KOBEプロレスフェスティバル2012
団体名 ドラゴンゲート
日時 2012年7月22日(日) 15:00〜
場所 神戸ワールド記念ホール



 2年ぶりにやってきましたドラゲの神戸ワールド。今年も相変わらず超満員かなーと思いきや若干ながら客が減っててショックを受けました。1階9割、2階9割5分で平均9割前半ってとこですか。22日は全国各地でプロレスのビッグマッチが行われていたのでその影響と思いたいのはやまやまですが、KOGの時を思うと客入りに少し苦戦してるのかなって思っちゃいますね。




第1試合
K-ness.
新井 健一郎
スペル・シーサー
○シーサーBOY
10分05秒
ヨシタニック
堀口 元気 H.A.Gee.Mee!!
斎藤”ジミー”了
ジミー・神田
谷嵜 なおき●

第1試合が8人タッグとは珍しいですね。試合はシーサーズのトリッキームーブあり、お笑いムーブもあり、比較的時間があったので各自見せ場を作りつつ良いオープニングマッチに仕上げてきました。






第2試合
富永 千浩
○三代目超神龍
6分36秒
丸め込む→エビ固め
リッチ・スワン
琴香●

第0試合みたいな対戦カードですね……。しかし、こちらの試合も各自個性が出てていい感じでした。冨永はわりと渋い技のセレクトですけど、このまま突き詰めて欲しいですね。






第3試合
●Kzy
問題龍
11分28秒
有刺鉄線机上へのサンダーファイヤーパワーボム
→エビ固め
大仁田 厚○
”ハリウッド”ストーカー市川

最初ゲストが大仁田と聞いて、何で今更あんなロートル呼んだのか理解できませんでした。裏で何かあるんですかね……。
 さて結論から言えば賑やかしとしては十分な仕事をしたんじゃないでしょうか。いつものスト市の消化試合よりかはマシでしたね。試合後はいつものようにCIMAに電流爆破マッチけしかけた上、CIMAもOK出してましたがどうなることやら。
 あと試合後、大仁田が水巻きまくるのを見越してかキャンバスが2重に敷かれてて、セコンドがめっちゃ凄い勢いで剥がして撤収してたのは面白かったです。おまけにかなり念入りにロープ固定する金具締めて、ロープについた水も拭き取ってて、やりすぎだろうと思ってその場では笑ってたんですが、この後の試合を見たら……。




第4試合:オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合
○ドラゴン・キッド
24分03秒
ドラゴン・ラナ
リコシェ●

ハイフライヤー同士の対決ということで対戦カード見た段階ではそこまで期待はしてなかったんですが、PVではやたら名勝負の再戦ということで煽っていて、なんだかんだで期待しちゃいました。それまではまったり和やかだった場内も、勝負論の支配する引き締まった雰囲気に変わったのが興味深かったです。

スタンディング鎌固め

 試合は素早いグラウンドの展開からいきなりリコシェのサスケスペシャル1とキッドの場外への飛びつきフランケンシュタイナーで華々しく開幕。その後一旦スローダウンして関節技かけたり蹴ったり投げたりしてたんですが、切り返しや意外性のある展開をするでもなく、技一発決まるたびにわざわざフォール行くんで、かなり間延びしてましたね。寝てる時間も長いしスローダウンしすぎ。
しかしそんな中でもリコシェが時々繰り出す蹴り技はなかなか良かったです。勢いあるし足長いので見栄えもするし。何故かマーク・ブリスコの勢いつけまくったケンカキックを思い出しました。あとトリッキーな投げ技が多いのが印象に残りました。グルグル回さない十三不塔とか、ジェネリコがやってた相手を抱っこしてからのオレンジクラッシュとか。ドラゲからいなくなった人の技ばっかなのは気のせいか?(笑)
終盤になるとお互い余力を使い切るかのように大技が飛び交い、切り返しの攻防がアツくなってきました。中でも619を巡る攻防は特に良かったですね。

不知火・改っぽい謎の技ゾンビ立ち(違)

 最後はお互い一線を越えて、キッドがトップロープでお互い立った状態からの雪崩式フランケンシュタイナーを出したら、リコシェはしっかり着地するし、リコシェが630出したと思えばキッドが雪崩式リバースフランケンシュタイナーでやり返し、キッドのウルトラ・ウラカンラナをリコシェがスイーターボムで切り返すなど驚天動地の展開の連続でした。特にスイーターボムは身体能力的にはできるんでしょうけど、まさかリコシェが出すとは思わってなかったんで心底びっくりしました。
 ハイフライヤー同士の飛んで跳ねての試合の上、技がインフレしすぎなので否定的な意見も多いと思いますが、死闘であることは誰にも否定できないかと。凄い試合でした。




第5試合:オープン・ザ・ツインゲート統一タッグ選手権試合
●ジミー・ススム
ジミー・カゲトラ
21分07秒
MADE IN JAPAN→エビ固め
鷹木 信悟○
YAMATO

 こちらもかなり楽しみですね。ネームバリューとしてもユニットごとのベルト所有状況見ても暁が有利かな?でも連続でベルト移動させるかなー……?


 即席タッグ同士の対決というイメージがあったんですが、実際見てみるとジミーズがタッグとして安定感あって驚きましたね。さすが名タッグ屋の享さんがいるだけはあると変な感心の仕方をしてしまいました。(笑)そして相変わらず鷹木&YAMATOは個人技ごり押し。まぁこの2人はそれで良いんでしょう。
 タッグムーブも織り交ぜ軽快なテンポで進んだ今試合。振り返ってみれば関節技ほとんど無かった気もしますが、あんまり投げ技や飛び技を乱発することもなく良い感じでしたよ。全員良かったですが、特に景虎が前見た時より一回り大きくなって鷹木とYAMATOとまともにやりあってるのは感慨深かったです。鷹木やYAMATOといったトップ所を苦しめても違和感ないだけの風格がつきましたね。ツインゲート王者でも全く無理やりプッシュされてる感はありません。

掟破りのギャラリア狙いを切り返して胴絞めスリーパー!享と鷹木の真っ向勝負も試合のテーマに

 ムーブ的には中盤あたりで景虎がスリングショット式エルボードロップ→スリングショット式飛び付きDDT→スリングショット式ドロップキックと3度もトップロープを飛び越えつつ攻撃してたのが妙にウケました。好きなんですかね。(笑)
 あとはYAMATOがギャラリア狙い→享が反転して掟破りのギャラリア狙い→YAMATOも反転して背中に飛びついてスリーパーの場面は上手いと思いました。意外性があって良かったです。

完全に担ぎあげてるのでMADE IN JAPANというよりかはラスト・ファルコンリーっぽい

 前回の対戦で享がジャンボの勝ちでパワーファイターの鷹木から取った因縁もあってか、終盤には享vs鷹木の打撃戦がメインに。今回は鷹木も何とか返し、最後は打撃に拘らず享を捕えると抵抗されながらも強引に持ちあげてMADE IN JAPANで〆。最後の担ぎあげた場面が、享が若干空中に浮いた状態から力だけで徐々に持ちあげていて迫力満点でした。
 総評としては休憩明けとしては贅沢すぎる好試合。4人ともまだまだ余裕が感じられますが試合の完成度はそこそこ高く、個人的にはブレイブゲートよりかはこっちを今大会ベストバウトに推したいですね。




第6試合:オープン・ザ・トライアングルゲート選手権試合/6人タッグ3WAYマッチ
○土井 成樹
吉野 正人
PAC
V9クラッチ
望月 成晃
ドン・フジイ
Gamma●
B×Bハルク
サイバー・コング
谷崎 なおき
土井 成樹
吉野 正人
○PAC
21分58秒
360°シューティングスタープレス→片エビ固め
B×Bハルク●
サイバー・コング
谷崎 なおき

神戸ワールドにお似合いのお祭りカード。対戦カード見た時に谷崎なおき2回出てたんでダブルヘッダーかと思ってたんですが、新人の子に谷嵜のコピーやらせてるんですね……。闘龍門時代からちょくちょくコピーレスラーは出てますけど、何故微妙なポジションの谷嵜をやらせてるのは謎。


 試合は15分ぐらいまで6人タッグ3wayのお約束ムーブで埋めてきて楽しくまったり見れました。ベテラン軍がお笑い的にことごとく美味しいとこ持っていってて吹いた。結構前半からMBの3人が出番多かったんでこりゃ先に落ちるなーと思ってたら、まさかベテラン軍が先に退場するとは。ただの賑やかしじゃないですか……。(笑)

吉野の高々度ミサイルキック!雪崩式ツームストンパイルドライバー

 望月&吉野の場外へのムーンサルトや、ガンマの雪崩式ツームストンパイルドライバーといった珍しいムーブも飛び出しつつ、最後はPACが360°シューティングスタープレスで〆。前半から派手なムーブが続いたせいか、終盤はちょっと客も燃え尽きた様にも見受けられましたけどなかなか良い試合でした。やはりドラゲの3way6人タッグは盤石ですね。



第7試合:オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合
○CIMA
27分45秒
メテオラ→エビ固め
戸澤 陽●

今年のメインイベントはエースCIMAに勢い著しい戸澤が挑戦。長らく続いて来たCIMAvs新世代ですが、鷹木やハルクを差し置いて先にCIMA越えを成し遂げてしまうのでしょうか?



試合はCIMAが序盤から執拗な足攻めを見せ、かなり手こずった戸澤は首攻めで反撃開始。中盤までかなりじっくりまったりでしたが、前3試合がわりと派手だったんで個人的にはアリかな。MB勢の介入を拒否したり、凶器攻撃しかけるもやりかえされたりしつつ中盤へ。
中盤には戸澤が珍しくツームストンパイルドライバーを狙うも、反転しあう攻防があって印象に残りました。新日のオカダの試合を思い出した人も多かったんじゃないでしょうか。流行ってますね〜。パーフェクトドライバーやトカレフ等派手な技も飛び交います。それと戸澤はバイシクルキックしすぎ。

シュバイン中……
パッケージジャーマンを狙う戸澤

 終盤はやはりパッケージジャーマンを巡る攻防が主軸。不完全なフィニッシュムーブ(セカンドロープからのメテオラ、腕一本しか固めてないパッケージジャーマン)を混ぜてたのは新しいけど若干分かりにくいかったかも。足攻めが効いてジャーマンでフォール固められないってのは序盤の展開が意味を持ってて良かったんですが。
 ただラストが鷹木vsハルクを上回るタフマンコンテストと化してしまったのは駄目でした。戸澤が普通の高角度ジャーマン→不完全パッケージジャーマン→正調パッケージジャーマンを返されたのでアレ?っと思ったら、まさかCIMAがセカンドロープからのメテオラ→後頭部へのメテオラ→クロスファイヤー→正調メテオラ→シュバイン・シュタイナー→正調メテオラ(2発目)と書いててうんざりするぐらいフィニッシュムーブ乱発したのはどうかと。あと最初の方で普通のシュバインも出してましたっけ。いやぁ鬼畜すぎる……。客席も「こんだけ連発すればそりゃ勝つわ」と冷めちゃって決着付いた時も爆発しきらなかったです。
 今試合では思ったのは戸澤にドリームゲート任せるのはまだ早いなということ。ミスムーブもちらほら見られましたし、終盤の盛り上がり所であるパッケージジャーマンの駆け引きにしても単に力勝負一本だけじゃなくて、パッケージジャーマンから別の技に切り替えるとか、丸めこむとか何かしらの意外性が欲しいですね。今のままだと緊迫感はあるけど単調でもあるように思います。


 試合後、CIMAのマイクでPACの卒業が発表され卒業式が行われることに。MB以外のほぼ全選手がリングに集まり、全員が一言ずつ挨拶という流れになったんですが、流石にこの人数(写真参照)で全員は長すぎ!暁が最初普通に喋って、次ジミーズの番になった瞬間、客席の空気を察したか明らかにめっちゃ短くなって吹きました。でも結局他のユニットは気にしないんだよなぁ……。(汗)
 最後はPACも涙声でスピーチをし感動的な雰囲気のなか胴上げ&写真撮影。割とシンプルな飛び技も多かったマット・サイダルとは違って、複雑な飛び技が大半のPACがWWEに適応できるのか正直疑問に思いますが、出ていくからには頑張って欲しいですね。




というわけで今年もドラゲの神戸ワールドは終了。なんだかんだで外れ試合も見当たらず、興行としては当たり年に入るんじゃないでしょうか?メインの質が例年より落ちると言わざるを得ないのは残念ですけどね。戸澤も含め新世代の更なる飛躍に期待しましょう。




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