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GLORIOUS GATE 〜開幕戦〜
団体名 ドラゴンゲート
日時 2008年3月1日(土) 18:30〜
場所 大阪府立体育会館 第2競技場

吉野vsCIMAという同一カードを大阪と東京で2回実施し、それぞれの試合でお互いの王座戦を行うという奇妙なシチュエーションに展開した08年春のドラゴンゲート。「両王座を統一して、実質ブレイブゲートを封印するのでは?」という噂も飛び交う中、今大会ではブレイブゲート王座戦が組まれています。前述の通りドリームゲートと同カードであることから実質、ドリームゲート王座戦の前哨戦と見ることもできますし、CIMA・吉野という試合巧者同士のシングルということもあり非常にファンの期待が集まりました。
 というわけで前評判が高いわ、元々関西はドラゲの地元ということもあり、前売りを買おうと思ったら売り切れという有様。結局当日券で入りましたが、客席は立見が大勢いて、「府立2のプロレスでこんなに入るのはかなり久しぶりじゃないか」と思うほど入ってました。府立2は立ち見までパンパンにつめて実数でギリギリ1000ってとこらしいですが確実に800後半はいましたね。

調印式の風景

 試合開始前にブレイブゲートの調印式。吉野とCIMAのマイクに同じユニットの土井やら斎了が突っ込むという展開だったのですが、後の2人がことごとく台詞を噛んでしまい、会場が一気に和みました。(笑)




第1試合
新井 健一郎
スペル・シーサー
●シーサーBOY
12分23秒
幻壊→片エビ固め
横須賀 享○
斎藤 了
超神龍

典型的第1試合……と言いたいのですが、雪崩式エクスプロイダーとかダイビングフットスタンプが出てる時点で認めがたいですね。まぁ適度な盛り上げ具合からすると間違いなく第1試合なんですが。超神龍(2代目)の陰が薄いのがちょっと気になりましたが、ルーキーなので仕方がない。

横須賀と新健の頭突き対決横須賀がBOYをブレーンバスター





第2試合
●“ハリウッド”ストーカー市川
6分41秒
パイナップルボンバー→体固め
サイバー・コング○

スト市とコングが意外なことに初シングル。入場時に市っちゃんがパイナップル持ってくるも割れないという予想通りのネタを披露。あとはサイバー・コングの巨体をネタに客席を笑わせ続けていました。プランチャも敢行しましたし、後半では上半身の衣装脱いで文字通り体当たりで挑んでたのが良かったです。




第3試合
マグニチュード岸和田
○堀口 元気
10分40秒
ビーチ・ブレイク→体固め
ドラゴン・キッド
アンソニー・W・森●

岸和田兄さんがこんな位置で見れることに複雑な気持ちになりますが、職人だらけなこともあり盤石の試合回しぶりで安心して楽しめました。
試合後には堀口が王子の衣装を強奪するというサプライズも。奪った帽子をさっそく被ったのですが似合わなさすぎてこの時点で半笑いだったのですが、締めの「それでは王子、ごきげんよう」の台詞には見事にやられました。(笑)

王子を攻める岸和田恒例の2階建て雪崩式フランケンシュタイナー
岸和田のブレーンバスターあまりにも似合わないので爆笑しました





第4試合
望月 成晃
○ドン・フジイ
10分43秒
ナイスジャーマン
戸澤 アキラ●
大野 勇樹

メタボリック・ブラザーズvsチーム30代。メタボリック・ブラザーズの入場がやたら凝っててワロタ。試合の方はメタボ兄弟のお笑いムーブを織り交ぜつつ、チーム30代が終始若い2人に強烈な指導をぶちかましていました。

メタボリック・ブラザーズは思ったより入場に力入ってますね雪崩式のダブル喉輪落としを狙うフジイさん




第5試合
土井 成樹
Gamma
○神田 裕之
14分12秒
ブルーボックス攻撃誤爆〜急所攻撃
→首固め
鷹木 信悟
B×Bハルク●
YAMATO

ニューハザードの分裂?ストーリーが進行中ということで、この日もハルクとYAMATOが多数誤爆。そしてマッスルアウトローズがいつも通りダーティムーブを繰り出すという展開。しかし試合時間短めなことと、ストーリーの流れからして誤爆すれば客席の注目を集められるということもあり、正直手抜き試合だった感じはします。だって 誰もフィニッシュムーブを出さなかったんですもん。まぁそれでもそれなりに楽しめるってあたりがドラゲの凄さだとは思いますけどね。

案の定、喧嘩に。






第6試合:オープン・ザ・ブレイブゲート選手権試合
○吉野 正人
19分48秒
ライトニング・スパイラル→体固め
CIMA●

とまぁ良い感じの流れでここまできた大阪大会。メインは皆さんお待ちかねの吉野CIMA。ドリームゲート王者vsブレイブゲート王者というドラゲ初のシングル王者同士の対決の行方はいかに。

両者リングイン写真撮影

 で、実際の試合なんですが、投げ技も少なく、ドラゲ的にはやや地味めかもしれませんが、 最初から最後まで見所がありました。序盤ではCIMAが珍しくジャベ(新技?)やったり、吉野が久々?にフロムジャングルでしたっけ(キッドのクリストみたいな技)して注目を集め、 中盤からはシングルにしては激しすぎる切り返し合いを披露し、 ラストはやはり結構普通気味のフィニッシュムーブ絡みの攻防なんですが、シチュエーションがシチュエーションだけに緊張感が違いましたね。
 それと吉野はフィニッシュムーブ全部出したんですが、CIMAはシュバインとホルヘクラッチ(?)ぐらいしか出さず、 普段の2.9プロレスとは一味違った展開でした。それだけに決着ついた瞬間は多少あっさり感があったんですが、 (ファンは興奮してたものの、シュバインレッドラインもクロスファイヤーもマッドスプラッシュも出てないのに、吉野の陰の薄いライトニングスパイラル2発で決着するはずないと思ってた人が多かった感じ。俺含む) 「吉野が押し切って勝っちゃった」というサプライズであっさり感も全部吹き飛ばしました。
 なんというかビルドアップした2人をみると、完成されたアスリートの闘いを見せられた感じでプロレスラー像について考えさせられますね。ただCIMAは確かにスピードが上がって吉野とも良い勝負してたんですが、ちょっとスピードを持て余している印象も受けたので、太田区以降は体重戻しそうです。

こうもりをかける吉野
CIMAが珍しくジャベを繰り出してますサンセットフリップ・パワーボムを狙うCIMA
久々?のフロムジャングルフロム・コーナー・トゥ・セイム・セイムコーナー!
雪崩式ネジと橋を狙うCIMAソル・ナシエンテを極める吉野

試合後、吉野が客に敬語使ってるのに土井がつっかかり、大田区の結果次第では考えがあると発言。対する吉野は「土井ちゃーん、今日は勝ってんから勘弁してや〜」の一声。会場が和むこと和むこと。(笑) その後マイクして興行を〆ました。……しかしまぁ立ち振る舞いといい完全にベビーですね。

土井が吉野に文句。MO追放や土井のブレイブ挑戦へのフラグか?
どっからどう見てもベビーです本当に(ry




はっきり言いますが小会場としては間違いなく神興行でした。お見事。
メイン目当てなのを見越してかセミまで全体的にあっさり目ながら、真面目な試合とお笑い試合を交互に入れつつ、どの試合もしっかり楽しませてたのには好感が持てました。またメインはそこまで胃もたれを起こさない爽快なファイトで、客をしっかり満足させ役割を果たしました。まぁ吉野CIMAの時点でクオリティ面での心配は杞憂っちゃ杞憂ですけど、プレッシャーやらアクシデントでしょっぱい試合になる可能性はありますし、小会場ってことで介入とかで不透明決着もありうると思っていたので、見事なハッピーエンド (注:吉野はヒール)だったのは良かったです。
それに何より興行が終わって大満足の中、ふと時計を見て、全部で2時間半の興行だったことに気づいた時は思わず唸りました。その絶妙なバランスには脱帽するしかありません。素晴らしい。




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