Navigate for Evolution'07
団体名 プロレスリング・ノア
日時 2007年2月24日(土) 17:00〜
場所 大阪市中央公会堂

ノアが大阪でタイトルマッチをするのもかなり久しぶりです。去年の秋の府立第一はやりませんでしたからね。まぁ何はともあれGHCジュニアタッグ選手権試合に期待です。
 他のカードも全部タッグマッチというなんだか寂しい状況ですが、これでも人数溢れてるぐらいですからね……。えらく所属人数増えたもんです。最も成長著しいという噂の青木が見られないのは残念。




第1試合
青柳 政司
○志賀 賢太郎
12分21秒
志賀絞め
平柳 努●
百田 光雄

この組み合わせで想像できるとおりの試合運び。 不確定要素であり楽しみな要素でもある平柳は、最初こそ固かったものの中盤から動きがよくなってました。 ただ変形リストクラッチフィッシャーマンズスープレックスとダブルアームDDTという技のセレクトは疑問。スイングDDTはコーナーから仕掛けるのもランニングからのも素晴らしいキレでした。 平柳含めて新人勢の試合は初見なんですが、この分なら他の選手も楽しみですね。




第2試合
齋藤 彰俊
○金丸 義信
13分35秒
後方回転エビ固め
菊地 毅●
本田 多聞

果敢にも齋藤にタックルしていく菊地。 客に煽られ引くに引けなくなりタックルしまくりようやく倒して、 多聞にタッチした直後に5分経過のアナウンスで笑った。
 その後は齋藤がパワー、多聞がグラウンドを見せつつ、金丸の相変わらずの職人ぶりに唸らせられました。菊地のジャーマンが思ったより綺麗で驚き。代わりに多聞のデッドエンドが普通以下の投げっぱなしジャーマンで切なくなりましたが。




第3試合
○クリス・ヒーロー
タグ・ウイリアムス
15分45秒
ヒーローズ・ウェルカム→エビ固め
太田 一平●
モハメド ヨネ

外人勢の二人舞台。ヒーローは名前とフィニッシュムーブだけ知ってたんですが、実際見たら身長高いわりにかなり動けて好印象でした。ただ持ちムーブが奇をてらいすぎな感はありますね。ダグも相変わらずの上手さを見せてフォローしていました。太田はエアブレンスピン以外が記憶に残ってない。(汗)




第4試合
●ボビー・フィッシュ
バイソン・スミス
17分51秒
変型ラリアット→体固め
田上 明
潮崎 豪○

田上がかなり馬場さん化してますね。喉輪出さずに終わるとは……。バイソンとの絡みは笑えましたが、田上さんが動いているだけでかなり眠たくなりますね。
 それよりも注目すべきは潮崎とボビーの絡み。ボビーは初見なんですがオールラウンドっぷりが素敵で、同じようなタイプと潮崎とは手が合ってる印象を受けました。シングルやってほしいですね。
 そして潮崎は成長しましたねー。まだ一部ムーブで若干もたついたりタイミング測ってる様子が見かけられましたが、もう2・3年したら現四天王とガチでやりあえるようになりますよ。ラストはブレーンバスターからのファイナルカットで〆。最近新フィニッシュとして定着させようとしている変形ファイナルカットってこれかなーと思っていたら、発表では変形ラリアットに。名前違うだけ同じやつなのかしらん?




第5試合
●橋 誠
秋山 準
16分52秒
岩石落とし固め
小川 良成○
三沢 光晴

三沢はエルボーと最後にタイガードライバー出しただけ、秋山はエクスプロイダーすら出さずと手抜き全開の展開。その中で何故か小川がやたら輝いてて良かったです。久々に注目されるダグ戦に向けてモチベーション上がってるんですかね。




第6試合:GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合 60分1本勝負
○リッキー・マルビン
鈴木 鼓太郎
28分15秒
合体サンタマリア→エビ固め
ロッキー・ロメロ
石森 太二●

冒頭からロープワークと切り返しの妙で魅せ、石森のフェイント裏619とロッキーのトペで客の心を鷲掴みします。その後はマルビン→石森の順にやや捕まる展開で、基本技+たまにジャベでお互い攻めていました。ただ基本的に今試合、1対1の状況があんまり面白くなかったです。素早いし切り返しも安定してるんだけど……ツープラトンとかが凄すぎたせいかもしれません。
 それを分かってたのか15分過ぎからツープラトン連発やら何やらで4人とも動きっぱなしで圧倒されました。といってもツープラトン自体は自分がTNA・ROH見慣れてるせいでそれほど斬新とは思わなかったのですが、 多分見てない方にはどれもかなり目新しいかと思います。
 個人的に最大のヒットだったのは中盤で出た、場外のコタへ石森が宇宙人プランチャをかまそうとしてトップロープに飛び乗ったところへ、マルビンが後から追い掛けて隣に飛び乗り石森へジャンピングハイキックを決めた場面。ロープ上に引っかかって変な体勢で場外やリングに落ちるんじゃないかとハラハラしましたが、しっかりリング内に落ちれたのも凄いですね。
 客受けが一番良かったのはコタかマルビンが石森を肩車して、もう一方がダブルインパクト狙った場面で、 ロッキーがそのコーナーに走りこんできてコーナー付近のセカンドローブ踏んで飛び上がり、雪崩式飛び付き腕十字で捕獲。 それを見届けて石森がミステリオラナ決めた場面ですね。
 もしくはロッキーが裏バッククラッカー(相手の顔面へ飛びついて自分の後方に倒れこみ膝で相手の顔面を潰す)みたいなのをヒットしておいたまま固定しておいて、石森がロッキーの膝の上にうつ伏せに固定された相手に対して低空ドロップキック→ライオンサルトと繋いだ場面。どちらも相当盛り上がり、甲乙つけ難いですね。
 後、自分にとって印象に残ったのはロッキー・ロメロにロメロスペシャルやった場面と、石森がデジャヴ&これまたAJから頂いたとおぼしきオーバーヘッドキック、マルビンがロープパラダイス、ステップDDTと他人のムーブを使っていた場面ですね。彼らの身体能力なら出来て当然なんでしょうけど、どれも他人の常用ムーブなんであんまり使わない方が良いような気がします。デジャヴは鼓太郎も使うんで掟破り的な要素もあったかもしれませんが。
 それと石森が2回ほどミスムーブしてたのが目につきました。マルビンの片手片足掴む変形アルゼンチンからの切り返しで丸め込むところを失敗してお尻から地面に落ちたけど、 これは素早くスクールボーイで上手くフォロー出来てました。もう一箇所はコーナートップから場外でダウンしてるマルビンへのローリングセントーンがミスって客席に突っ込んだこと。流石に場内がかなり騒然となりました。自分がいたのは2階席なので怪しいが、そもそもマルビンに当たってない恐れも(ry 
 最後はコタが石森にブルーデスティニーの体勢に入ってマルビンも近くに待機してたんですが逃げられて、 マルビンが石森にサンタマリア(?)を決めて2.9、崩れフィッシャーマンバスター(?)→サンタマリアと決めてまだ2.9、コタが石森の空いてる方のサイドについて相手の両側から持ち上げて合体サンタマリア完成→3カウントと相成りました。(マルビンが一人でサンタマリアやったの1回かも)
 総評としてはかなり良い試合だったのですがちょっと「個」が弱いなぁと。シングルの場面がイマイチ盛り上がらないのは、 フィニッシュムーブを始めとする常用ムーブが客に定着してないのが原因だと思いました。 コタ石森はまだしも、マルビンロッキーのフィニッシュムーブ知ってる人がどれだけ会場にいたのか疑問です。それと石森ロッキーの相性自体も微妙。 頑張ってツープラトンムーブ色々考えて出してましたが、お互いのタイプ考えるとね……。即席でこれだけ出来たのは凄いと思うんですけど。
 さらにちょっとゲンナリしたのは同じようなムーブが多発してしまったこと。ダブルインパクトの体勢になるのと、ヘッドシザーズホイップの入り方のムーブが多すぎ。 どっちも3回ずつあったのは流石に……ルチャ系ばかりなので後者は仕方ないとは思うんですけどね。
 今試合で一番将来性感じたのは石森。シングル中心に経験積ませてやって、 ムーブの安定化と、ジャべを混ぜたグラウンド中心で魅せられるようになれば化けると思います。エルドラド抜けてきた経緯と初っ端のKENTA戦がアレで去年後半はチャンス貰えなかったように感じているけど、やはり素質と運動能力と華が半端ないです。ムーブが安定して決められるようになって、ジャべ混じりグラウンド中心でも魅せられるようになったら、きっとマルビンコタ抜きますよ。それは置いとくにしても今試合で間違いなく評価上がったでしょう。それだけになんぼなんでもマルビンへのスーパースターエルボー→2.9カウント→エルモシージョ→2.9カウントはちょっと可哀想でしたね。




第7試合
○杉浦 貴
佐野 巧真
高山 善廣
22分42秒 足首固め
KENTA●
丸藤 正道
力皇 猛

前の試合で大盛り上がりするのを見越してか、トーテムポールネタ、高山と丸藤の遭遇を中心として及第点で纏めてきました。特に丸藤が入場時に高山のロープ跨ぎを真似したのに爆笑。身長が足りなくて普通には出来ないのを逆手にとって、サードロープ踏んで跨いでシュールでした。
 杉浦とKENTAはバチバチとやっていたものの、他の面子はかなりラックリと流してましたね。まぁそれでもそれなりに満足できる試合になってたのは流石にプロだなーと思いました。

 さて興行全体の感想ですが、やはりGHCJrタッグのワンマッチ興行だったかなと。第3・4試合もわりと良かったのですが、流石に王座戦にかなうはずもなく。とはいえ「地方で」素晴らしい王座戦が見れるというのは、普通以上に価値のあることですし、良興行という他ないです。





観戦記トップに戻る