア地域を通しても初めてだそうで、ほんとこの空間に立ち会えた人が羨ましいですね〜。


バティスタ vs メイヴェン
(2005年2月4日 RAW#611より)
 カードからしてスカッシュマッチ臭がしますが、想像以上の瞬殺ぶりで吹いた。(笑)あまりにも短すぎてコメントのしようがありませんよ。


【世界タッグ王座戦】
ラ・レジスタンス vs ウィリアム・リーガル&タジリ
(2005年2月4日 RAW#611より)
 試合開始直後からタジリが珍しくヘッドシザーズホイップ等のルチャっぽいムーブを駆使して盛り上げると、そこから試合終了までタジリタイムが展開されました。ラ・レジスタンスもしっかりやられ役を務めあげ、そこそこ良い試合になってます。ただこれまた短すぎな感はあります。


ショーン・マイケルズ vs リック・フレアー
(2005年2月4日 RAW#611より)
 カードからしてかなりオールドスクールな香りが漂いますが、予想に違わない試合となりました。やたらフレアーがバックボディドロップ(ショルダースルー)食らいまくってたのが印象に残りましたね。場外でも食らってたし、4回ぐらい食らったんじゃないでしょうか。それからフレアーの独特のセールで皆笑いすぎですよ。攻撃の後じゃなくてフレアーが倒れた後に拍手するのはちょっと異様な光景で面白かったです。(笑)


ランディ・オートン vs タイソン・トムコ
(2005年2月4日 RAW#611より)
 ロイヤルランブルから謎の脳震盪アングルを展開していたオートンが、クリスチャンの差し金でトムコと対決。かなりしょっぱそうなカードでしたが、思ったよりは悪くない試合内容だったかと。ただちょっと淡々とはしていましたが。


【世界ヘビー級王座戦】
HHH vs エッジ
(2005年2月4日 RAW#611より)
 日本興行の初日のメインではHHHの持つ世界ヘビー級王座にエッジが挑戦します。
 CMカット有り。 日本ということもあってか日本式のグラウンドの展開から始まったこの試合。まさかヘッドシザーズの切り返しで逆立ちするHHHが見れるとは思いませんでしたよ。中盤からはわりと激しい展開となり、まぁまぁな試合に仕上がっていますが、ラストのグダグダぶりだけは擁護できません。それと両者ともヒールということで、そこまで目立った勧善懲悪な展開があるわけでもないので、WWEファン的にはちょっと違和感を覚える部分があるかもしれませんね。


【特典映像】
HHH vs タジリ
(2004年4月26日 RAW#570より)
 主にクルーザー級戦線やタッグ王座戦線で戦ってきたため、HHHのような大物と絡む機会は少ないので、これは貴重な試合ですね。
 さて試合はタジリが鋭い蹴りとスピードとテクニックで、HHHのパワーに対抗するという予想通りの構図になりました。タジリの攻守の巧さはもちろんのこと、しっかりとタジリの蹴りを受けてその威力をアピールしていたHHHの巧さにも舌を巻きましたよ。
 かなり面白かったんですが流石に格の差がありすぎるためか、試合時間が短かったのが残念でなりません。まぁでもスカッシュマッチで無かっただけ感謝すべきかもしれませんね。


【特典映像/世界タッグ王座戦/トリプルスレットマッチ】
ウィリアム・リーガル&タジリ vs ラ・レジスタンス vs メイヴェン&サイモン・ディーン
(2005年3月28日 RAW#618より)
 何ともしまりのない面子のトリプルスレット形式のタッグ王座戦ですが、3wayらしいスピーディな展開が繰り広げられわりと見られる試合になっています。ただ最後がタジリタイムなのはどうかという気もしなくはないですが。(笑)


【特典映像/3wayダンスマッチ】
タジリ vs スーパー・クレイジー vs ナンジオ
(2005年6月12日 「ECW One Night Stand 2005」より)
 ECWにおいて3wayマッチの定番カードだったが時を経て一夜限りの復活。タジリのセコンドにマイキー・ウィップレック、ナンジオのセコンドにはFBIの面々が付くなどいかにもきな臭い雰囲気の中、試合開始です。
 いやぁ久しぶりに見たんですが、試合開始直後から巧みなハイスピードバトルが繰り広げられて圧倒されましたね。皆結構いい年なんですが頑張りますねぇ。特にスーパー・クレイジーがバルコニーからムーンサルトしてすぐにリングに戻ってきたのはクソ吹きましたよ。タジリのタランチュラの入り方も面白かったですし、実に痛快な試合でした。


エディ・ゲレロ vs ケンゾー・スズキ
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 ここからDisc2、RAW収録の翌日に行われたSD収録の始まりです。SDのオープニングマッチは日本に縁の深いエディと、日本人レスラーの鈴木健想という盛り上げるにはうってつけの人材が選ばれました。試合自体は凡戦ですが観客のテンションが高く、凄い盛り上がりを見せました。


【WWEタッグ王座戦】
バシャムズ vs ルーサー・レインズ&マーク・ジンドラック
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 塩試合の予感しかしないカードで、試合自体も今ひとつ盛り上がりに欠けましたが、サプライズにより試合の行方も何もかも吹っ飛びました。やっぱ盛り上がるなぁ……。


【クルーザー級王座戦】
フナキ vs チャボ・ゲレロ
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 クルーザー級王者として故郷に帰ってきたフナキがチャボを相手に防衛戦を行います。
 日本ということもあってかグラウンドからの展開で始まると、お互いオーソドックスな技のみでテンポ良く試合を繰り広げ、観客を魅了していきます。フナキのシングルの試合って実はあんまり見た事なかったんですが、生存競争の激しいWWEに長く生き残ってきただけの実力はあるなぁと納得させられましたね。またチャボが卍固めを放つ等、日本のファンに対してのサービス要素もあって、良い試合に仕上がっていますよ。


ジョン・シナ vs オーランド・ジョーダン
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 レッスルマニア21におけるWWE王座挑戦権をかけたトーナメントを実施しているSmackdown。この試合もそのトーナメントの1回戦なんですが、しょっぱそうな香りしか漂ってきません。そして予想通りの凡戦で更にテンションダウン。この頃のシナって一本調子なんですよね……。


【キモノマッチ】
トリー・ウィルソン vs ヒロコ
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 このカードと対戦形式ではプロレスというよりイベントに近いだろうと思われ、他の試合と同じような扱いをするのもどうかと思ったのですが、ラストでトリーがヒロコをエアブレンスピンしたのは吹きましたね。後、そもそも着物じゃなくて浴衣って突っ込むのは野暮ってもんなんでしょうか。


カート・アングル vs レイ・ミステリオ
(2005年2月5日 Smackdown!#293より)
 SDのメイン戦はシナvsOJと同じくWWE王座挑戦権をかけたトーナメントの1回戦で、カートとミステリオが激突。かなり期待できますね!
  CMカット有り。 両者の持ち味であるスピードとテクニックが存分に発揮され、かなり面白かったです。特にラストの攻防が熱かったですね。文句なしの良試合でした。


【特典映像】
タジリ vs ジェイミー・ノーブル
(2003年1月9日 Smackdown!より)
 タジリの怪我からの復帰戦。タジリとジェイミーはかなり手が合うので(週刊プロレスでタジリ自身がそのことを認めていたくらい)、タジリマニアとしては相当楽しみです。
 冒頭からやたらテンポ良く試合は進み、「タジリvsジェイミーに外れなし」を強く認識させられる素晴らしい試合内容でした。巧みな切り返しもありましたが、あくまでオーソドックスな技が基本でまさしくプロレスの教科書とも言うべき試合に仕上がっています。


【特典映像/クルーザー級王座戦】
レイ・ミステリオ vs タジリ
(2003年9月25日 Smackdown!より)
 WWE登場以来、クルーザー級王座戦線の顔にもなっている王者ミステリオにタジリが挑みます。
 CMカット有り。 蓋を開けてみれば通常番組のSDでこんなにやっちゃっていいの!?と思ったぐらい大熱戦となった今試合。見事な攻防から両者の巧さが伺えますね。またタジリがみちのくドライバー2を繰り出したんですが、かなり珍しいことなんじゃないでしょうか。タジリ繋がりだとミスト発射のタイミングも意表を突くもので、大満足&納得のラストでした。


【特典映像/WWEタッグ王座戦/ラダーマッチ】
チーム・アングル vs エディ・ゲレロ&タジリ
(2003年5月18日 「Judgement Day 2003」より)
 これは結構有名な試合なので、もう語るまでも無いかなという気がしなくもないんですね。シェルトン&ハースのいわゆる世界最強タッグ(WGTT)の2人が、怪我で欠場したチャボに代わってタジリを仲間に加えたエディを迎え撃つという構図です。
 この試合を見るたびに毎回思うんですが、色々危なっかしすぎますよ。ラダーマッチ経験者がエディのみである上、シェルトン&ハースに至ってはまだまだキャリアも少ない状態ですしね。単純なムーブミスも多く、当たり所が悪くてグロッキーになったりしているのを見ると、体を張った激しく面白い試合だとは思うのですが、どことなく凄惨な雰囲気が付きまとって素直に楽しめません。


 RAW&SDの本放送+オマケのタジリ特集といった感じのDVDなわけですが、まずRAWの真のオープニングマッチであるジェリコvsベノワのサブミッションマッチが収録されなかったのが残念ですね。仕方ないっちゃあ仕方ないんですけど……。またRAW&SDで放送された分だけなので、収録の前後に行われた試合が入ってないのも賛否両論分かれるところかと思います。特にHEATのシェルトン・ベンジャミンvsバル・ビーナス(IC王座戦)とか、SDのダークマッチだったポール・ロンドンvsアキオ(ジミー・ヤン)とか正直見たかったですね。
 ただ埋め合わせのように入っているタジリ特集もDVD化されにくい通常放送の良試合を中心にピックアップされているので、こちらはこちらで価値があるかと思いますし、なかなか映像特典については判断が難しいところです。

(執筆日:2009年2月15日)


The Rise+Fall of ECW 評価:A
例によってこのレビューでは特典映像の試合の方が多くなってしまうのですが、本編がなかなか秀逸な出来栄えだと思います。WWEはマンデーナイトウォーの時もそうだったけど纏めるの上手い気が。WWE側に寄ってるのは目を瞑るにしても。まぁこんな意見を出すのもECWを生で知らないからかもしれませんが……


【ECWタッグ王座戦/3本勝負】
レイヴェン&スティービー・リチャーズ vs ピットブルズ
(1995年9月16日 「Gangsta's Paradise」より)
 ごく普通の試合ではありますが、ECWを初めて見る人には結構インパクトあるんじゃないかなぁと。荒っぽさとお約束に満ちています。初心者に洗礼ってことで。ところでテーブルへのスーパーボム失敗は酷すぎますね。


【3本勝負】
レイ・ミステリオJr vs シコシス
(1995年10月17日 「Hardcore TV」より)
 油の乗った2人による華麗で激しき戦い。確かに「エクストリーム・ルチャリブレ」を冠するにふさわしいですね。シコシスとミステリオの身長差がもの凄いので、基本的にはシコシスは受け役&パワー戦法ですが、ここぞというところで飛び技を炸裂させるのでかなりアツイです。ミステリオもえげつない正確さで高難度ムーブを繰り出していくのはまさに圧巻の一言。まさにHoly Shit! 与えられた役割を十二分に発揮していますね。


【ECW世界ヘビー級王座戦/ラダーマッチ】
サンドマン vs マイキー・ウィップレック
(1995年10月28日 「Hardcore TV」より)
 ラダーマッチとなっていますが、ただ単に梯子が公認凶器というだけの試合。勝利条件は普通にフォール&タップアウトです。試合前に乱入してきたオースチン、既にこの時点でマイク&キャラが確立されてますね。キャラの方は多少自惚れ屋が混じってますけど、マイクはその後のWWEにおけるスタイルとほぼ同じと言っていいでしょう。
 試合の方ですが、今よりサンドマンが痩せてるお陰でかなり動けてますね。エプロンからのロープバウンド利用前方回転レッグドロップwithラダーとかビックリしちゃいました。まぁ10年前ですもんねぇ。ラストがあっさりと決まったのにもビックリ。
 やっぱりマイキーの歴史をちゃんと追ってるわけではないんで、試合の意義にせよ、セレモニーにせよ、ノりにくいですね。本編で概要だけやってたんでさっぱり分からないということは無いんですけど。


【ECW世界TV王座戦】
トゥ・コールド・スコーピオ vs サブゥー
(1996年2月17日 「Cyber Slam」より)
 開始1分で椅子投入笑った。両者の空中技はどちらも素晴らしい滞空感を持ち、流石に勢いを感じますね。ただ間をムーブで埋めてしまおうとして技を出す→ダウンといった流れが続き、単調になりがちです。特にスコーピオがコーナーから飛びすぎ。多分6回以上飛んでるし……壮絶さはあるんだけど、いかんせん長い。まぁ長いのも理由はあるんですけど、やっぱりそのお陰で試合の質が落ちた感は否めず。


レイヴェン vs トミー・ドリーマー
(1997年6月6日 「Wrestle Palooza」より)
 レイヴェンvsドリーマー最終章は、初っ端から場外乱闘しかもテーブル破壊ムーブ連発とド派手なスタート。乱入に凶器にキャットファイトにレフェリー誤爆ネタと大盤振る舞い。荒っぽくてテクニックもクソもありませんが、間違いなく良試合です。
 おそらく試合より試合後の方が長いというアホさですが、こちらも間違いなく必見ですよ。ただタズの乱入で終わってしまうので、マイク含めて完全収録して欲しかったところ。同時収録のコーチ&ドリーマーのコメントも、キャラと素を織り交ぜつつ真面目に語ってるのが好印象なので是非。


【ECW世界TV王座戦】
タズ vs バンバン・ビガロ
(1998年3月1日 「Living Dangerously」より)
 なんだかヘビー級のあからさまな力のぶつかり合いを見たのが、とっても久しぶりな気がします。それでいて両者ともわりと動ける方なのでかなり好印象。さすがにビガロがラウンディングボディプレスやったのは驚きましたけど。意味も無くテーブル破壊は笑った。
 デンジャラスなムーブとしては花道から客席へのタズプレックスはやりすぎ。自分の頭が鉄柵にぶつかってて……自分の体を省みなさすぎというか、本当にタズの方が劣勢の展開になってて笑いそうになったが、笑えない。
 そしてラスト。プロレス史上初の仕掛けってことで、今回収録した意義はあると思います。是非御覧ください。まぁWWEでもやってるんであんまり驚きがないかもしれませんが。


【ECW世界TV王座戦】
ロブ・ヴァン・ダム vs ジェリー・リン
(1999年5月16日 「Hardcore Heaven」より)
 これは名試合ですよ。今DVD収録の試合の中では間違いなくベストマッチじゃないですかね?
 RVDが今よりか遥かに痩せてて素早いのが印象的。そしてリンもまた素早く技術を持っている。しかも手も合うってことで、冒頭のグラウンドから魅せてくれます。
 各種ヴァンダミネーターはともかくとして、その他の凶器絡みのムーブはわりと普通なのが意外。無論現在を基準とするのはおかしいので、当時を想像した上での話なのですけど。でも演者が普通じゃない。先ほど書いた通り技術面にしてもスピードにしても優れているが、30分以上 ほとんどノンストップ でハードコアマッチをするスタミナには畏れすら感じるし、地味だけど重要な柔軟性を持ってます。まさにアスリート系ハードコアファイターの鏡。
 この試合を観察していると、(ECWの試合としては)普通のムーブで客を惹きつけていますね。なんでかなって考えると、色々深く考えさせられます。「間」を取るのではなく、圧倒的なスピードで「制している」せいなのか、どのムーブも全力で行っているせいなのか……。気絶やミスムーブで明らかに試合が乱されて、客から罵声が飛んでるにもかかわらず、すぐに立ちなおしてくるのは凄いとしか言いようがないです。
 それと所々に既存のムーブを工夫して奇想天外なムーブに仕立ててくる辺りにXディヴィジョンの源流を感じました。特にジェリー・リンは初期TNAの立役者でしたしね。


  ディスク1が本編、ディスク2が7試合&トーク収録ってことで、意外と収録試合数が少ないような気もします。しかし必見の試合もたくさんあり、トーク&試合のオルタナティブコメンタリーにおいては選手の素が出てて非常に面白かったです。冒頭でも褒めた通り、本編も見応えがあり、全体的に見て試合集というよりかはドキュメンタリーとして満足できるのではないかと思います。

(執筆日:2006年5月9日)


Blood Sport : ECW The Most Violent Matches 評価:B
ECWの試合をまとめたDVDが発売されました。映像特典も充実してて良い感じなのですが、肝心の収録カードがところどころ変なのがあってちょっと不安です。


【ECWタッグ王座戦】
パブリック・エネミー vs カクタスジャック&マイキー・ウィップレック
(1994年8月27日 「Hardcore TV」より)
 ひたすらウィップレックやられまくりつつ所々攻めてます。アングルも含めて教科書通りのハードコアマッチといった感じ。フィニッシュはいくらなんでもあの状況からでは説得力無さすぎ。


テリー・ファンク&サンドマン vs カクタスジャック&シェイン・ダグラス
(1995年3月18日 「Extreme Warfare」より)
 まずはカクタスジャックの定番ムーブである場外に自分もろとも叩き落していくクローズラインをわざわざ4連発してて笑った。わざわざ落ちてはリングに上がって放つその姿には「お疲れ様です」と言いたいところ。後は鉄柵絡みのムーブが面白かったですね。
 フィニッシュはちょっと引きました。いくら直撃は避けてるのは明らかでも絶対どっか掠ってるはずですしね……。(汗) というかリングが燃えなかった(ネタバレ )のが意外でした。


【タイペイデスマッチ】
イアン・ロッテン vs アクセル・ロッテン
(1995年7月1日 「Hardcore Heaven」より)
 案の定、パンチ等の打撃が主力。今までタイペイデスマッチはイロモノとして考えてましたが、プロレスで軽くみられがちな一発の打撃の威力の恐怖を、具体的に見せてくれるという点では優れているのかもと思いました。


【メキシカンデスマッチ】
レイ・ミステリオJr vs シコシス
(1995年11月18日 「November 2 Remember」より)
 入場曲がWWEのアレンジ版で笑った。どう見ても差し替えですありがとうございました。流石にこれはECW一切見てなくても分かるぞ。
 さてメキシカンデスマッチとのことですが、前ミック・フォーリーの個人DVDの時にもご紹介したテキサス・デスマッチと同一。フォールorタップアウト後に更に10カウント必要という面倒くさいルールです。
 つうかスタート直後にいきなりミステリオがドラゴンラナしてるんですけどっ!マジかよ!信じられん! Holy Shit!世界は広かった! ……いきなり度肝を抜かされましたよ。普通にドラゴンキッドが元祖だと思ってたんで。
 序盤は初っ端から軽やかに正面跳びのドロップキックを避けられまくるシコシスに萌えつつ、ミステリオの素早さと技のフォームの見事さに酔う。ただ鉄柵乗りの失敗は頂けない。中盤にさしかかる辺りからシコシスが攻めまくり。やたらと正面飛びドロップキックを放ってるのと、迫力あるムーンサルトやローリングセントーンが印象に残ります。終盤はかなり短めですが、ミステリオがラ・ケブラーダや高所からの飛びつき式ウラカンラナで観客を魅了してくれました。双方、お見事っ!


【ECW TV王座戦/4コーナーマッチ】
クリス・ジェリコ vs シェイン・ダグラス vs トゥ・コールド・スコーピオ vs ピットブル2号
(1996年6月13日 「Heatwave」より)
 なんだか妙な組み合わせ。ジェリコ、スコーピオはともかくとしてピットブル2号やダグラス辺りがどう動くか。ちょっと怖くもあり楽しみでもあります。
 まず気になったのがジェリコのもっさりぶり。なんか体重増やしてるっぽい気もしますが、全体的にしなやかさとキレが無く、これはいただけない。ラストで、タイガースープレックスやる所をすっぽ抜けてオースイスープレックスに化けたのにはスイミングアイするしかない。
 スコーピオも流石に若いだけあって運動能力が素晴らしいですが、今と同じくトロい間の取り方なんで試合自体もややダレた感じ。ただロープに追い詰められた際に、ピットブル2号のアマレス用シングレットを掴んで後ろのトップロープに飛び乗り、場外への巴投げにしたのは度肝を抜かれた。それとジェリコの三角飛びプランチャの後の、スコーピオのコーナーからのプランチャは受け手側があんまりすぎる。ドリフかよ!
 それとピットブル2号はリフトアップしすぎです。もっと力の使い道は無いのかと思いますねー。シェイン・ダグラスは……まぁこんなもんでしょう。
 イリミネーション方式ということもあってかなりのロングマッチ。1人目敗退までが長いのと、ややもっさり気味なので見てて大分疲れました。まぁでもラストのフランシーンの一連の流れとECWの客の熱狂ぶりは一見の価値あり。


【ウェポンズマッチ】
トミー・ドリーマー vs ブライアン・リー
(1996年6月22日 「Hardcore Heaven」より)
 これはなんというかもうアスリートの試合とはかけ離れた、流血と凶器が乱舞するバカ騒ぎ。”match”じゃなくて”carnival”というのが相応しい。しかし、それでもプロレスであると思えるのは、プロレスというジャンルの底知れない奥深さゆえか。試合後の高所からのチョークスラムto3段テーブルは必見。


【担架マッチ】
ロブ・ヴァン・ダム vs サブゥー
(1996年8月3日 「The Doctor Is In」より)
 とりあえずコールの時に投げられたと思われる紙テープがRVDの右足のブーツに挟まったままなのが気になって仕方が無い。(汗) 開始して2・3分でRVDが気づいて取りましたが、むずがゆい気持ちが残ったままです。試合に集中できるんかしら……
 心配御無用。この2人のこと、期待を裏切るような試合はしません。序盤から空中技を次々と繰り出し、観客を魅了していきます。特にRVDは柵やエプロンなどを巧みに使って、各種キックやレッグドロップを物珍しいムーブに仕立てていきます。無論、滞空時間の長さ、フォーム等も完璧。お見事という他ないですね。
 ところがRVDが珍しくパワーボムを決めた辺りから、双方ミスムーブを連発。何とか進行を進めるも、ラストのオチが正直いまいちでした。それに、鉄柵に頭思い切りぶつけてるのが意図的なら引きますわ。う〜ん。残念。


【3wayダンスマッチ】
テリー・ファンク vs サンドマン vs スティービー・リチャーズ
(1997年4月13日 「Barely Legal」より)
 これまた何ともいえない組み合わせでしたが、活き活きとしている三者に期待が持てました。冒頭のチョップ、ヘッドロックからして何か気合みたいなのが漲っていて、良試合になりそうなプラスの空気を場内にもたらしています。
 序盤は全体的に素朴で和気あいあいとした空気だったんですが、ファンクのラダーからのムーンサルトを怖がって避けたスティービーはSuck。確かに高さのあるやつだったんでいつものように直撃すると、えらいことになる可能性はありましたが、腕しか当たってないのは流石にしょっぱい。
 その後も試合終了まで非常に楽しめました。キーワードは「シンプル+ハードコア+3way」。このカテゴリ内でこの試合は最上級に位置づけられるのでは?ほんと教科書にできるような試合でした。演者もサンドマンとスティービーは結構疑問視してたんですけど、やるじゃないですか。ただ有刺鉄線は余計だったんじゃないかなと思わなくもないです。
 しかしテリー・ファンクは凄い。53歳なのに、序盤で見せたムーンサルト、ラストのローリングセントーンと非常に見事なフォームでした。ありえない。


【ECW世界ヘビー級王座戦】
レイヴェン vs テリー・ファンク
(1997年4月13日 「Barely Legal」より)
 えっとチャプター的には独立しておらず、前の試合から連続して収録されているんですが、ほとんど完全収録に近いんで、こちらの試合もレビューします。
 とはいえ試合時間は非常に短く、テリー・ファンクは一切攻撃しません。この事を念頭において結果を見ると……プロレスって不思議ですねぇ。(笑)
 中身としては乱入劇と、トミーが上の試合で食らったチョークスラムfrom高所to3段テーブルのお返し(ただし受け手が重すぎてロクに飛んでない)→ついに試合に介入といったところ。観客の大騒ぎっぷりが凄くて、「プロレスっていいなぁ」としみじみと思いました。


【ECW世界ヘビー級王座戦/有刺鉄線マッチ】
テリー・ファンク vs サブゥー
(1997年8月9日 「Born to Wired」より)
 ポールが自ら危険すぎる試合と評し、ECW最後の有刺鉄線マッチとなったのがこれ。後半に至るまではごく普通の有刺鉄線マッチなのですが、サブゥーのタイツが裂ける等の珍しい事態も発生する中(ちなみにアンダータイツ履いてます)、ガンガン突っ込んでいきます。突っ込みすぎてサブゥーがセコンドにテーピング用のテープを用意させ、左腕の出血を無理やり止めてしまうという健気な場面も。
 後半はもうちょっとやりすぎ。テリーの歳を考えると、これは人道に反すると言ってもいいですね。有刺鉄線を体に巻きつけて長時間耐えたのは凄すぎる。しかもその上、サブゥーが下半身に有刺鉄線を巻きつけた上でレッグドロップなんて出すもんだから、お互いの巻きつけた有刺鉄線が絡み合い、まさに有刺鉄線のボールみたいな感じに。お互いなんとかリングには戻るも、まともに動けず、収拾もつかないのでとりあえず試合終わらせましたみたいな感じでしたが、これではしょうがないと思います。壮絶。


【インタージェンダーマッチ】
ビューラ・マクギリカティ vs ビル・アルフォンソ
(1997年9月20日 「As Good As It Gets」より)
 非レスラーであるはずのビューラとアルフォンソが激突。とりあえずアルフォンソの流血&ヒールジョブに乾杯。


【ECWデスマッチ/フォールズカウントエニウェア】
タズ vs バンバン・ビガロ
(1998年8月2日 「Heatwave」より)
 お互いタンク型な体型をしており、息を呑むほどのパワーのぶつかり合いを感じ取ることができます。筋肉マッチョはWWEにもいますが、見栄えが悪いのでタンク型体型のレスラーはなかなかいないんですよねー。ヘンリーぐらいか?
 試合はもうお互い場所を選ばず、殴るわ蹴るわ関節かけるわ投げるわの大騒ぎ。花道貫通DDTにはびっくりさせられました。入場時どうしてたんだろう……。ラストのランニングからの飛びつきタズミッションがカッコ良すぎです。良試合。


【ECW世界ヘビー級王座戦】
タズ vs シェイン・ダグラス
(1999年1月17日 「HardcoreTV」より)
 CMカット有り。 これもまた良試合。重みのあるグラウンド合戦から始まり、これまたパワーのぶつかり合いが展開されます。場外戦もモノを上手くプロレス技に取り入れていき、観客を飽きさせません。まさに熱き男の闘い。


【ECWタッグ王座戦/
シカゴ・ストリートファイト・フォールズカウントエニウェア・マッチ】
ダッドリーズ vs ボールズ・マホーニー&スパイク・ダッドリー
(1999年7月5日 「HardcoreTV」より)
 CMカット有り。 プロレス技も結構出るんですが、どうしても試合のイメージとしては喧嘩と称した方が相応しい試合。大流血のハードコアマッチです。ラストの火炎&画帖テーブルは必見。


【ECW世界ヘビー級王座戦】
マイク・オーサム vs スパイク・ダッドリー
(2000年1月9日 「Guilty As Charged」より)
 王者オーサムに対して小兵のスパイクがどう挑むか。捨て身で食らいついていくスパイクに感情移入もしやすいし、テーブルも豪快に割りまくりで、なかなか見応えのある試合です。


ライノ vs サンドマン
(2000年2月25日 「ECW on TNN」より)
 なんでこの試合を入れたのか意図が分からない。適当に凶器混じりで殴りあった後、乱入祭り。


【3wayダンスマッチ】
スペル・クレイジー vs ヨシヒロ・タジリ vs リトル・グイドー
(2000年3月3日 「ECW on TNN」より)
 恐ろしく完成度の高い3way。よく某道頓堀氏が褒めてたので相当なもんだとは思ってましたが、これは凄い。3wayの傑作試合というと普通は流れるように次々と展開するのが基本なんですけど、この試合の特に前半に関して言えば、次々と攻守が入れ替わり、タジリがアクセントにバズソーキックや顔面キック連発してるせいで、かなり変わったテンポで展開されてるのが興味を引きました。それで客をノせてますからねー。不思議です……。
 ムーブ的にはタジリが旋回式垂直落下ブレーンバスターやってたり、クレイジーがスワンダイブ式ムーンサルト連射したりとか、かなり活きが良い時期であることを教えてくれます。もちろんそのような派手なムーブだけではなく、しっかりとした基礎も身についていることが様々な場面を見ていると分かりますね。でもタジリはバズソーキック連射しすぎ。


【I Quitマッチ】
トミー・ドリーマー vs C.W.アンダーソン
(2001年1月7日 「Guilty As Charged」より)
 これまたゴツゴツとしたハードコアマッチ。


マイク・オーサム vs 田中 将斗
(2005年6月12日 WWE「ECW One Night Stand」より)
 ONSのレビューでも書いたんで、もうあまり書くこともないんですけど、やっぱりこのDVDの収録試合を見てからだと、慣れってやつなのかこの試合に対する見る目も多少は変わってきますね。それでもインフレしすぎの大破壊戦という印象ですけど。


【特典映像枠】
ギャングスタズ vs パブリック・エネミー
(1996年1月5日 「House Party」より)
 WWE的ECW史観では無かったことになっているニュージャックがいよいよ登場。まぁやってることは普通に流血しながらのどつきあいなんですけど。ジョニー・グランジがやたら飛んでて笑った。試合後のマイクを見るとWCW移籍前のラストマッチなのかしらん?


 ん〜。やっぱり当初の予想通り、「これ入れる必要あるのか?」という試合が結構あったので、ライズ&フォールよりかはランク落とさざるをえないですね。出し惜しみという感じは正直あります。まぁでも予想裏切って面白かった試合もありますし、そこまで不満を抱くような出来ではないです。特典映像もそこそこ収録されています。

(執筆日:2006年10月21日)


The Best of Intercontinental Championship 評価:C
収録試合
ショーン・マイケルズ vs クラッシュ
(英国興行より)

ブレット・ハート vs スキナー
(1992年”Primetime Wrestling”より)

ショーン・マイケルズ vs マーティ・ジャネッティ
(「Monday Night Raw」より)

ショーン・マイケルズ vs ミスター・パーフェクト
(「Summer Slam 1993」より)

ショーン・マイケルズ vs “ハクソー”ジム・ドゥガン
(「Monday Night Raw」より)

レビュー
やたらHBKの試合が多かったり、92・93年の試合しか無かったり、5試合しか入ってないなど胡散臭さ全開のIC王座戦ベストバウト集。しかし、これが意外と面白い。ただ普通のPPVのDVDと同じ値段の割には60分しか入っておらず、コストパフォーマンスが悪いのでレンタルがお薦め。
 全試合似たようなノリで、プロレスが上手くて若くて動けるHBKと、これまた上手い相手が、上質な試合をやっていくといった感じ。どの試合も派手な技こそ出ないものの、お互いのプロレスセンスの良さがよく分かります。
 特にHBKvsマーティ・ジャネッティ戦は元パートナーだけあって上手すぎます。是非見ましょう。途中の意外な展開とか最後のオチとか余計なモノも入ってますが。
 HBKvsミスター・パーフェクトも非常に良い試合でした。これまた最後の締めが悪いんですが。
 微妙に悪かったのはHBKvsジム・ドゥガン戦。とりあえずジム・ドゥガンがUSAコールと「ホー!」で客煽るだけ煽るけど、試合下手クソすぎ。さしものHBKでも良試合にするのは難しかったか。
 総評。良試合が多かったけれども、時間の割りに値段高いのでCランク。勿体無い。全てWWF時代の古い映像、しかも日本語訳付きということで価値は高いんですが。

(執筆日:2005年7月12日)



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