Back Lash 2008 評価:A
今年のバックラッシュは中々良いカードが揃ってますねー。奇妙な抗争となったHBKvsバティスタ、WMのリマッチとなるテイカーvsエッジ、そしてメインでは一流レスラーが勢揃いの4wayマッチ。どれもかなり楽しみです。


【US王座戦】
MVP vs マット・ハーディ
 昨年からお笑い抗争を続けてきた2人がオープニングから良い試合を披露してくれました。MVPが通常のグラウンドテクニックに加えビッグブートを連発し、WWEとしては激しすぎる攻撃を見せます。対するマットも気合入りまくりで雪崩式サイドエフェクトにムーンサルトプレスといったレア技まで惜しみなく繰り出して激闘を展開し、初のUS王座戴冠に向けて真っ向からぶつかっていきました。なかなかの好試合です。


【ECW王座戦】
ケイン vs チャボ・ゲレロ
 何とも塩試合の香りが漂うカード。WMの対決では最短試合の記録を更新してしまうという醜態を曝したチャボ。果たして”赤い処刑マシーン”を倒し、再び王座に返り咲くのか?
 いやはやまさかの好試合でした。大vs小という構図をきっちり守ってチャボが良いやられっぷりを見せてくれます。またムーブ面でもスリングショット式ニードロップを見せる等、色々工夫して攻めていたのが面白かったです。ケインも良いやられ役を得て伸び伸びとやってましたね。終盤のフロッグスプラッシュ食らいつつ首掴んだシーンは笑えました。


ビッグショー vs グレート・カリ
 最強の巨漢&塩レスラー決定戦という趣きのある試合。ここまでの良い流れを断ち切るようなマッチメイクにはガッカリですが、他に入れる場所もないという。ところで復帰したビッグショーを見るのはこれが初めてなんですが、噂通りめっちゃ体重落ちてますね……。
 さて試合の方は、もうやっぱり半端ないデカさだけお腹いっぱいですよ。一応打撃戦だったんですが、お互い手加減しすぎて萎えました。そして前述した通り体重落としたショーがパワー負けしてて、何というか悲哀を感じてしまいましたね。


ショーン・マイケルズ vs バティスタ
 何とも微妙な抗争の末に組まれたHBKvsバティスタ。PPVで最後にやったのって数年ぐらい前じゃないですかね?なんだかんだで楽しみです。
 この試合ではHBKが武藤バリの緩急をつけた試合展開を披露。フィニッシャー避けて素早く場外退避するタイミングとかスピードとかに凄く武藤を感じるんですよねー。しかも相手をリードする所までそっくりという。(笑)バティスタの腕を攻めるんですが、ロープ使用した腕ひしぎやクロスフェイスなんて珍しいムーブまで飛び出したのがビックリしました。クロスフェイスはベノワ死後以降封印されていたため、解禁させるために率先して使ったとの話もあって泣かせますね。
 バティスタもパワー面を上手く引き立てられ良い感じに見えました。そのパワー面をHBKはガンガン切り返して対抗していくのも痛快ですしね。好試合です。


ベス・フェニックス&メリーナ&レイラ・エル
&ジリアン・ホール&ビクトリア&ナタリヤ・ナイドハート
vs ミッキー・ジェームス&マリア&ケリー・ケリー
&ミシェル・マクール&アシュリー・マッサーロ&チェリー
 一応プロレスの範疇に入るのかなぁ……といったところ。流石に華やかなんですけどね。


【世界ヘビー級王座戦】
アンダーテイカー vs エッジ
 今年のWMのメインを務めたカードのリマッチです。WMの試合はまだ見たことなくて、何かこの2人は相性悪そうなので、不安半分期待半分といったところですが、どうなるのでしょうか?それと煽りVもなかなか面白かったです。エッジはヘタレヒールだなぁ……。(笑)
 試合は意外に好試合になりました。HBKvsバティスタと同じくテイカーの技をエッジが切り返しまくるという展開で、テイカー絡みの試合にしてはスピーディなこともあり面白かったです。そして久々にテイカーの大車輪チョークスラムも見れましたし。最後の乱入とかもベタですが燃えました。これならWMのメイン張るのも納得できます。


【WWE王座戦/フェイタル4wayイリミネーションマッチ】
ランディ・オートン vs JBL vs HHH vs ジョン・シナ
 豪華すぎる4wayマッチ。しかもイリミネーション方式ということで楽しみです。
 いきなりベルト攻撃して場外に叩きだされるオートンの姿に笑いつつ試合開始。4wayらしさ溢れるムーブと、スピードのある展開で楽しませてくれます。途中でオートンとJBLが関節技絡みでコントを繰り広げたのと、HHHがクロスフェイスを出したのが印象的でしたね。それから、わりと早目に2人立て続けに脱落したのはちょっと残念です。
 最後の2人になってからは、ちょっと間延びする傾向にあったのが頂けないですね。全体的には良試合だとは思うんですが、昨年のバックラッシュでの4wayマッチ(シナvsエッジvsオートンvsHBK)と比べると一段落ちるかなという気がします。


 メインセミが期待通りの面白さだった上に、そこまで期待してなかったUS王座戦とECW王座戦とHBKvsバティスタが大分頑張ってたのが良かったですね。久々にWWEのPPVでAランク付けましたよ!

(執筆日:2009年1月13日)


Judgement Day 2008 評価:B
2008年のジャッジメントデイはオープニングマッチからJBLvsシナ、そしてレッスルマニア19以来の再戦となるジェリコvsHBK、更には今年のレッスルマニアの再リマッチとなるテイカーvsエッジと超豪華カードが揃っています。もちろんメインのHHHvsオートンのケージマッチも見過ごせませんよ!


JBL vs ジョン・シナ
 オープニングからこんな豪華カードでいいのかって感じですが、 試合の方はえらく不機嫌な表情のJBLが一方的に関節技でシナを攻めまくるという妙な展開を見せます。シナも関節技をパワーで一々返していくんですが、それを2度も3度も繰り返されるだけではワンパターン極まりありません。 最後も唐突すぎる上に流れを全く無視した展開で、正直言って評価し難い内容でした。バックステージで何かあったのか?と疑ってしまいますよ。残念。


【WWEタッグ王座戦】
ジョン・モリソン&ミズ vs ケイン&CMパンク
 塩試合になりそうだなーと思いきや意外や意外、なかなか良い試合に仕上がっています。 というのもやはりケイン以外の3人が若く動けることが大きいと思います。 特にパンクは若干ドタバタしながらも素早くトリッキー&ダイナミックなムーブを連発し、 しっかりと自分に与えられた役割を果たしています。ケインも出番は少なかったものの決して悪くはなく、巨体とパワーを活かして良いアクセントになっていました。
 もし問題があるとすれば最後がパンクが一方的に攻めすぎということですかね。まさに「パンクタイム!」って感じでした。


クリス・ジェリコ vs ショーン・マイケルズ
 WM19で名勝負を繰り広げた両者がかなり久しぶりの再戦。一体どんな戦いになるのでしょうか? WWEにしては珍しくどっちもベビーともヒールともつかないようなシナリオ展開ですが、これが悪い方向に影響しなければいいのですが……
 試合開始早々からWWEとしては珍しく素早いグラウンドの展開を見せ、他の試合と一線を画す風格を醸し出します。 そこからHBKが変形のインディアンデスロック(?)やロープを利用したアームバー等の意外な引き出しを見せてジェリコを攻めるのですが、ファイトスタイルがどうもベビーともヒールともつかない感じなんでちょっと戸惑いますね。しかしジェリコもやられっ放しというわけではなく、HBKお得意のダイビングエルボーを膝で迎撃するという荒業を見せます。でも肘を膝で返すのはなんか違う気がするなぁ。(笑)
 それはともかくとして両者エプロンに出ての攻防を繰り広げると、HBKがいきなりスイート・チン・ミュージック! 足拍子無しを先にやるとはHBKも相当気合入ってますね。足拍子無しが先なんて滅多にありませんもん。更にHBKはリング内で今度こそ足拍子付きのスイート・チン・ミュージックを狙いますが、ジェリコがボコボコにされて立とうとしても立てない→スイート・チン・ミュージック打てないという意外な展開がかなり新鮮でした。しかもそれはフェイクで近づいてきたHBKにジェリコがいきなりコード・ブレーカーを決めるなんていう心理戦に繋がっており平伏するしかありません。ていうかこれ見てようやく今回の抗争のテーマが「心理戦」であることに気付きました。(汗)
 ラストもHBKがクロスフェイスを見せたり、フィニッシュムーブ絡みでも凄い攻防を繰り広げたりと素晴らしいと言うしかありません。間違いなく名勝負です!……が、お互いの力量と試合時間を考えるとまだまだ出来ると思うので、リマッチが見たいですね。


【女子王座戦/トリプルスレットマッチ】
ミッキー・ジェームス vs ベス・フェニックス vs メリーナ
 2008年のPPV見るのはこれが初めてなんですが、メリーナがいつの間にやら髪黒くなってて驚いた。何かヴィクトリアみたい。
 試合の方は3wayであることを生かしたトリッキーなムーブを繰り広げて場を盛り上げていました。 特にベスが2人とも抱えてカナディアンバックブリーカーを極めたのは驚きましたね。逆にメリーナがちょっと陰薄かったかも。


【世界ヘビー級王座戦】
アンダーテイカー vs エッジ
 なんと王座を剥奪されるという憂き目に会ってしまったテイカーですが、このPPVで2人による王者決定戦が行われることに。 レッスルマニア→バックラッシュと連続で組まれてきたこのカード、ついに今回で終わるのでしょうか? またヴィッキーGMによりテイカーの新フィニッシュムーブ:ゴゴプラッタが禁止技に指定されるという展開もあり、 それを活かした試合になりそうです。
 序盤・中盤は地味で華が無くて終盤だけはド迫力なテイカーの試合作りはもはやいつものことなので、半分諦め気味なのですが、この試合も序盤中盤は並かややしょっぱめながらも終盤はなかなか良かったですね。
 さて今回の対戦はかなり実験的というか、普段見せないムーブをお互い見せてきました。エッジが掟破りのオールドスクールやったり、テイカーが優しいターンバックル・チョークスラム&ターンバックル・ラストライドしてみたり。3PPV連続となるだけに変化を求めたのでしょうか?
 それとテイカーのインプラントDDT受けがデンジャラス過ぎてビックリしました。タイミングミスったんでしょうかね……。エッジはスピアーが2発ともしょっぱかったのが痛いですね。前はもうちょっと説得力あったような気がするんですが。
 試合自体には関係ありませんが試合後のヴィッキーへのブーイングなんですが、本当あれは凄いですよね。あそこまでヒートを買うヒールのマネージャーは中々いませんよ。


MVP vs ジェフ・ハーディ
 試合が無いことに業を煮やしたMVPが試合を要求……ってこのパターン前もどっかで見た覚えが……。(笑) 今回の対戦相手は因縁の抗争相手であるマット。ではなく弟のジェフ! ところでマットのシャツ姿を見てて不意にROHのクラウディオ・カスタニョーリのスーツ姿を思い出したんですが、同じような人は流石にいないか。
 試合はMVPの腕攻めが延々と続きに時々ジェフが対抗するという形なんですが、 MVPのグラウンド能力を測るために上層部が仕掛けたテストマッチにしか思えないぐらい、MVPにスポットが当たってましたね。 しかしそれにしっかり応えたMVPも凄いですよ。グラウンドで攻める一方という難しいシチュエーションなのにそこそこ面白かったですし。マジでこのままやったらベノワの後継者的なレスリングキャラで行けるんじゃないですか? HBKとかジェリコとかプロレスが上手い相手とのシングルが見たくなりましたよ。
 ジェフの方はというと相性の悪い関節技系の相手に対しいつもどおりのグダグダぶりを発揮。辛うじて最後に美味しい所だけ掻っ攫っていきました。今試合でジェフを評価できるとすれば意外な決まり手ぐらいじゃないでしょうか。たま〜にアレで決める時もあるんですよね。


【WWE王座戦/ケージマッチ】
HHH vs ランディ・オートン
 バックラッシュの4wayイリミネーションマッチで見事勝利を収めWWE王座を獲得したHHHですが オートンがリマッチ権を行使しケージマッチで再戦が決定しました。ケージと言えばオートンvsフレアー、HHHvsフレアー、HHHvsバティスタ(これはHIAC)といった元エボリューション同士の抗争でよく使われ、そしていくつもの良試合を作りだしてきた試合形式でもあります。オートンの世界ヘビー級王座獲得をきっかけとしたエボリューション崩壊から約3年半。フレアーが引退し、HHHvsバティスタの抗争も05年に終わった今、 エボリューションからの流れを組む最後の対決が始まろうとしています。 ところでHHHは回転ベルトが全く似合っていませんね。酷すぎる。(笑)
  さて金網戦というのは出来る行動に制限がかかり面白い試合を作るのは難しい試合形式とされてきました。 現代のプロレスにおいてはケージトップからのダイブやロープ絡みのトリッキーなムーブでカバーされつつありますが、 昔はケージに叩きつけるぐらいで、後は流血で凄惨さを演出するぐらいしか手がありませんでした。
 今試合は後者の部類に入り、なんとHHHとオートンはパンチやストンピングといった単純極まりない打撃技と、 アクセントとしての数少ない投げ技だけで試合を作ってのけました。それだけではなくHHHはフレアー戦法を披露し、またオートンもただのニードロップやストンピングを一つの存在感のある技へと昇華させており、非常にオールドスクールを強く意識した試合だったと思います。
 しかしただオールドスクールに終わった訳でもなく、まず両者とも流血しなかったことに驚きました。絶対どっちも流血すると思ってましたもん。それに近年WWEのケージに追加され賛否両論ある「入口」を巡る攻防も見せましたし、言わば「新しい」オールドスクールとしてのケージマッチに仕上がっている気がしました。煽りビデオではオートンが「HHHは俺に何も教えてくれなかった」なんて言ってましたが、今試合を通じてオートンはHHHからオールドスクールとは何かを伝えられたのではないでしょうか?
 ただ完璧な試合かというと決してそうでもなく、 まず最後の方のケージ乗り越えて脱出する攻防がちょっとクド過ぎたかなと思います。それにまだまだ両者とも余力残してる感が透けて見えてしまってるのも痛いですね。
 この試合単発で見ると普通の良試合だと思いますが、 エボリューションの歴史やオートンvsフレアー、HHHvsフレアーのケージマッチ等を重ねて見ると、かなり語ることの出来る試合ではないでしょうか?


 とまぁJBLvsシナとテイカーvsエッジは今一つだったものの、ジェリコvsHBKやHHHvsオートンは予想通りの好試合に仕上がっています。ただオープニングとセミがまるで同じような試合構成だったのはちょっと駄目ですね。

(執筆日:2008年12月5日)


The Great American Bash 2008 評価:C
かなりの好カードが並ぶ今PPVでどれも楽しみです。ただECW王座戦は即刻中止すべき。あとパンクvsバティスタも結構怪しい気が……。さてどうなるか見てみよう。


【WWEタッグ王座戦/フェイタル4wayマッチ】
ジョン・モリソン&ザ・ミズ vs フィンレー&ホーンスワグル
vs ジェシー&フェスタス vs ザック・ライダー&カート・ホーキンス
 王者組と色物枠のフィンレー組に売り出し中の2組がどれだけ食い付けるか?という感じですかね。個人的な話で恐縮ですが売り出し中の2組は試合見たことないんでちょっと楽しみです。
 試合はオープニングマッチということもあって、8人全員の見せ場を作る時間はなく、ザック・ライダーとカート・ホーキンスが煽りを食らってしまいました。試合は4wayということで入れ替わり立ち替わり攻防を見せていく形で、ホーンスワグルで笑わせフェスタスが暴れ、無難に仕上がってます。ただオチが……WWEだからってあれはちょっと許容しがたいものがあります。(苦笑)フェスタスはあの体格の割に結構動けそうで好感触でした。
 ムーブとしてはジェシーがライトニングスパイラルとフィッシャーマンの体勢からのローリングネックブリーカーとインディ臭い技をしていたが印象に残りました。あとは王者組も、カタパルトで起こした相手にエルボー→倒れた相手の背中に剣山→スリングショット式エルボードロップで追撃なんてやっててWWECWっぽい香りがしました。


【US王座戦】
マット・ハーディ vs シェルトン・ベンジャミン
 なかなか期待できそうな組み合わせで、ファーストコンタクトも良い感じだったので更に期待が高まったんですが、その後が若干失速しましたね。(汗) ベンジャミンがテンポ悪いのはいつものことなので織り込み済みでしたが、マットもダラダラと攻める場面が目立ったのはちょっと。あと同じ技を連続で繰り出す→2回目で反撃というパターンを3度もやってたのも展開見え見えでいかんかと。
 ただ終盤はマットはダイビングレッグドロップとムーンサルト、ベンジャミンはターンバックル・パワーボムと大一番用の技を繰り出し、切り返しの展開も見せる等、予想外の熱戦に仕上げてきました。トータルで見ると並〜良のちょうどボーダーぐらいの位置って感じですかね。


【ECW王座戦】
マーク・ヘンリー vs トミー・ドリーマー
 PPVでこれは勘弁して下さい……。試合内容はヘンリーがひたすら腕極めて休んでるのが大半を占めますが、下手に動くより良かったかも。(言いすぎ) 試合時間も短いので空気試合ということで流せます。


ショーン・マイケルズ vs クリス・ジェリコ
 WM19の時もそうでしたけど、何で毎回ジェリコがHBKに嫉妬してる役周りなんでしょうね。(笑)JD08の試合が凄く良かったのでこちらも期待です。
 ジェリコが一方的に押し込み、HBKが時々切り返して反撃という形で始まったこの試合。一方的すぎてちょっとマンネリに陥りかけた所でHBKが盛り返し、流石この2人と思わせる見事な攻防を披露します。さらにHBKは珍しく場外へのムーンサルトまで繰り出し、ここからヒートアップなるかという所でなんと大流血。あとは序盤同様ワンサイドゲームすぎて試合のクオリティも尻すぼみになってしまいました。抗争継続させる為なんでしょうけど、期待値に届かない内容で残念です。


【初代ディーバズ王者決定戦】
ミシェル・マクール vs ナタリヤ・ナイドハート
 SDにもディーバ用の王座をということで創設されたディーバズ王座を巡る一線。ナタリヤ見るの初めてなんですが、経歴等は知ってるんで期待。
 試合はディーバの試合らしからぬ関節技中心の構成ですが、だれるほど試合時間の余裕があるわけでもなく、ちゃっちゃと展開しましたね。といっても手抜きではなく、本人らの気合は伝わってきたので悪い印象は無いです。挑戦者のナタリヤですが、期待通り良い感じにリードしてますね。(笑)やっぱベス姉さんといい、ちょっとルックス劣ってもこういうちゃんとプロレスできる人材は必要ですよ。昔のジャズとかヴィクトリア的なポジションがね。今後の女子戦線に一筋の光が差しこみましたよ。


【世界ヘビー級王座戦】
CMパンク vs バティスタ
 塩同士とか勘弁してくれよと思ってましたが、意外や意外、そこそこ噛み合いましたね。相変わらずパンクは微妙な精度の技のデパート状態ですし、バティスタは緩急の欠片すら無いんですが。盛り上がる終盤に攻防がコロコロ入れ替わってスリリングさを演出できたのが良かったのかも。オチはまぁ……GABだから仕方ないのかな。


【パーキング・ロット・ブロールマッチ】
ジョン・シナ vs JBL
 シナとJBLでハードコアファイトと言えば、不安視されてたシナ王者路線に光が点ったJD05の一戦が思い出される訳で、ちょっと期待ですねー。
 試合は8割がた駐車場で展開されたわけですが、観客いないせいもあって淡々としすぎてますね……。いきなりJBLの股間に電気プラグ繋いで通電したのはお茶吹きましたが。JBLも車の上でDDT、ネックブリーカーとプロレスっぽいことしてますし、火点けたりもしてWWEなりに過激なことをしようとしてるのは分かるんですけど。ウォークリフト持ちだした辺りで、JD03のレスナーvsビッグショーらしい派手な展開になるのかとようやくテンション上がりましたが、ステージ行ってからが短すぎ&オチしょぼすぎてガッカリです。


【WWE王座戦】
HHH vs エッジ
 一昔前ならイマイチ期待できないカードでしたが、テイカーとの抗争を経て一皮剥けたエッジなら……とちょっと期待しちゃいます。解説によると王座戦でのシングルは初めてのこと。2人ともヒール期間長かったですからね。
 試合は序盤から双方オールドスクールなムーブを連発するも、攻防が良いテンポで入れ替わり間延びはしてません。そこから場外でのエッジキューションや雪崩式ブレーンバスターといった大技も繰り出し、エッジお得意の切り返し戦法も炸裂し、予想以上に面白くなりましたね。そこからてっきりビデオ出演だけかと思ってたあの人が試合に介入したのは驚きましたが、更に別の人物が乱入した際にはあまりの展開に会場の客同様ゲラゲラ笑ってしまいました。
 上手く避けられた感がありながらもそれなりに満足できるという、WWEがこの試合で狙ったポイントに上手く誘導されちゃいましたね。なんか悔しいですわ。(笑)


 期待していた試合が不完全決着に終わり、期待してなかった試合が予想以上に頑張った形になった今PPV。うん、並としか言いようがありません。あ、あと余談ですが解説の組み合わせがRAW:JR&ミック・フォーリー、SD:キング&JBLとシャッフルされてたのには吹きました。ドラフトで解説陣が動いた年があったような気がしますが、この年でしたっけね。

(執筆日:2012年11月21日)


Unforgiven 2008 評価:B
3番組の王座が全部スクランブルマッチということで凄まじい地雷臭がしますが、HBKvsY2Jが何とかしてくれるのを祈りましょう。


【ECW王座戦/スクランブルマッチ】
マーク・ヘンリー vs マット・ハーディ vs ザ・ミズ vs チャボ・ゲレロ vs フィンレー
 試合開始前にルール説明を聞いて愕然としたんですが、これイリミネーション方式じゃなくて試合時間20分やるの確定してるんですね。道理で全6試合とPPVにしてはやたら試合数少ないわけだ。
 冒頭からマット、ミズ、チャボの3人でオープニングマッチにふさわしい巧みな試合運びを披露します。いきなりフィンレーとかヘンリーとか出さないのは大正解でしたね〜。ムーブ的にはチャボが浴びせ蹴りなんてやってたのが目を引きました。そこからヘンリーが加わって案の定無双するんですが、ひたすらラリアットとワールドストロンゲストスラムとジャンピングボディプレスとブートを繰り返してた印象しかない。(笑)
 最後に入場したフィンレーがホーンスワグル介入&棍棒ネタ、ケルティッククロスを見せるともう試合終了間際。ラストは皆してフォール行きまくり、妨害しまくりだったんですが、中々スリリングで良かったですね。トータルで見ても試合形式を存分に活かした展開で、スクランブルマッチという試合形式への評価を改めるほど予想外に面白かったです。


【世界タッグ王座戦】
コーディ・ローデス&テッド・デビアス vs シャド&JTG
 若き二世レスラーコンビにクライム・タイムが挑んだこの一戦。今時こんなスタイルでやっていくんか?と思うぐらいコッテコテのオールドヒール殺法を貫徹したコーディ&テッドと、憎めない悪党キャラで体格差を活かしたユニークな連携技を繰り出したクライムタイムが好対照で良い試合でしたよ。ちょっとJTG捕まってる時間が長すぎるかな?とも思いますが、まだ許容範囲かと。
 しかしこの試合見てるとクライムタイム早期解散させたのはホント勿体なく感じますね。早くシングルプレーヤーに転向させて儲けたいのは分かるんですが。


【WWE非公認試合/NoDQマッチ】
ショーン・マイケルズ vs クリス・ジェリコ
 この抗争も半年近く続いてますねー。そろそろきちっと完全決着の試合が見たいところなんですが。HBKがタンクトップ&ジーンズ姿とストリートファイトスタイルなのは珍しい。
 ルールがルールな上、二人のこれまでの激しい抗争を反映してか、内容もかなり荒っぽくなった今試合。お互いの技術の高さを披露するような場面が少なく、持ち味が消えてしまった感があります。代わりにテーブルクラッシュ2回、介入劇、当然凶器攻撃も山盛りとかなり色々やってるんですが、イマイチ盛り上がりきれないまま決着してしまいました。微妙に地味な使い方が多かったせいかなぁ?
 この試合見てるとHBKはともかく、ジェリコにはハードコア適性無い気がしますね……。あとこの試合展開でショーンどころか両者とも流血しないのはかなり驚きました。(笑)


【WWE王座戦/スクランブルマッチ】
HHH vs ブライアン・ケンドリック vs MVP
vs シェルトン・ベンジャミン vs ジェフ・ハーディ
 この面子にブライアン・ケンドリックがいるので物凄い違和感ありますね。(笑) 試合のクオリティとしてはHHHとケンドリックがどれだけ他のメンバーをリードてきるかという感じですが、はてさて。
 初っ端からベンジャミンvsジェフという不安要素満載の組み合わせで開始。お互いタイミング合わせてる感ありありでぎこちないながらも、ベンジャミンはグラウンドや関節技に拘らず投げ技も振るい、そこへジェフが飛び技と切り返しでスピード感とアクセントをつけたことで何とか最初の5分を盛り上げきります。3番手のケンドリックはやたらバタバタしてて違和感ありましたが、1vs1の構図を基本として適度に組み合わせを入れ変えつつ、中盤なのにペイ・ダートとスライスブレッドNo2まで繰り出したので乗り切れました。
 MVPが入り4人になった所で4wayらしい入れ替わり立ち替わりの攻防で観客を惹きつけ、ラストのHHHが入ってお約束のリング一掃劇を見せると、いよいよ終盤の大技祭りへ。ケンドリックがフィニッシュムーブ受けまくったのは吹いた。あとぺディグリーを1試合で3度も繰り出すなんてHHHらしくない展開も印象に残りましたね。あとラストですけど、あれ暫定王者なんだからカバーする意味が無いしカット行っとけば良かったんじゃ……。ボロが出ましたね。(笑)
 ムーブ的にはベンジャミンのターンバックル・パワーボムと、ジェフのアリウープ、あとは3人に絡んだ雪崩式ブレーンバスター+パワーボムの合体技あたりがレアかな。
 なかなか難しい試合形式及びメンバーでしたが、何だかんだでWWE王座戦に要求されてる水準はクリアできたかと。中々面白かったです。


【ディーバズ王座戦】
ミシェル・マクール vs マリース
 マリースって始めて聞く名前ですが、ディーバサーチ出身となるとあんまり期待できないかなー。ミシェルもリードするほどではありませんし。
 ……と思いきやマリースが中々の動きを見せ、普通にプロレスになっててちょっと感激しちゃいました。お互いに足攻めとかやってるだけで感慨深いものが。やっぱ本人のやる気次第なんかねー。入団前からレスラーやってたならともかく、非レスラーでこれだけやれたらディーバ戦線的には十分ですわな。あとフィニッシュムーブが前の試合でジェフが使ってた繋ぎ技と同じなのはちょっと気になりました。(笑)


【世界ヘビー級王座戦/スクランブルマッチ】
??? vs ケイン vs JBL vs バティスタ vs レイ・ミステリオ
 ここまでのスクランブルマッチ2戦が良かっただけに、メインであるこの試合にプレッシャーがかかりますが、面子的に相当ミステリオが引っ掻き廻さないと盛り上げるのきついんだよなぁ……。
 JBLとバティスタという組み合わせで始まったこの試合ですが、シンプルながらも大きな動きのムーブが多く、そこまでしょっぱくならずまったりと楽しめました。3人目はケインでしたがまず入場曲変わってたのに驚きましたね。一通り暴れてからは3人が絡む展開になり、退屈せずに済みました。
 そして4人目は満を持してミステリオ。マスクのデザインが独創的すぎて吹きましたよ。なんだあのトサカ(笑) しかし期待通り素早い動きで3人を翻弄し試合のギアを切り替えると、ミステリオとバティスタの駆け引きを含め4人が入り乱れる展開となり観客を楽しませます。やっぱこの手の形式だと試合作りが下手なパワー系レスラーでも盛り上げられますねー。
 そしてまさかと思うような最後の入場者が入ってきてWWE王座戦と同じく大技祭りへ。ケインJBLバティスタが結構技被ってるせいもあって、同じ技乱発しすぎな感もありますが、流石に迫力はありますね。そして嫌な予感が的中したラスト。いやー、ホントWWEだからこそ出来る一発ネタすぎますわ。PPVの対戦カード見てこの結果は予想できんて!


 まず解説がRAW:タズ&JR、SD:キング&コールでめっちゃ違和感ありますね。(笑)解説でキングが「(ルールを)初めに聞いた時は不安を覚えたが、実際見てみると面白いな」とシュートかましてたのは吹きましたが、今PPVを総括する台詞かと思います。期待値低かったのもありますが、予想外に面白かったなーというのが素直な所。メインが一発ネタすぎるのはアレですが奇想天外なのは確か。
 大外れもなく全試合手堅く纏めてきた感はありますが、元々の期待値が相当低かった反動もありますし、賛否両論のオチのこともあるんで正直言ってBとCのちょうど境目ぐらいなんですよね……。ラストの衝撃度を評価してBということで手を打ちましょう。

(執筆日:2012年12月12日)


Survivor Series 2008 評価:C
イリミネーションマッチ自体今一つ好きじゃない上に、棺桶マッチとWWE王座戦もそれほど期待できそうにないので、自分としてはメインぐらいしか期待できない2008年のSvS。はてさて……。


【イリミネーションマッチ】
ショーン・マイケルズ&レイ・ミステリオ&グレート・カリ&シャド&JTG
vs JBL&MVP&ケイン&ジョン・モリソン&ザ・ミズ
 オープニングからいきなりHBKとJBLを使ってくる辺り気合入ってますねー。その他のメンバーも中々良いのでちょっと楽しみ。それにしてもカリがベビーフェイスってのは違和感あります。(笑)
 試合の方は全体的にテンポ良く進み、良い感じに盛り上がりましたね。カリとケインがそれほど長く出張らず、ワンポイントでパワーを発揮したのが良かったのかも。モリソンとミズの連携は見られましたが、クライムタイムの方の連携が見られなかったのはちょっと残念。せっかくタッグで参戦してるのに。
 中盤、ミステリオが若干捕まり過ぎてテンポが悪くなりましたが致命傷までには至らず。ここのところHBKのパクリムーブを連発しているモリソンとHBKの駆け引きもありましたが、モリソンほど既にキャラ立ってて身体能力もあって持ちムーブもそれなりにあるレスラーがこういうネタするのはちょっとねぇ……。ラストの流れは意外性もあって良かったんですけど。


【イリミネーションマッチ】
ミシェル・マクール&マリース&マリア&ビクトリア&ナタリヤ・ナイドハート
vs ベス・フェニックス&ケリー・ケリー&ミッキー・ジェームス&
キャンディス・ミッシェル&ジリアン・ホール
 ディーバもようやくプロレスをできる面子が増えて、イリミネーションマッチも形にはなってましたね。この中では一番腕前的に劣るマリアとケリー・ケリーを出張らせず、空気にもならない程度にスポット当てたのは賢明です。
 いやー、それにしても無理くり育ててきたミシェル、ミッキー、キャンディスよか新規組の方がプロレス上手くて信頼できるってのは何だか複雑ですね……。(苦笑)


【カスケードマッチ】
アンダーテイカー vs ビッグショー
 ただでさえ試合展開が単調になりがちな棺桶マッチ、しかも相手は色々制約の多いビッグショー。うーん……と思ってたら、案の定まったりしばき合う展開に。テーブルクラッシュとか何とか見せ場作ろうとしてるのは分かるんですが。最後のオチも微妙過ぎ。ひっくり返しただけで棺桶が壊れた扱いは無いでしょ。


【イリミネーションマッチ】
バティスタ&マット・ハーディ&CMパンク&コフィ・キングストン&R・トゥルース
vs ランディ・オートン&ウィリアム・リーガル&マーク・ヘンリー
&シェルトン・ベンジャミン&コーディ・ローデス
 名前だけはちらちら聞いてますが、コフィ・キングストンの試合見るのは初めてなんで楽しみです。
 一芸はあるレスラーが揃っているものの試合巧者が少なく、しょっぱい試合になるかと思いましたが、今大会の他のイリミネーションマッチと同じくテンポ良く交代させることでダレるのを防いでいます。全体通して無難な試合内容でしたね。ラストの展開はWWEっぽくて○。
 なおコフィは「そこら辺によくいる、身体能力は高いけどテンポが今一つな黒人レスラー」にしか見えませんでした。チームメイトのRトゥルースと印象丸被りですわ。


【WWE王座戦】
HHH vs ウラジーミル・コズロフ
 元格闘家で30代半ばでプロレス転向してきたという、WWEにしては異色のキャリアを持つウラジーミル・コズロフ。PPVデビュー戦にしていきなりWWE王座戦、しかもジェフが病院に搬送されたことによりトリプルスレットからシングルに変更(?)と大抜擢。はたしてこれまで数々の難敵(塩分的な意味で)をリードして王座戦を務めてきたHHHは、今回もまともな試合を作れるのでしょうか?(違)
 まず初見のコズロフですがデカいですねー。これはビンスも気に入りそう。懸念してた塩分も30代半ばから始めた割にマシな方かと。武骨な格闘家ギミックの為、WWEにしては珍しく純プロレス風のグラウンドの展開が多かったのも要チェックポイントですね。HHHもこういうのやれるんだなぁと感心しました。客席からは「boring」チャントやられてましたけどね。
 こういうのやれるんだなぁという意味では、HBKがよくやってた、コーナーに振られた勢いでトップロープ越えて落ちるバンプをやってたのは爆笑しました。相手の怪力を際立たせたいのは分かりますけどHHHほどの恵体がやっちゃいかんでしょ。(笑)
 あとPPVの冒頭から仕込んでた「大会前に突然意識を失って病院搬送されて欠場した(ことになった)ジェフ」のネタが爆発するラストの展開ですが、こないだUnforgiven2008見たばっかりで、事前に発表されてる対戦カードと関係ない奴が急遽参戦する展開にデジャヴを感じましたわ。(汗)両PPVって長くても3ヶ月しか空いてないし、こんな短期間に連発していいネタじゃないですよ。


【世界ヘビー級王座戦】
クリス・ジェリコ vs ジョン・シナ
 怪我して手術したシナの復帰戦ということでベストコンディションとは言い難いですが、相手がジェリコですからね。結構楽しみです。
 シナが手術した首にジェリコが関節技をかける展開が続き、中盤まではちょっとテンポ悪かったですね。シナの首を片膝で抑えての急角度WOJは良かったんですけど。その分、お互いのフィニッシュムーブを返すわ避けるわの終盤戦が盛り上がったのも事実ですが。最後の展開は「復帰戦なのにここまでやらしていいの?」と思うぐらい熱かったですね。


【映像特典/エクストリームルールズマッチ】
ジェフ・ハーディ vs アンダーテイカー
(2008年11月4日 Smackdownより)
  CMカット有り。 ジェフが王座挑戦権を手に入れるまでの過程で行われた一戦ですね。
 開始冒頭からジェフがテイカーに襲いかかるのはいいんですが、あまりにもかったるい動きで「やる気あるのかこいつ?」と思うぐらい酷い。(笑) 場外に出て飛んだりしてようやくアドレナリン出てきたかマトモな試合に。椅子、竹刀でしばき合い、テイカーは頭突きを連打し、ジェフは場外を走って鉄階段を踏み台にしてのポエトリーインモーションを決めるなど、この試合形式ならではの珍しい光景が見れたのは良かったですね。最後あの技で決まるのはちょっと意外だったかな。


 期待してなかったイリミネーションマッチが予想以上に踏ん張り、カスケードマッチとWWE王座戦は予想通りしょんぼりながら、メインの世界ヘビー級王座戦が中々の試合を繰り広げた今PPV。めっちゃ普通ですね。

(改稿日:2013年4月29日)


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