The Best of AJ Styles : Evolution of a Phenom 評価:S
数年前からアメリカンインディー界を圧巻し、世界にも飛び出すこの男。TNAに存在する3本のベルトを全て獲る等、名実共に「Xディヴィジョン」の代名詞となったレジェンド。ベタボメですが、嘘じゃぁございません。上質な試合の塊を是非御覧下さい。


AJスタイルズ vs ロウキー
(2002年4月27日 「A Night of Appreciation」より)
 まさに激闘……最後の握手が感慨深い。これを最初に持ってきたのは正解だと思います。名試合。四の五の言わずに見てください。


AJスタイルズ vs クリストファー・ダニエルズ
(2002年6月22日 「Road to the Title」より)
 クリストファー・ダニエルズのベストバウトDVD「The Best of Christopher Daniels vol.2 : Say Your Players」にも収録。
 1つ目のクリストファー・ダニエルズ戦も名試合ですよ。関節技と打撃で魅せる前半、能力と技巧と工夫の後半とはっきり分かれてしましたね。ラストライツへの持っていき方に驚いた。


【NWA-TNA Xディヴィジョン王座戦/3WAYダンスマッチ】
AJスタイルズ vs デイビッド・ヤング vs アダム・ジェイコブス
(2002年7月27日 「Crowning a Champion」より)
 ROHでのXディヴィジョン王座戦ということか、あっさりと片付けちゃいました。格もあるし、外部だからかねぇ……。アダムもデイビットもミスする中、AJは2人を引っ張る仕事っぷり。ドラゴン・ラナやらスパイラルタップも冴えまくりです。しかしパワー派ということでデイビットはキャラ立ってましたが、アダムはどうも陰薄かったですね。


AJスタイルズ vs アメリカンドラゴン
(2002年11月9日 「All Star Extravaganza」より)
 vsアメリカンドラゴンことブライアン・ダニエルソン。両方ともコスチュームがほぼ同じなのは勘弁して下さい。しかし試合の方は抜群。前半〜中盤のグラウンド合戦も、終盤の激闘っぷりもお見事。スピニングクローズラインの相打ちと、2回目のスタイルズクラッシュの入り方には笑った。意地張りすぎ強引すぎ。(笑)


AJスタイルズ vs クリストファー・ダニエルズ
(2002年11月16日 「Scramble Madness」より)
 2つ目のダニエルズとの試合。基本的なムーブもX世代にやらせれば斬新で面白いですね。試合としてはどちらかっていうとそんなに派手ではないですが巧さが光ります。ただちょっとラストがグダグダなのが残念。ラストライツ切り返しまでは良かったんですが……。


AJスタイルズ vs ジミー・レイヴ
(2002年12月7日 「Night of the Butcher」プレショーより)
 ジミー・レイヴは飛び技師という印象が強いですが、それらを上手く利用して切り返しの妙を見せるのがX流。なかなかのやられっぷりにジミーが気に入ってきました。しかし試合時間がかなり短いというオチが。プレショーだからか。残念。


【ROH世界王座戦】
イグゼイヴィア vs AJスタイルズ
(2002年12月7日 「Night of the Butcher」より)
 先ほどの試合と同日に行われ、ROH世界王座戦となったvsイグゼイヴィア。いきなり殴りかかっていてスタイルズクラッシュ決めた高テンションぷりがイカス。試合自体はソツなく纏め上げました。派手ではないですが、両者とも地に足がついていて好感が持てます。ただ最後のオチに伏線が欲しい。


【ROHタッグ王座戦】
AJスタイルズ&アメージングレッド vs ブリスコ・ブラザーズ
(2003年3月22日 「Night of the Champions」より)
 ROHタッグ王座戦もこのDVDにおけるベストバウト候補の一つ。安定したプロレスセンスのAJ&ブリスコブラザーズにアメージングレッドのスパイスが加わって面白くならないはずがありません。……特に最後のツープラトンは顎が外れそうなほど驚きました。マジであれを成功させるなんて信じられません。Holy Shit!


AJスタイルズ vs ジョニー・ストーム
(2003年5月17日 「Frontiers of Honor」より)
  カット有り。 正直ジョニー・ストームがしょっぱすぎて、一連のムーブごとにブツブツ切れちゃうんですよね。ミスムーブも多いですし。
 それと終盤になっていきなりカットしてフィニッシュムーブするところから再開ってのは勘弁して下さい。しかも何故アレがフィニッシュなのでしょうね。難易度的には高いんですけど。ラストのミスジャッジも含めて「もうどうしようもねぇなー」と溜息しか出ない試合でした。


【NWA世界ヘビー級王座戦】
AJスタイルズ vs クリス・セービン
(2003年6月28日 「Wrestlerave」より)
 vsクリス・セービンは普通に手が合って良試合に仕上がってますが、王座戦なんですからもうちょっと激闘が見たかったかな。なんかあっさりしすぎてなんとも。


 総評。このDVDを最初見た時、かなり衝撃を受けました。打撃・関節・投げ・飛び技どれも万能で、確かなプロレスセンスを持ち、まさに完璧超人。まさに天才といった感じで、これほどの衝撃はブロック・レスナー以来2人目です。そんな彼のベストバウト集ですから、面白くないはずが無いといった按配で。Sランクという評価に何の疑問も持っていません。

(改訂日:2008年3月14日)


The Best of AJ Styles vol.2 : The Phenomenon Continues 評価:B


【ノーホールズバードマッチ】
AJスタイルズ&ロウキー vs クリストファー・ダニエルズ&イグゼイヴィア
(2003年1月11日 「Revenge on the Prophecy」より)
 まず最初のタッグマッチ。ROHらしい奇想天外な展開が多くやっぱり面白いですね。イグゼイヴィアのやられっぷりも良さげ。


AJスタイルズ vs ポール・ロンドン
(2003年6月14日 「Night of the Grudges」より)
 ポール・ロンドンとのシングル。最初はド派手な試合になるかと思ってましたが、意外や意外、いかに基本的なムーブを間と工夫で魅せるかに焦点を合わせた展開。双方あまりに上手いので笑ってしまったほどです。しかし短すぎるのと藤田vs健介バリのオチには納得いかない。


【ROHタッグ王座戦】
AJスタイルズ&ホミサイド vs クリストファー・ダニエルズ&ダン・マフ
(2003年8月9日 「Wrath of the Racket」より)
 ダニエルズのベストバウトDVD「The Best of Christopher Daniels vol.2 : Say Your Players」にも収録されています。
 ホミサイドと組んでのダン・マフ&ダニエルズ組。とりあえずダン・マフは顔芸しすぎ。露骨すぎるのはどうかと。技術も拙い面が目立つし……AJのセカンドロープムーンサルトからのリバースDDTの場面はかなりヒヤヒヤもんでした。他の3人は良かっただけに足引っ張りすぎの印象しかありません。


AJスタイルズ vs ブライアン・ダニエルソン
(2003年11月1日 「Main Event Spectacles」より)
 vsブライアン・ダニエルソンは、やはり冒頭のグラウンド合戦が見物。場外でもやってるのには笑った。しかし徹底的に間を空けてきますね。陽気なROHの客席が静かなのは変な感じ。それから「スワンダイブ式」バックドロップと、三角絞め決められたままのスタイルズクラッシュはアホすぎる光景なので見とくが吉。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs AJスタイルズ
(2003年11月29日 「War of the Wire」より)
 サモア・ジョーのベストバウトDVD「The Best of Samoa Joe : World Champion」にも収録。
 なんだか普通な試合。両者とも不完全燃焼というか「もっと出来るだろ!」って思ってしまいました。そこらのレスラーならここまで出来たら十分なんだろうけど、この2人にはもっと凄い試合を望んでしまうのは高望みってやつなんでしょうか? 次回に期待。


AJスタイルズ vs カズ・ハヤシ
(2003年12月27日 「Final Battle 2003」より)
 あんまり期待してませんでしたが、意外と面白かったです。前半はグラウンドと打撃を巧みに使いこなして魅せてくれます。後半はまぁROH風の創意工夫の展開といった所。


【ピュアレスリング王座決定トーナメント1回戦】
AJスタイルズ vs ジミー・レイヴ
(2004年2月14日 「Second Anniversary Show」より)
 なんかぎこちない一戦。途中の、膝を怪我してブレイクするアングルは個人的に斬新。再開していきなりジミーがテンション上がってノリノリで膝攻撃し出したのには笑った。まぁ何にしても試合が短かい上に、まとまっておらず散漫な印象を受けたことには変わりないのですが。


【ピュアレスリング王座決定トーナメント決勝】
AJスタイルズ vs CMパンク
(2004年2月14日 「Second Anniversary Show」より)
 CMパンクの入場かっちょええー。個人DVD見た時はパッとしない印象だったんですが……。マネージャーが黒髪ツインテール+リボン+メガネ+ミニスカという凄い格好なのが笑える。
 試合自体はう〜ん。後半はともかくとして前半がイマイチでしたね。トーナメント決勝ってこともあるんで激闘を期待しつつ、スタミナ的にしんどいよねって理解もできるんですけど。う〜ん。


 ROHのAJ特集第2弾は良い試合が少なかったですね。vsサモア・ジョーや、ピュアレスリング王座決定トーナメントの2試合もイマイチとは予想外でガッカリ。前回に比べ試合数もクオリティも落ちるとは……。ファンとしても辛い所ですが、Bランクをつけざるを得ません。

(執筆日:2006年2月18日)


The Best of Christopher Daniels : The Prophecy Foretold 評価:S
カレーマンことクリストファー・ダニエルズのDVDでございます。Xディヴィジョン勢の中でもベテランの彼が繰り広げる激闘を見逃すな!


クリストファー・ダニエルズ vs アメリカンドラゴン
(2002年3月30日 「Round Robin Challenge」より)
 普通の試合。アメリカンドラゴンってグラウンド確かに上手いんだけど、なんかノれないんですよね。サブミッション重視っていう方向性は合ってると思うんですが……。う〜ん。普通の試合。


クリストファー・ダニエルズ vs ドノヴァン・モーガン
(2002年4月27日 「A Night of Appreciation」より)
 相性が良いみたいで面白かったです。あんまり奇をてらいすぎず、スタンダードなプロレスという印象。ドノヴァンのフィニッシュムーブなんかいいなぁ。


【ROHタッグ王座トーナメント1回戦】
クリストファー・ダニエルズ&ドノヴァン・モーガン vs 日高 郁人&ディック東郷
(2002年9月21日 「Unscripted」より)
 日高郁人&ディック東郷との対戦はかなり面白そうなので期待してたんですが、どうも最初は様子見というか手合わせ的な感じで落ち着いてました。ところが日高のセカンドロープからの飛びつき式スイングDDT→ディック東郷のコーナー蹴り型のスイングDDTと見事に入った辺りからかなりヒートアップしましたね。ヒートアップしてからがもうちょっと長ければ神試合になれたかも……。今でも十分面白いですが。


【ROHタッグ王座トーナメント決勝戦】
クリストファー・ダニエルズ&ドノヴァン・モーガン vs アメリカンドラゴン&マイク・モデスト
(2002年9月21日 「Unscripted」より)
 トーナメント決勝らしい熱戦。マイク・モデストの雪崩式フィッシャーマンスープレックス ホールド と、アメドラのレッグクラッチバックドロップホールドは必見。


【FWA王座戦】
クリストファー・ダニエルズ vs ダグ・ウィリアムス
(2003年3月22日 「Night of the Champions」より)
 ノアで技巧派外人としてのポジションを打ち立てたダグ・ウィリアムスとの対戦。派手すぎず地味すぎず、かなりの熱戦で面白かったです。序盤のダグがダニエルズを子供扱いする展開とか戦慄モノ。ホンマに上手いな!


クリストファー・ダニエルズ vs ホミサイド
(2003年4月12日 「The Epic Encounter」より)
 途中からスタート(多分序盤だと思うのですが)、途中で何故か1分ほど飛ぶわ、途中での音飛び映像飛びが結構あったりと、編集の不手際が目立ちました。試合自体は安定感ある良試合だったのに惜しい……雪崩式ロシアンレッグスイープには笑った。


クリストファー・ダニエルズ vs アメージング・レッド
(2003年4月26日 「Round Robin Challenge 2」より)
 アメージングレッドは各技の滞空時間もかなり長く、かなり良い感じの浮遊感。最盛期のミステリオ並か? まぁ技が鮮やか&軽やかすぎて痛そうでは無いのが欠点だけれども。(笑) セカンドロープからの飛びつき式スイングコンプリートショット には驚き。619→ウエストコーストポップのコンボも使ってて楽しい空中殺法祭りですね。
 で、アメージングレッドのことにしか触れてないのは駄目すぎるので試合自体の話。完全にダニエルズが受け役に回った試合でしたが結構面白かったです。ちょっと双方とも技とかフォールで手間取ったりした箇所があったのは駄目ですね。やっぱり空中殺法って相手の協力が必要だけれども、それがミエミエでは駄目だと思うんで。


クリストファー・ダニエルズ vs ポール・ロンドン
(2003年4月26日 「Round Robin Challenge 2」より)
 オープニングマッチだったアメージングレッド戦に引き続き、セミでも登場。ダニエルズがロープ逆上がりムーブやってる所にロンドンが邪魔したのは笑った。試合自体は相当な激戦。双方全力を尽くしたって感じ。一試合でお腹一杯になれる内容ですね。


クリストファー・ダニエルズ vs ジョディ・フレッシュ
(2003年5月17日 「Frontiers of Honor」より)
 禿聖職者の入場、格好いいなぁ。それはともかくとして気づいたんですが、めちゃくちゃリング小さいですね。高さも低いし。やはり試合にも影響が出てやたらとロープワークの多い印象。特に序盤は投げも打撃もあまり出ず、切り返したり走ったりでプロレスやってる感じ。1回目の場外でいきなり控え室へ帰る→飛びつき式フランケンシュタイナーの流れは笑った。
 トータルで見ると、高度な内容ではあるものの、最初から最後まで似たようなテンションで続き、超ムーブ発表会なので見てて辛いです。セカンドロープから背面飛びで素早く体捻って飛びつき式フランケンにしたりとか、後半の丸め込み合戦も確かに凄いんですけどね……。「感情」と「間」は全く感じられませんでした。
 最後の乱入者の椅子投げも、多分スワンダイブしたところでぶち当てるはずだったのに外れてしまい、慌てて締めた感が。見てる側としてますます萎える。


 どんな相手でもハイレベルな試合が出来る所にダニエルズの真価があります。AJのように奇をてらいすぎず、高難度すぎず、地に足がついた技のセレクト&試合回しは凄い安心でき、信頼を抱くには充分な出来ですね。
 ただ勿体無いと思うのが、映像飛び・音飛びが多少あったこと。映像自体もたまに荒い時があり、映像機器周りも金かけてほしいなぁ……とつくづく思いますね。試合自体のレベルが高いだけに余計悔やまれます。

(執筆日:2006年3月4日)


The Best of Christopher Daniels vol.2 : Say Your Players 評価:A
 ”堕天使”クリストファー・ダニエルズのベストバウト集第2弾。AJとジョーの第2弾は既にレビューしていますが、どちらも評価落としているだけに、Xディヴィジョン御三家最後の一人として頑張ってほしいところ……。まぁ他の個人DVDとの被りが3試合も見つかっていて、早くも暗雲が立ち込めてきてるんですけど。


クリストファー・ダニエルズ vs ロウキー
(2002年3月30日 「Round Robin Challenge」より)
 初っ端からかなり期待値MAXのカード。そういえばROH旗揚げ当初はダニエルズとロウキーが抗争してたんですよねー。物凄い試合になりそうです。
 試合は気合入りまくったロウキーが冒頭からチョップや各種蹴りでダニエルズをしばきまくり、ダニエルズは老獪かつダーティなテクニックで対抗していくという構図です。序盤からお互い相手の攻撃を読み合って避けたりして攻守がコロコロ入れ替わり、非常にスリリング。いやはや今更っちゃあ今更ですがロウキーの打撃のキレは素晴らしい! もちろんダニエルズも素晴らしい職人ぶりを発揮し、打撃はロウキーに譲るとしても、残りの投げ・関節・飛び技をバランス良く使って試合を構築していきます。
 わりと早くフィニッシュムーブが飛び交う終盤戦へ。当然のごとく避け合い切り返しの応酬で興奮しっぱなし。ラストは流れからして負けると思ってただけに、さらに切り返してのアレはカッコ良すぎ。正直短いとは思いますが素晴らしい試合です!


クリストファー・ダニエルズ vs AJスタイルズ
(2002年6月22日 「Road to the Title」より)
 AJスタイルズのベストバウトDVD第1弾「The Best of AJ Styles : Evolution of a Phenom」にも収録。良試合でしたからね。
 ハイスピードなグラウンドの展開から試合はスタート。執念のこもった攻めはかなり迫力があり、ベーシックムーブだけで長時間展開されても全く気にならないのが凄い。
 中盤からはお互い技をぶつけ合うのですが、今じゃあんまり使わないムーブもたくさん見られて興味深いですね。AJは特にコロコロ常用ムーブ変える方ですから余計に。ヘッドスプリングからのラナは覚えてましたけど、トルニージョや垂直落下式ブレーンバスター、パワースラムもやってて意外。ダニエルズもライオンサルトやファルコンアローなんてやってるし。そしてその後にセカンドロープに仰向けでグロッキーになってるダニエルズへ、AJが三角飛び式のライオンサルトやってて吹いた。エゲツなさすぎ。さらにジャーマンからロールスルーしてバックドロップフェイスバスターなんてコンビネーションも見せてて懐かしい気持ちに。コレ好きだったんですよねー。
 そしてダニエルズがコンプリートショットのフェイントからSTOを決めたのには唸らされました。流石です。流石といえば最後の切り返しにも再び驚きましたよ。おかしいな、大分前に一度見たはずなのに。(笑)
 なんだか取りとめもないレビューになってしまいましたが、良試合どころか名試合だったってことが確認できて良かったです。


【4コーナーサバイバルマッチ】
クリストファー・ダニエルズ vs CMパンク vs フランキー・カザリアン vs ジミー・レイヴ
(2003年5月31日 「Do or Die」より)
 なんともいえない組み合わせ。どう転ぶか分かったもんじゃありません。
 試合はレイヴとパンクの組み合わせでスタート。特になんてことのない基本的なムーブで進行しますが、首投げ→背中にチョップのコンビネーションを食らったパンクが痛がってコーナーに走り出し、トップロープに飛び乗りそのまま場外に飛び降りて逃げたのは吹いた。やりすぎ! それとカザリアンとレイヴの組み合わせになった瞬間、展開のスピードが跳ね上がりますね。なかなかのテクニシャンぶりを双方とも発揮しています。一方のパンクとダニエルズの組み合わせは、できるだけじっくりと見せる方向性で好対照になっています。
 しかしその後、ちょっとダレた展開に。切り返しや複数人の絡んだムーブもあまり無なくて、淡々と進んでいってしまってるのが原因でしょうか。交代も頻繁で、結構流れが細切れにされてる感触が強いですね。終盤の方は切り返しも複数人の立ち回りもそれなりに増えて面白くなるんですけど。ラストの切り返しも唸らされましたね。
 試合の方はイマイチな出来に終わってしまいましたが、ほとんど見たことのなかったカザリアンが見れたので個人的には良しとしましょう。なかなか動きも良いし、テクニックもあるし良い選手ですね。変形のジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスなんて使っててビックリしました。


【ROHタッグ王座戦】
AJスタイルズ&ホミサイド vs クリストファー・ダニエルズ&ダン・マフ
(2003年8月9日 「Wrath of the Racket」より)
 AJスタイルズのベストバウトDVD第2弾「The Best of AJ Styles vol.2 : The Phenomenon Continues」にも収録されています。これはどちらのDVDにもわざわざ入れるまでの価値が無いような気がします。
 試合はAJ&ホミサイド組の奇襲からスタート。ヒールのダニエルズ&ダン・マフをどつき回して観客席に放り込み、初っ端からトペ・コンヒーロの二重奏を披露。ベタですが華麗ですね。その後はベーシックムーブで責めるAJ&ホミサイド組、ベタなダーティムーブで責めるダニエルズ&ダン組という様相。
 ムーブ的には目立ったものは無いものの、やはりダン以外の3人のムーブがどれも綺麗で素晴らしい。一方ダンはスープレックスがろくに投げれてないので、低空すぎて危なすぎ。ホミサイドにやったハーフネルソンスープレックスとかかなり肝が冷えましたよ。やっぱりレスラーとしては……。アピールとセールは良いんですけど。(苦笑)
 総評としてはやっぱり、双方のベストバウト集に入れるほどの試合では無いなというのが正直なところ。ダン・マフさえ他のレスラーに変わってくれればっていう一言に尽きます。


クリストファー・ダニエルズ vs イグゼイヴィア
(2003年8月16日 「Bitter Friends, Stiffer Enemies」より)
 またなんとも言えないカードですね。グラウンド対決に期待といったところでしょうか。
 やはりグラウンドの展開からスタート。随所にトリッキーな動きがあって、イグゼイヴィアのグラウンド能力の高さが伺えます。無論それについていくダニエルズの能力も疑う余地もなく。グラウンドや打撃が中心の展開が続きます。
 ダニエルズが場外に追いやられて、イグゼイヴィアがスライディングキック2発から唐突にコーナーに上りだしたので、プランチャでもやるのかと思いました。しかしなんとそこから、ちょうどコーナーとコーナーの間の中間点辺りのトップロープに飛び、三角飛びみたいな感じで開脚ラ・ケブラーダを敢行。予想を裏切って虚をついた上に、相手のムーブをするとはやりますね。関節一辺倒のレスラーだと思ったので慌てて英語版Wikipediaで調べちゃいましたよ。(笑)
 その後も打撃(飛び打撃も含む)と関節がほとんどで、痛みが伝わってくるプロレスを展開しました。イグゼイヴィアが変わったムーブをいくつか披露した他、コージークラッチをあえて使ったりと、相変わらずの曲者っぷりを発揮。ダニエルズもストマックブロックやスピアーを出すなど、このような試合でも対応できることをの見せつけます。
 ラストに至っても飛び技こそ出るものの投げ技はほぼ全て不発という徹底ぶり。一応リバースフルネルソンからのSTOとかありましたけど、ほとんどは相手とほぼ接触したままマットにつくので投げた気がしませんね。……いやはやここまで「打撃・関節・飛び」という三要素が並び立った試合を自分は知りません。普通は「打撃・関節」の二要素までですからね。うーん。凄いわ。
 試合自体の評価は玄人向けすぎて明確に付けるのも難しいのですが、お互いの技量の高さはよく分かりました。ま、見所がある試合ってことで一つ。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs クリストファー・ダニエルズ
(2003年9月20日 「Glory By Honor 2」より)
 相手のサモア・ジョーのベストバウトDVD第1弾「The Best of Samoa Joe : World Champion」にも収録されるほどの名試合。どっちも持ってる者としては確かに被りは痛いですが、素晴らしいことは確かなのでこれの収録には文句言えないですねー。
 既にサモア・ジョーのベストバウト集の方で一回レビューしてるので、特にコメント付けるようなことも無いのですが、やっぱり双方気合入りまくりです。説得力溢れる単発の技といい、流れるようなコンビネーションといい文句のつけようが無いですね。ただ、ちょっとだけジョーの繋ぎの打撃が甘いのが気になります。やはり重量差があるだけに手加減してしまったか?
 あ、後、これは自分の盤だけかもしれませんが、ややノイズが目立ちました。ジョーのベストバウト集の時はそこまで酷くなかったのですが……。


クリストファー・ダニエルズ vs ジョン・ウォルターズ
(2003年10月25日 「Empire State Showdown」より)
 ウォルターズはあんまりROHでは活躍していないものの、なかなかのテクニックを持ち合わせた選手ですから良試合が期待できそうです。
 グラウンドの展開から試合はスタート。奇をてらわないベーシックな動きを素早く重ねていくその姿は職人そのもの。ウォルターズは足にスタナーなんていう珍技からスピニングトゥホールド、インディアンデスロックやら鎌固めと多彩な足攻めを披露。ダニエルズはマネージャーを介入させつつ形勢を立て直すと背中攻めの展開へ持ち込み逆転してゆきます。
 基本的な技を多数織り交ぜつつも客を惹きつけ続け、終盤戦へ。案の定、ダニエルズ側から投げ技が色々飛び出してきて前半の局所攻めが意味無くなってきました。(笑) まぁ双方とも素晴らしい精度の動きを見せるので興奮させられっぱなしですし、いいんですけどね。「巧い」とはこういうことを言うのだと思わされる終盤戦でした。
 総評ですが、この2人が闘ったらこうなるというショウケースのような試合でありつつ、見事な熱戦に仕上がってます。間違いなく良試合です。


クリストファー・ダニエルズ vs ジミー・レイヴ
(2003年11月28日 「The Conclusion」より)
 present(現在) vs future(未来)と銘打たれた試合。テクニシャンタイプ同士の対決ってこともあり楽しみですね。
 試合はオーソドックスなグラウンドの展開でスタート。レイヴはフロム・ダスク・ティル・ドーン(ヘッドシザーズホイップの入り方からクロスフェイスに移行する技)への布石として腕攻め中心。早い所は早く、ガッチリ極める所は極めて、かなりメリハリつけてきます。
 しかし中盤に入るとダニエルズがウォルターズ戦と同じくベーシックな背中攻めで巻き返し、いよいよ終盤戦へ。まず終盤冒頭のダニエルズの延髄斬りが完璧すぎて言葉も出ない。レイヴの受けも良かったしね。アレはフォール取れるだけの説得力あるわ……。レイヴはエンジェルズ・ウィングスをリバースしてダニエルズを上半身だけ起き上がった状態にすると、ロープに飛んでHi69(元K-DOJO)のトランス・レイヴばりのキック!何故か解説陣がシャイニング・ウィザードと言ってて気になりつつ、ラストは激しい切り返し合戦の末に〆。
 ウォルターズ戦と同じようなチャレンジマッチという色が濃い試合でしたが、良いものは良いんです。グッドマッチ!


【世界タッグ選手権試合(全日本)】
グレート・ムタ&嵐 vs クリストファー・ダニエルズ&ダン・マフ
(2003年12月27日 「Final Battle 2003」より)
 ムタとダニエルズ、最初で最後の遭遇(?)か。ムタ側は嵐、ダニエルズ側はダンとお荷物を背負っていますが大丈夫でしょうか……。
 ダン・マフと嵐のお荷物同士で試合開始。ベタなタックル掛け合いでお茶を濁した後、ダニエルズが登場。ムタを呼び込み一気に盛り上がります。両者の絡みはグラウンドから開始。ムタの変則的なリズムについていってます。
 しかしその後はめまぐるしくチェンジしまくり、大したムーブもせず時間潰し感が漂ってきた上に、嵐の打撃が駄目駄目すぎて見てられません。ダニエルズとダンも露骨に嵐の扱いに困ってる雰囲気が漂い、これは嫌な予感が……。
 終盤に入ってもイマイチ盛り上がらず、唐突に終了。ムタは結局フラッシングエルボー・低空&通常ドロップキック連発・毒霧・ドラゴンスクリュー・4の字・シャイニングウィザードと、かなり御約束ムーブだけ出して終了。正直、地方興行のセミのタッグ戦ぐらいのレベルで、王座戦と呼ぶにはキツ過ぎる出来でした。
 ダニエルズもダンと一緒にツープラトン出したりと頑張ったんですけど挽回できませんでしたね。確かに全日組はどちらもヘビーですが、少なくともダニエルズの技は受けられるでしょうに。武藤と嵐は受けなさすぎ。う〜ん。


 まず他のベストバウトDVDとの被りが3試合もあるのが気になりますねー。試合自体は4wayとROHタッグ、そして全日本の世界タッグを除いてどれも良かっただけに、被り多数で評価を更に落とさざるをえないところが残念です。

(執筆日:2007年4月28日)


The Best of Samoa Joe : World Champion 評価:A
 かつてROHにおいて2年以上に絶対王者として君臨し、TNAでは重量級ながらXディヴィジョンにカテゴリされ、なおかつアメリカンインディートップ3の1人でもあるサモア・ジョーの個人DVDです。絶対王者時代の前期にあたる2003年の防衛戦の数々を収録しています。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ダグ・ウィリアムス
(2003年4月26日 「Round Robin Challenge 2」より)
 かなりの好カードだけに期待が高まります。試合は、グラウンド展開がトリッキーながらも打撃・投げは素朴なものばかりで、相当好感が持てました。ジョーの延髄切りが軽やかすぎて笑った。やっぱりダグ上手いわ。
 惜しむべきは試合時間が短すぎたこと。もっと見たかった……。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ホミサイド
(2003年5月31日 「Do Or Die」より)
 こちらもなかなかの好勝負が期待できそうなカードと思いきや、ホミサイドよりジョーの方がまだ一回り大きいのね。(汗) ちょっと体格面でしんどいか。
 試合は基本的なグラウンドからスタート。徐々に派手な技も飛び出してきます。まずはキメラプレックスの恐ろしさに戦慄。ありゃインフレしすぎ。まぁホミサイドの「トペ・コンヒーロで飛びつつ場外に立った相手の頭を掴み、そのまま場外フェンスに斜めに立てかけたテーブルに突っ込む」にはかないませんが。最初何が起きたのか分かりませんでしたよ。無茶すぎ。
 途中からロウキーがセコンドに。Tシャツにカタカナで「ロウキー」って入ってて笑った。どこで作ってきたんだ。……という突っ込みは置いとくにしても、ホミサイドとのやりとりと復活劇はベタですが好きです。
 えげつない蹴りもこの頃から飛び出し両者エキサイトしてきたと思ったところで、ホミサイドの垂直落下ブレーンバスターが高さ低すぎで(単にジョーが重すぎじゃないのかという気はするが)、ガチで頭から落ちてしまい、レフェリー大挙出現という事態に。これで流れが完全に切れてしまったのは痛いですね。その後不自然な流れですぐ終わったことから察しても、急遽アドリブしました感がありありと。まぁ最後は思わず「あ〜れ〜」と叫んでしまうような説得力満点のフィニッシュだったからちゃんと締めることは締めたんですけど。なんだかんだで面白かったです。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ダン・マフ
(2003年6月28日 「Wrestlerave」より)
 ダン・マフは以前ダニエルズベストのタッグで足引っ張りまくってた印象しか無いので、かなり塩試合になるかと思い、戦々恐々していました。ちなみに今日のリングはかなりスプリング強いんでポヨンポヨン跳ねすぎ。
 打撃戦の様相から試合はスタート。エゲツないビンタやもはやキックと化した顔面ウォッシュにはちょっと引きます。中盤はそうでもないんですけど。やたらバーニングハンマーって叫ぶので何やろと思ってたら、ダン・マフのフィニッシュはバーハンだったのね。で、そろそろ後半かなーと思った瞬間、試合終了したのはビックリ。ぶっちゃけ結構しょっぱかったんで、これでもいいんじゃないかとは思いますけどね。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ポール・ロンドン
(2003年7月19日 「Death Before Dishonor」より)
 ごめん、どう考えてもロンドンが勝つ姿が想像できない……ってなわけで、難しい状況の中でこの2人が何を見せてくれるのかに期待。ロンドンのタイツの色が青と赤を基調としていてダサい。そしてジョーの金髪が似合ってない所も突っ込みたい。それから編集ミス起こしてる箇所があり、開始ゴング2回聞かされます。(汗)
 試合開始から衝撃的な光景が。ジョーがめっちゃ早く動き回ってる! 動けるデブとは聞いていたが、ここまで早いとは。流石にロンドンよりかは半分〜4分の1テンポは遅れるものの凄いよ。試合自体はクルーザーvsヘビーのチャレンジマッチ。まぁこの2人がやり合えばこうなりますって試合ですよね。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs BJウィットマー
(2003年8月9日 「Wrath Of The Racket」より)
 BJウィットマーのフェイスプロテクター(?)に驚く。しかもすぐに外れてるし。ところでウィットマーって没個性すぎると思うのは自分だけでしょうか? 投げも打撃も関節技も普通に出来るんで、これっていうところが無いように感じます。
 この試合でもそういう部分が遺憾無く発揮され、「悪くはないけど良くもない」試合になりました。とはいえ双方スピードを落とし、重量感溢れる展開を見せたのは正解だと思う。ウィットマーはジョーを結構投げ飛ばし、意外とパワーがある面も見せます。ジョーのローリングビンタには笑った。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs クリストファー・ダニエルズ
(2003年9月20日 「Glory By Honor2」より)
 ダニエルズのベストバウトDVD「The Best of Christopher Daniels vol.2 : Say Your Players」にも収録。かなりの好試合の望めるカードですが、見事に期待に応えてくれました!
 まずダニエルズの動きがいいですね。スワンダイブ式開脚ムーンサルトを2発も放つあたり、気合の入れようが伺えます。ジョーがラリアット避けてタイガースピン風に丸め込みしたのが無理ありすぎて笑える。ランニングカウンターのパワースラムが綺麗かつ早い!早回ししてるのかと思うほど。 後はエンジェルズウィングスが全然持ち上がってなくて笑った。流石に無理だわそりゃ。
 トータルで見てみると、とにかく双方気合入りまくり手合いまくり。まず技のフォームがやり手も受け手も完璧なまま試合が続くのが凄い。そして最初から最後までスピード感というかメリハリが凄くついてて、客にダレさせず異常なテンションで興奮させ続けるのは……もう参った。試合時間こそそれほど長くないものの名試合です。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ジェイ・ブリスコ
(2003年10月16日 「Tradition Continues」より)
 ブリスコ・ブラザーズの片割れ、ジェイ・ブリスコと対決。ちなみにシューティングスタープレスするのがマークで、しないのがジェイとかそういうレベルの知識です。
 案の定、グラウンド合戦から試合はスタート。関節技が中心の渋い展開が続きます。まぁ後半は派手な投げ技主体になるんですけどね。色んな面で圧倒的に不利なジェイが頑張り、ジョーがそれを叩き潰そうとする構図がしっかりしたのでかなり感情移入できました。良い試合です。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs AJスタイルズ
(2003年11月29日 「War of the Wire」より)
 AJスタイルズのベストバウトDVD「The Best of AJ Styles vol.2 : The Phenomenon Continues」にも収録。自分には双方のベストバウト集に載せるほどの試合には見えませんでしたが……。
 2度目のレビューになるんで、見直して気づいたことでも。まずAJとジョー双方ともマトモに技受けすぎ。Xディヴィジョンの魅力って、奇想天外な展開にあると思いますが、この試合に限ればほとんど無かったと思います。それから中途半端に打撃をしていたこと。威力もそうだし、出すタイミングもなんか変だった。それも含めて全体的に流れが間延びしがち(特に終盤)だったのも今回の敗因だと思います。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs マーク・ブリスコ
(2003年12月27日 「Final Battle 2003」より)
 ブリスコ兄弟のもう片割れが出陣。中盤までロープワークと関節技と打撃で試合を組み立てます。コーナーに追い込んでの頭突き受けがめっちゃ笑えました。あれはやりすぎ。後半まで顔面ウォッシュ引っ張ったのはなかなか賢い。
 全体的に見て格の違いを見せ付けるような展開。しかもジェイの時に比べて差は開いて、まるで新人vsトップレスラーのような感じ。大部分ジョーが攻めてる印象を受けます。流石にこれはちょっとね……。


 このDVD、良い試合もあれば普通の試合もあります。でもマンネリを感じるような試合は一つも入っていません。おかげさんで、1日で一気に見終えることができました。そしていかにジョーの試合がハイレベルで、よく纏まっていたか痛感させられました。どんな相手でも王座戦として見れるだけの試合をするというのは難しいことですからね。確かに「ROH版絶対王者」として任されたのも納得いきました。
 見る前は正直、技パクリレスラー的な見方をしていましたが、見た後はここまで使う場面をわきまえてちゃんと使ってれば問題ないと思いました。まぁ顔面ウォッシュは日米どちらにしてもしばらく見たくないですが。(笑)

(改訂日:2008年3月14日)


The Best of Samoa Joe vol.2 : The Champ is Here 評価:B
サモア・ジョーのベストバウトDVD第2弾。今回は絶対王者時代の後期にあたる04年の闘いを収録しています。


【ROH世界王座戦/4コーナーサバイバルマッチ】
サモア・ジョー vs BJウィットマー vs ロウキー vs ダン・マフ
(2004年2月14日 「Second Anniversary Show」より)
 BJウィットマーとダン・マフの頑張りにかかってます。でも外しそうで怖いですね……。
 実際はどうだったのかというと、打撃と関節技がメインの渋い試合でした。やっぱりジョーとロウキーは役者が違いますもん。後の2人は完全に食われてましたね。まぁその陰の薄さを利用していきなり乱入とかしてるんで、悪いとまでは言いかねますが。
 試合開始直後からジョーが重い打撃で先陣を切り、ロウキーもすかさず強烈な打撃と虚をつく関節技で場を盛り上げます。やや暖まったあたりで場外戦へ移行。ジョーはトペを出し、BJがロープを挟んでロウキーを場外へブレーンバスター。BJが背中から落ちるのを嫌がったか、頂点のあたりで後ろに適当に放ってしまい、投げられたというよりかはロウキーが勝手に落ちたように見えたのは駄目ですね。
 場外ではジョーのオレキックをロウキーがキャッチ→逆に椅子に座らせ強烈なモンゴリアンチョップ→ジョーが椅子を破壊しながらフェンスに吹っ飛ぶ→看板で切ったのか右手から大流血という変な流れで笑いました。ジョーの流血は結構酷かったので、さり気なくカメラの撮れる範囲から離れてテーピングしていた模様です。
 ダンのセントーンがわざとベタノリしてて苦笑しつつ、ジョーの右手を集中攻撃。タッチしたBJも同じく右手を集中攻撃。再びダンにチェンジしてようやくジョーの延髄切りが入って反撃開始。ダンはここの切り返しも酷かったな……。このBJ&ダンが攻める時間帯は打撃と関節技ばかりだったのですが、ロウキーやジョーと比べると甘すぎてアレですね。
 ジョーがコーナーに近づいてきたので、勝手にロウキーがタッチして終盤開始。まずは抗議して引き止めたジョーへの延髄切りに始まり、スワンダイブ式反転延髄切り、飛びつき式横十字固め風に飛びついて腕ひしぎ、ドラゴンスープレックスホールドと大爆発。BJがリストクラッチエクスプロイダーの体勢に入りますが、ロウキーもなんとかこらえて今度はキークラッシャー99に行こうとするもこれも返され、BJがぶっこ抜きのエクスプロイダー。これは良かったです。
 ここでBJがダンにタッチ、ダンもバーニングハンマーの体勢入りますが案の定、抜けられるもスピアー。そして勢いよくハーフネルソンスープレックス。角度は甘いもののかなり投げてる感が出てて良い感じ。今試合において初めてダンに褒めることができました。(笑)ロウキーがスペースローリングハイキックに行こうとしたところを逃げられたためセカンドコーナーに着地→ジョーが強烈な張り手の流れはgood。
 ロウキーからジョーにチェンジ。いつものパワーボム→STFの連携をするも上手く持ち上げられなかったか、投げっぱなし高角度パワーボムを放ち後からエビ固め→STF。そこへロウキーが顔面蹴りでカットして、フェイスtoフェイスするんですが、かなり緊張感が沸きます。因縁の対決って感じでね。そんな中、邪魔しにきたBJは2人でビックブートで追い出される。所詮は雑魚なのか!?(笑)
 そして直接対決。エルボーから張り手合戦を繰り広げるも、ロウキーが低空ドロップキックでジョーのバランスを崩し、ミドルキック連発、川田ばりのステップキック。しかしジョーはそれをガードしてジャブ→ニーリフト→張り手→ヘッドバッドと連打しまくり。しかしロウキーも浴びせ蹴りしてふらつかせる。それでもジョーはロウキーに延髄切り!この流れは熱すぎですよ。激しい打撃対決に観客からもROHチャントが。
 そこへダンとBJが乱入して、ダンがロウキーにバーニングハンマー、BJがジョーにリストクラッチエクスプロイダーの体勢に。でも案の定決まらない。(笑) ジョーがBJをダウンさせグラウンドニー連発からスリーパー。もう一方ではロウキーがアルゼンチンバックブリーカーの体勢からスリーパーに切り返しドラゴンスリーパーへ移行。しばしどっちが先にタップ取るか向かい合いになりますが、どちらも解除して場外へ追い出します。
 そして再びフェイスtoフェイス。あんたらも好きだな。お互い、気合の入った張り手から首投げ→サッカーボールキック。このタイミングでわざわざこれを出すってところにこの試合で見せたいものが明確に現れてますよね。フィニッシュムーブも全員投げ技で持ってるのに一切決まらず関節技ですしね。
 試合総評としてはぼちぼち良試合ってところです。間違いなくジョーvsロウキーの方が凄い試合になったと思いますけど、セミファイナルですし尺的にも内容的にもこんなもんでいいんじゃないでしょうか。


【ROH世界王座戦/スティールケージマッチ】
サモア・ジョー vs ジェイ・ブリスコ
(2004年3月13日 「At Our Best」より)
 ROHタッグ王者ジェイ・ブリスコvsROH世界王者のサモア・ジョーという構図。前回は大善戦の挙句ラリアットで切って捨てられているだけに、善戦で終わらない勢いを見せてほしいところ。
 今試合は隙を見てはケージの入り口からエスケープしようとするブリスコと、それを防ぎ圧殺せんとするジョーという構図で繰り広げられました。やはりと言うべきかジョーの圧倒的優勢のペースが大部分です。
 試合冒頭からジョーがジェイの腕を捻ったまま手首も極めてそこにヘッドバッド連発しだすという変な行動に出たため笑ってしまいました。ジェイはステップトーホールドでジョーをこかしたりラリアット避けた隙に出口へダッシュします。しかし阻止され、ジョーによってケージへ投げられ早くも流血。ベタすぎ!さらにはジョーがターンバックルを止めてる小さい鎖を外して入り口にかけて逃げ出せないようにしてしまいます。これで必然的に脱出するならケージ上部ということに。ケージからのダイブが出るか?と期待させます。
 圧倒的優位なジョーの重い攻撃をくらい、ケージ押し付け投げられ、逆転不可能と思えるくらいの悲惨な状況。カットしすぎたようで、ジェイの顔面がエラいことになっています。そこへ顔面ウォッシュするも、ジェイがいきなり動き出し、ランニングブートで吹っ飛ばしたのはなかなか良い光景でした。流石CZW上がり。流血への耐性が半端無いです。
 しかしケージに手をかけたあたりでジョーが追いつき、強烈な雪崩式バックドロップを食らってしまいます。この後、ジェイもお返しの雪崩式エースクラッシャーを繰り出しますが、どちらもトップロープ上にしっかり立ってる状態なので凄い迫力でした。フォームも○。
 終盤に突入すると、エルボー合戦から、ジョーのしかけたドラゴンSPをジェイが急所攻撃で抜けて、ランニングのラリアットでジョーを吹っ飛ばします。流石にこれは無理があるような……。(汗) それから再び双方上り始め、何故かトップロープ上でチョップ合戦。ジョーが落ちるもジェイも足を滑らせて(?)転落。ケージとロープの間に挟まったのを逃さず、ジョーの顔面ウォッシュがきまったと思いきや……まさかの仕掛けに爆笑。ケージショボすぎだろ!
 何とか阻止したジョーはパワーボム→STF。さらにニーリフトと張り手を連打して押すも、ジェイが延髄切りで逆転しJドリラーを決めて会場が盛り上がります。二人ともダウンしているところへ、マークが介入しようとケージに登りはじめたところに何故かAJが登場。マークをケージから引き剥がして、パワーボムの状態にすると場外でスタイルズクラッシュしてしまいました。いつの間にヒールターンしたんだ。
 ラストはケージからの脱出を巡って引っ張り合いになり、壮絶な必殺技で〆。試合終了後慌ててタオル持ってレフェリーが飛び込んできたのがガチすぎます。正直、流血しすぎで引いたし、あんまり飛び技も出ませんでしたが、内容・尺共になかなかの良試合かと。これまたセミファイナルですしね。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ホミサイド
(2004年4月23日 「ROH:Reborn Stage1」より)
 因縁の対決です。素早いロープワークとアームホイップ等で試合はスタート。双方とも見かけによらない素早い動きで少し笑えます。
 今試合はROHにしては珍しくメインイベントにも関わらずラストがアレなので、どちらもそこまでやる気になってないですね。それでも及第点が出せる程度の試合が出来るのは凄いですけど。
 前半にホミサイドが受けまくる展開があるのですが、どうも輝いてないように思えます。確かにこれまでホミサイドの名試合ってお互い攻めまくる熱い試合が多かった思いますし、受けで魅せるのは苦手なのかもしれませんね。
 ムーブ的には定番のものがほとんどで、そこまで特筆すべきことはないです。でもコーナーから飛んできたホミサイドに、ジョーがカウンターでSTO決めたのはカッコよかったですし、終盤のラッシュはやはり良いです。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs マット・ストライカー(Matt Stryker)
(2004年4月24日 「ROH:Reborn Stage2」より)
 WWEの先生ギミックのレスラーと名前がほとんど被って大迷惑なストライカー。初見ですが、なかなかガタイ良いですね。
 序盤はじっくりとしたグラウンドの展開や打撃が続きます。ジョーのゆっくりスピニングトーホールドに苦笑。そしてアイアンクローなんて珍しい技を使ってるのが印象に残りました。ストライカーの打撃が最初弱くて不安になりましたが、場外に出てから持ち直しましたね。でも打撃の当て方が試行錯誤してる感があってたまに説得力無かったりします。ジョーの方は本気でないもののいつも通りの破壊力はあるので無問題。
 まったり打撃しているうちにやや投げ技が出てきて終盤戦に突入。しかしストライカーの雪崩式ドラゴンスクリューが下手すぎて吹いた。確かにジョーも受けようと思ったらもうちょっとなんとかなったはずだけど、これは……。このやりとり以降からぎこちない動きが増えてきて、ストライカーの経験不足が露呈します。焦れたジョーは打撃の威力を上げて何とか収拾をつけようとし、マズいと思ったかストライカーも頑張って関節技やフィニッシュムーブを披露して〆。
 糞試合というほどのことでもないですが、試合時間の割りには物足りなさすぎる内容で、このDVD内でのワーストバウトはほぼ確定じゃないでしょうか。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ホミサイド
(2004年5月22日 「Generation Next」より)
 4月の対決が不完全燃焼に終わったことを受けての対決ですが、この試合にはもう一つの側面があって03年5月の対決(→ジョーのベストバウトDVD第1弾に収録)をも下敷きにしています。是非ともそちらを見てからこっちを見て欲しいですね。
 選手名コールの時にジョーが奇襲をしかけて試合はスタート。試合開始早々からダン・マフが介入してくるにも関わらず、全く問題にせずノリノリで攻めていきます。一方的に押されまくり、ホミサイドは去年の対決でも披露された場外フェンスに斜めがけしたテーブルへのトペ・コンヒーロで逆転しようとするも見事に自爆。潰れたテーブルにブレーンバスターで投げられるなどしますが、ダン・マフが椅子を持ってきた辺りから風向きが変わり、チェアショット、フォーク攻撃などダーティな攻撃で流血に追い込みます。
 そこからはホミサイドの攻勢に変わるも何故かペースを落とします。お陰でジョーの流血もストップ。(笑) そして前の試合でも見せたコーナートップからのダイビング技をSTOで迎撃すると、再びジョーのペースへ。珍しくデスバレーボムなんぞを決めると、コーナートップで去年の対決のように雪崩式筋肉バスターの体勢へ。しかしここでホミサイドが体を捻って雪崩式エースクラッシャー! ちょっとここ分かりにくくて、最初ジョーが雪崩式変形ファルコンアローやったのかと思いました。(笑)
 ここから両者の真骨頂であるド迫力の技のぶつけ合いがスタート。ホミサイドのラリアット→パイルドライバーを切り返してジョーが逆落とし→ホミサイドがバックドロップ→パイルドライバー→ジョーが張り手連打→ホミサイドのスイングネックブリーカー→インディアンデスロック式STF→クロスフェイスに移行→そのまま隠していたフォークで攻撃と、熱すぎる展開。
 滅多に出さないアイランドドライバーも返され、どうするかと思いきやホミサイドが延髄ラリアット→つんのめったジョーへのコップキラーの体勢に入る流れはかなり唸らされました。まぁこれは阻止されて半回転式バックドロップ→ラリアットの餌食になるのですが。
 最後は因縁の技でフィニッシュ。期待通りの熱い試合でした。とはいえ序盤〜中盤がイマイチだったし、双方ともまだまだいけそうな気配がするんで次回の対決では更に凄い闘いを期待したいところです。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs コルト・カバーナ
(2004年7月24日 「Death Before Dishonor2 Night2」より)
 全くキャラクターの違う両者の対決。どちらの色が強くできるのかに注目しましょう。
 案の定、地に足のついた展開でスタートしますがスピードはそこそこあり観客をダレさせません。ベーシックかつ上手いムーブを重ねた後、場外戦へ。椅子無いのでオレキックしないのかと思いきや、客席から折り畳み椅子が出てきたのはかなり笑った。
 逆にオレキックを食らってしまったのがスイッチになったか、リング内に戻ってからいきなりジョーがハッスル。パワースラム→張り手連打→ラリアットと爆発。カバーナもフロッグスプラッシュを敢行したりして一気にフィニッシュへ。
 王座戦にしてはコンパクトに纏まりすぎて欲求不満な感じです。内容自体は良かっただけにもっと見たかったですわ……。次の対決が楽しみです。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs ロッキー・ロメロ
(2004年10月15日 「Gold」より)
 最近ノアに来日し、石森と組んでGHCJrタッグ王座に挑戦したロッキー・ロメロが相手。
 やはり打撃・関節が中心でしたが、ほとんどロープワークしなかったりと総合格闘技風な異色の展開です。双方共に説得力としては問題無いのですが、終盤まで投げが出ないため少々地味にも感じるかも。あ、でもジョーはバックドロップやオレキック、ロメロはスワンダイブ式低空ミサイルキックとかウラカン・ラナ→腕ひしぎ十字固めのコンボとか、スワンダイブ式飛びつきDDTとか派手な飛び技もやってるので眠たくはならないかと。
 このテの試合はなかなか評価するのが難しいですが、少なくとも同じような傾向の試合であるマット・ストライカー戦よりは確実に面白かったです。


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs 真壁 伸也
(2004年6月26日 NJPW-USA「TOUKON 5」より)
 色んな意味で凄いカード。多分新日のLA道場で行われたと思しきミニ興行=道場マッチのようです。
 さてハードコア路線で現在ブレイク中の真壁ですが、当時はガタイは良いものの試合はしょっぱめという評判で中堅に甘んじていました。そこをジョーがどうしょっぱくならないよう料理するのかに注目したいですね。
 2人のファーストコンタクトですが、昔から評価されてる通り外見から来る迫力が凄い。重量的にはやや劣るものの、ROHの他の選手みたいな圧倒的戦力差は感じません。試合の方もやはりチョップやタックルなど基本的なムーブで肉体面を押し出していく展開で、中盤以降は適度に投げあったりジョーはオレキックやって〆と相成りました。
 真壁のセールの悪さが若干分かる程度で、普通に見られる試合にはなりましたが、王座戦と呼ぶには正直物足りなさすぎですね。


 AJベストのvol2に引き続き、こちらも正直評価としては芳しくないですねー。対戦相手に恵まれなかった部分もありますが、とにかく試合自体がセミだったりして内容もそれ相応になってしまってるのが痛いところです。CMパンクとの地獄の死闘シリーズは60分時間切れドロー2回→最終決戦なんで仕方ないにせよ、王座戦だけでもアメドラやダグ・ウィリアムス戦があるし、それこそ羊戦を入れても良いと思うんですよ。でも実際はCMパンクベスト3やサモア・ジョーベスト3に収録されてるわけで。そういう意味ではAJやダニエルズのベスト2と同じく「商売に走ったな」という気がします。残念。

(執筆日:2007年4月16日)


The Best of Austin Aries : Wrestling Machine 評価:B
 日本のネット界隈では「羊」の愛称で親しまれるオースティン・エリーズのDVDが登場。ROHデビュー〜ROH世界王座戴冠直前までを纏めた形になります。つうか出し惜しみせずにvsサモアジョー入れようよ!


オースティン・エリーズ vs ダニー・ダニエルズ
(2004年3月13日 「Do or Die2」より)
 羊さんのROHデビュー戦。今と変わらず良い動きはしてるものの、なんだかちょっと間が空いたりワンテンポ遅れたりするところがあって、本人達もノリきれてない様子。羊は流石に今と比べてちょっとムーブが粗いですね。それでも後半は客席からも声が出てきてそこそこ盛り上がった辺りでさくっと終了。可能性と才能が感じられる、まぁまぁな試合でした。


【4コーナーサバイバルマッチ】
オースティン・エリーズ vs ナイジェル・マッギネス vs ジミー・レイヴ vs ロッキー・ロメロ
(2004年4月24日 「ROH Reborn Stage2」より)
 技巧派が揃ったということで最初から最期まで主役はグラウンドです。基本的にはロメロとマッギネスがオリジナルムーブ、レイヴとエリーズがベーシックなムーブを披露する感じ。やはり前者2人が目立ちましたね。ラストはちょっと唐突。


ジェネレーション・ネクスト vs スペシャルK
(2004年5月22日 「Generation Next」より)
 ジャック・エヴァンスのベストバウトDVD「The Best of Jack Evans : Defying Gravity」にも収録。何でこれをこっちにも入れたのか良く分かりません。内容はともかくとして比較的短いですし。
 間の取り方が全然なっておらず未熟さが感じられる内容。特に飛び技関係はかなり酷かったです。イジーがドロップサルトやってジャックが1回転受けする場面とかかなり笑いましたよ。まぁ飛んだり投げたりと派手でお祭り騒ぎ的な試合なんで、変に予定調和な動きとかがあっても笑って許される雰囲気なのが救いでしたね。試合時間もそんなに長くないですし。


オースティン・エリーズ&ロデリック・ストロング&アレックス・シェリー
vs マット・ストライカー&ジミー・レイヴ&ジョン・ウォルターズ
(2004年6月12日 「World Title Classic」より)
 全体的に粗すぎる試合。グラウンドやりたいのは分かるんですけど面白さや説得力がついてきてないですし、打撃も甘すぎます。GN側のスリープラトンもぎこちなく、スピード感溢れる終盤のラッシュ以外は褒めるところがない出来でした。ただアレックス・シェリーがいてヒールっぽい初期GNが見られるのは価値あるかもしれません。それとリングサイドのカメラのレンズが汚すぎて、普通にホコリorレンズの傷が見えるのは勘弁してください。


オースティン・エリーズ&ロデリック・ストロング vs ジョシュ・ダニエルズ&ジョン・ウォルターズ
(2004年6月24日 「Survival of the Fittest」より)
 なんともマイナーな2人が相手ですが、タイツに「福」とデカデカ書いてある方がジョン・ウォルターズです。(笑)
 試合はベタなネタから始まり徹頭徹尾ベーシックな展開で、良い前座試合といった感じ。全員良い仕事してるんですが、ロデリックが特に良いですね。


オースティン・エリーズ vs ブライアン・ダニエルソン
(2004年6月24日 「Survival of the Fittest」より)
 かなり楽しみなカードですね。どれだけダニエルソンに迫れるか期待しましょう。
 試合開始からダニエルソンが攻め立てます。目にも止まらぬグラウンドというわけではなく、じっくりとした展開。SOTF決勝ということで前の試合でロスした体力やスタミナを回復してるんでしょうね。しかし程よく間が空いたところで次の展開に移行するため、退屈させられるようなことはありません。要所要所で地に足のついた技量の高さを披露してくれますしね。途中、羊が当時よく使っていた「コーナー振られる→そのままセカンドコーナーに飛び乗る→ダイビング背面エルボー」をドロップキックで迎撃したのですが、その高さ&華麗さと言ったら!
 羊も負けておらず、コーナートップに座るダニエルソンに向かって、セカンドロープに飛び乗ってのスワンダイブ式延髄斬りで反撃開始。セカンドロープに乗った地点からコーナーまで距離あったのにちゃんとダニエルソンの頭に届くとは……素晴らしいの一言につきます。ここから羊も攻め受けと素晴らしい動きを見せ、必然的に試合もダイナミックになります。やがて早めから羊が450プレスを見せ、ダニエルソンも呼応するようにドラゴンスープレックス→キャトルミューティレーションの極悪コンビネーションを決めるなど、試合は短期決戦を予想させる展開に。
 しかし羊がスターバーや垂直落下式ブレーンバスターを放っても勝てず、万策尽きたあたりから事態が急変。ここからダニエルソンが強烈なボディスラム5連発から激しいエルボー合戦を展開。途中、雪崩式バックドロップを挟んでさらにボディスラム連発。さらにふらついた羊に正面からベアハッグ→捻って逆エビ固め! 日本のプロレスのスタイルだと序盤〜中盤に出すのがお約束になっている技を、終盤に重用するとは物凄く斬新です。まさかの原点回帰の展開に圧倒されるばかり。
 予想を遙かに上回るグッドマッチでした。ちょっとフィニッシュ技ラッシュが早かったせいで、客のテンションが上がりすぎて最後の方は切れてたのが残念でしたけど、内容自体は文句なし!


【ROHピュアレスリング王座戦】
ダグ・ウィリアムズ vs オースティン・エリーズ
(2004年7月24日 「Death Before Dishonor2 Night2」より)
 かなり安定感のあるカードですが、予想を裏切ることなく、なかなかの良試合に仕上がってます。ただし実質ダグのワンサイドゲームですけどorz これが実力の差ってやつか!


オースティン・エリーズ vs コルト・カバーナ
(2004年8月28日 「Scramble Cage Melee」より)
 流石カバーナ。フィニッシュムーブ以外大技少ないですが、なかなかの熱戦に仕上がっています。ただ↑のダグ戦といい羊の個性が感じられず、「(相手の名前)の試合」という印象が強いのが気になります。


オースティン・エリーズ vs CMパンク
(2004年11月5日 「Weekend Of Thunder Night1」より)
 ちょっと怖いカードでしたが、両者とも自分の持ち味を出しており「羊とパンクが戦ったらこうなる」という想像を具現化したかのような熱戦でした。エリーズの徹底した膝攻めは説得力抜群で、パンクの膝目がけて450プレスを敢行したのはビックリしましたよ。


 やっぱりROHデビューからROH世界王座戴冠までの9か月の試合だけでベストバウト集作るのは無理がありすぎましたね……。多分戴冠までの全試合の半分以上になると思いますし。後半のシングルマッチはどれもそこそこ良かったのですが、今一つ熱狂できる試合がなかったのが痛いですね。前半となると今一つになってしまいますし。残念ながら評価は低めにせざるをえません。
 それと本DVDのベストバウトですが個人的にはvsアメドラですね。次点はvsパンク、カバーナ、ダグが横並びといったところでしょうか。

(執筆日:2007年10月22日)


The Best of Jack Evans : Defying Gravity 評価:A
 ドラゴンゲートに来日も果たしたジャック・エヴァンスは、その有名なフィニッシュムーブ:630°セントーンに代表されるように超弩級の飛び技を専門とするレスラーです。今でこそPACだとか義経(エル・ブレイザー)だとか匹敵するようなレスラーは何人もいますが、キャリアだとか露出具合からするとそういう飛び技専門レスラーの先達と言ってもいいかもしれませんね。
 今回のDVDはそんなジャックのROHデビューから半年程度の試合を纏めたものになります。今や懐かしいユニットとなった「ジェネレーション・ネクスト」の戦いを中心に、飛び技戦争となったスクランブルケージマッチや6メンメイヘムマッチがラインナップされてていかにも華やかです。彼を含め飛び業師達の一瞬の輝きをご覧あれ。
 あとシューティングスタープレス=SSP、スカイツイスタープレス=STPと略してます。つまり略す必要があるぐらい沢山出てくるわけで、正直ありえないですね……。


スクランブルケージマッチ・ダイジェスト
 最初にスクランブルケージマッチのダイジェストが。ちなみに試合日時不明。
 今では使わなくなってしまったオーデ・トゥ・ブリッツグリーク(スタンディング360°SSP→スタンディング・インフラレッドのコンビネーション)やらケージから場外へのスタンティン101(2回転式ムーンサルト)等、アホムーブとアホ受身が纏められています。ちなみに「アホ」ってのは褒め言葉ですよ。勿論。


【6メンメイヘムマッチ】
ジャック・エヴァンス vs アメージング・レッド vs サンジェイ・ダット
vs マーク・ブリスコ vs ジミー・レイヴ vs テディ・ハート
(2004年3月13日 「At Our Best」より)
 1つ目の6メンメイヘムマッチ。要するに4コーナーサバイバルの6人版で、4人がコーナーに待機して2人がリング内で戦い、試合中のレスラーが場外に出たら好きな奴が入って交代するルールです。
 さて、この試合ですが米インディーでも指折りの飛び技の使い手が集まり、オバカな超S級飛び技祭りが開催されました。特にサンジェイの踏み台式ノータッチプランチャ(クローズライン?)から始まる、マークの場外へのSSP→テディのコーナーから場外へのSTP→ジャックのスワンダイブ式インフラレッドという展開には唖然とし、そして大笑いしました。
 その後もサンジェイのドラゴンラナや、マークのカットスロートドライバー等派手な技やらがポンポン飛び出し、「馬鹿外人すぎ」と叫びたくなる光景が続出。レッドのレッドスタープレス(スタンディングSSP)が大人しく見えるってのはどーなんだろう。ホンマ、アホやこいつらっ!
 ……とはいえここまでやってくれたならもうわざわざ欠点言うのはどうかという気はするんですが、やっぱミスムーブ多いですね。テディ・ハートがSSPを着地しようとして後ろにこけちゃって、「お前何がしたいんだ」的な空気になったのは笑った。


【6メンメイヘムマッチ】
ジャック・エヴァンス vs アレックス・シェリー vs ジミー・ジェイコブス
vs ジミー・レイヴ vs マサダ vs ダニー・ダニエルズ
(2004年4月24日 「ROH:Reborn Stage 1」より)
 2つ目のメイヘムマッチは先ほどとうってかわって面子が面子だけにグラウンドやらベーシックなムーブが中心。というか1つ目のメイヘムマッチに比べて明らかにマットのスプリングが弱くなってるんですが。(笑)
 まぁそれはおいとくとして。試合なんですけども、ベーシックな中にもやはりROHらしい創意工夫のムーブが光ります。お笑い要素も細かくちりばめられ、後半もほどよく過激なムーブがあって○。ただグラウンドやりたいっていう意欲は分かるんですが、結構たどたどしいというかリズム感が悪い場面が多いのは×。


【タッグチームスクランブルマッチ】
ジャック・エヴァンス&マット・サイダル vs ジミー・ジェイコブス&アレックス・シェリー
vs カルネージ・クルー vs ダン&マルコス
(2004年4月24日 「ROH:Reborn Stage 2」より)
 いかにも手抜きそうなタッグチームスクランブルマッチ。お笑い要素も含んだ、ROHらしい創意工夫しすぎのムーブが中心。
 ただ後半にミスムーブが多すぎたのが痛いですね。カーニッジクルーのどちらかが明らかに筋間違えて四つん這いになったのは最悪。ですしその後のシェリーのやる気のないトルニージョも駄目駄目。後、リング内で構えて走って飛ぶのかと思いきや、唐突にコーナーまでスタスタと歩きだしたのには頭痛しか起きません。ただその後、ジャックが場外に向かってスワンダイブ式 開脚フェニックススプラッシュを繰り出したのには度肝を抜かれました。Holy Shit!!!


ジェネレーション・ネクスト vs スペシャルK
(2004年5月22日 「Generation Next」より)
 オースティン・エリーズのベストバウトDVD「The Best of Austin Aries : Wrestling Machine」にも収録されています。
 ジェネレーション・ネクストvsスペシャルKとされている試合は6人タッグ。ジャック&エリーズ&ロデリックvsイジー&ディクシー&エンジェルダストといった面々。相変わらずかなりのスピードで派手な技も飛び出しますが、試合時間が短いのでコメントし難いです。


ジャック・エヴァンス vs ブライアン・ダニエルソン
(2004年6月24日 「Survival of the Fittest」より)
 このDVD唯一のシングルマッチ、vsブライアン・ダニエルソン。お笑いマッチというか、ジャックがめちゃくちゃ体が柔らかいってことがよく分かるサブミッション祭り。色んな意味でありえない関節技をかけられています。ジャックの見せ場はスワンダイブ式の場外STPぐらいでしょうか。狭い場外スペースでよくやりますね。


ジャック・エヴァンス&ロデリック・ストロング vs イジー&ディクシー
(2004年7月17日 「ROH Reborn:Completion」より)
 今回の試合の中ではほどほどに濃くてオススメ。試合時間も短めですが、ちゃんと纏めてるんじゃないでしょうか? 途中でGNとスペシャルKが乱闘し始めたので、「どうするんやろ?」と思ってたらリング上にはジャックが……。ホンマ、そのキャラは美味しいな!


【スクランブルケージマッチ】
ジャック・エヴァンス vs トレント・アシッド vs ロック
vs デヴィート vs ダン・マフ vs BJウィットマー vs オマーン・タートゥーガ
vs ディアブロ・サンチアーゴ vs ファスト・エディ vs アルター・ボーイ・ルーク
vs ダン vs マルコス
(2004年8月28日 「Scramble Cage Melee」より)
 スクランブルケージマッチはルールがよく分かりません。ケージなのはともかくとして、なぜかちょっとだけ入り口が開いてて、どんどん外に放りだされて中と外で大乱戦やったりとかしてますが……。
 試合は派手な大技のオンパレードで怪我人も続出と酷過ぎましたが、ある意味最高にアホかつ華やかな試合でした。ケージトップから皆当たり前のようにバンバン飛ぶし投げますからね。クレージーとしか言いようがありません。


【4コーナーサバイバルマッチ】
ジャック・エヴァンス vs イジー vs トレント・アシッド vs ファスト・エディ
(2004年11月6日 「Weekend of Thunder Night 2」より)
 いい加減、場外で群れて待ってるレスラー達が愛しくなってきた。(笑) まぁどうしても筋がバレバレで技の披露会になってしまうので、ここまで露骨なのはやっぱ駄目なんでしょうけど。まぁコーナーto場外へのコークスクリュー630°セントーンは絶対見とくべし。試合自体もかなり短いです。


ジャック・エヴァンス&ロデリック・ストロング vs ホミサイド&ロッキー・ロメロ
(2004年10月16日 「Joe vs Punk 2」より)
 良くも悪くもROHらしい試合ですね。ちょっとドタバタしすぎな感じもしますが、そこそこ面白かったです。


 総評。個人のベストモノの割には登場レスラーが多すぎてゲンナリしましたが、それでもジャックの魅力がよく分かるDVDだったと思います。彼を代表とする大道芸チックな飛び技師のスタイルは賛否両論多そうで、その集大成の一つであるこのDVDをAランクとした意見には否定意見も多いと思いますが、今回見てなんというか「世界に1人はこういうレスラーがいてもいい」と思いました。そして「めっちゃ面白かった」という言葉も心に浮かびました。結局はそういうことなんでしょう。
 あ、あと派手な技オンパレードの試合が多すぎて胃が痛くなりそうになりました。例えるならずっとステーキばっか食ってる感じ。見る時は一度に全部見ようとせずに、ちょっとずつ見ていくのがベターだと思います。

(改訂日:2008年3月4日)


The Best of Homicide : MVP 2003 評価:A
 割と好きなレスラーなんですが、対戦カード的にはやや弱い&数少なめ&対戦相手被ってるってことで正直不安です。


【4コーナーサバイバルマッチ】
ホミサイド vs ジョン・ウォルターズ vs クリス・セービン vs ジャスティン・クレディブル
(2003年6月14日 「Night of the Grudges」より)
 それぞれの見せ場を作った普通の4ウェイ。ジョン・ウォルターズは初見ですが、なかなか動き良いですね。逆にセービンがやや無駄に動きすぎな感が。この中ではオールド&ビッグネームなジャスティン・クレディブルは完全に脇役なのが笑った。


ホミサイド vs トレント・アシッド
(2003年6月28日 「Wrestlerave」より)
 トレント・アシッドの奇襲からスタート。初っ端から場内狭いのにラ・ケブラーダやってフェンスに足ぶつけるなど、なかなかイカれっぷり&動けっぷりを披露してくれます。やがてROHには珍しく凶器多数のハードコアマッチに発展し、大火力戦でも動きが極端に落ちない辺り、双方ともとんでもないですね。
 アシッドの勢いに乗せられてか、ホミサイドもいつも以上にノリノリで激しい闘いを見せてくれました。コーナートップからのエースクラッシャーなんて、てっきりリング内のテーブルに落とすと思いきや、ちょっと前に設置していた場外のテーブルに落ちていくんですもん。たまげたね!
 全体的に見て、やっぱりハードコア戦にありがちな独創性のある危険ムーブの披露会になりがちで、あんまり褒められたもんではないかもしれないですが、2回もやったビッグブート合戦とか、本当に本人達が楽しそうにやってるのを見るのは楽しいです。「明るく楽しく激しく」つうのが全日本プロレスのテーマとしてありますが、それを四天王プロレス+ハードコアでやったって感じですね。


【4コーナーサバイバルマッチ】
ホミサイド vs BJウィットマー vs コルト・カバーナ vs ダン・マフ
(2003年7月19日 「Death Before Dishonor」より)
 これも良試合ですね。飛びすぎなトペコンやらトペスイシーダやらラ・ケブラーダを始めとして、全員勢いありすぎ。そこへカバーナを始めとしてお笑い要素を足してきて、非常に激しく楽しく愉快な試合です。
 ダン・マフのバーハンは始めて見ましたが、マットスプリング効き過ぎて、ビヨーンと跳んで絵に描いたようなフォームで落ちたのは笑った。そしてBJウィットマーが雪崩式リストクラッチエクスプロイダーを出したのも驚きました。永田さんかお前は。で、 どっちも受けたのはカバーナ というあたりも色んな意味で酷い。(笑) お疲れ様でした。


ホミサイド vs スティーブ・コリノ
(2003年8月16日 「Bitter Friends, Stiffer Enemies」より)
 本編の一番最初に収録されている暴動のきっかけとなった試合の決着戦といった所でしょうか? ちょっとやりあった後、いきなり有刺鉄線を持ち出してきて双方流血する等、かなり荒っぽい展開が続きます。中盤のトペコン誤爆をミスして(というのも変な表現だが)、フェンスの上に背中が乗った時は冷や汗モノでしたわ。コリノはともかくホミサイドは結構流血してるので、試合ペースも流石に下がり気味で後半はいわゆる四天王プロレスっぽい感じ。そこそこ面白かったです。


ホミサイド vs トレント・アシッド
(2003年9月6日 「Beating The Odds」より)
何故か試合開始からでなくアシッドが走りこんでくる所からです。
 さてホミサイドvsアシッドも2戦目。再び恐ろしくスピード感のある闘いを繰り広げます。凶器も多少混じり、お互い捨て身の技の数々を繰り出す様は、もう……なんつーか「ハードコア」って感じです。丁寧さは微塵もなくミスムーブもあって粗いけれども、面白い。
 ラストではホミサイドのフィニッシュムーブ「コップキラー」がようやく見れました。かつてハリケーンが使ってたというバーターブレイカーですね。


ホミサイド vs イグゼイヴィア vs マーク・ブリスコ vs ジョン・ウォルターズ
(2003年10月16日 「Tradition Continues」より)
 マークとウォルターズorイグゼイヴィアの絡みは最高級のクルーザー級レスリングって感じでイケてますね! 中盤からはいつもどおりの派手派手な展開で粗もありますが、なかなかの熱戦かと。


【ノー・ホールズ・バードマッチ】
ホミサイド vs サモア・ジョー
(2003年10月25日 「Empire State Showdown」より)
 ガンガンお互い攻め合う良い試合だとは思うんですが、わりとミスムーブが目立ったのであまり高い評価はできません。それにラストは笑えるんですけどやや唐突な感がありました。


ホミサイド vs BJウィットマー
(2003年11月1日 「Main Event Spectacles」より)
 おお、序盤のグラウンドの応酬に付き合ってる。ウィットマーは陰薄い&間が均等に空いてる感じがなんとも言えないですね。連続吊り天井とかはかなり度肝を抜かされたけど、普通の試合つう感じです。下手したらちょっと退屈かも。


 見る前に危惧していた糞試合も無く、平均点はかなり高いですね。個人的には、技のチョイスが渋すぎる&変わってるあたりや、あの体形であれだけ動ける所が気に入りました。特にエースクラッシャーとトペ・コンヒーロはイケてます。後、隠れ名脇役はダン・マフ。いかにも愛嬌あるデブ黒人つう感じで好きですね。プロレス自体はあんまりですが。

(改訂日:2008年5月6日)


The Best of Colt Cabana : Good Times Great Memories 評価:B
 10試合収録ということでかなりのボリュームですが、流石にお笑い系キャラなのでそうロングマッチは無いと思います。はたして吉と出るか凶と出るか。


コルト・カバーナ vs CMパンク
(2002年12月7日 「Night of the Butcher」より)
 いつもはタッグを組んでる2人が対決。お笑い要素もなく普通の試合ですが、所々で難しいムーブが飛び出し、双方とも高い技術を持っていることを証明しています。さらっとやってますけど、なかなかそこらのレスラーには出来ませんね。


【4コーナーサバイバルマッチ】
コルト・カバーナ vs マイケル・シェーン vs EZマネー vs チャド・コリヤー
(2003年2月8日 「One Year Anniversary Show」より)
 確かな実力者達による凄く良い試合です!連携やカットなんかも多く含まれ、4ウェイ戦の魅力を存分に見せつけてくれます。


【4コーナーサバイバルマッチ】
コルト・カバーナ vs ホミサイド vs ダン・マフ vs BJウィットマー
(2003年7月19日 「Death Before Dishonor」より)
 ホミサイドベストにも収録されてますが、この試合はやっぱり良いですね。ホミサイド&ダン・マフの豪快な飛びっぷり(飛びすぎ)が非常に印象的です。


コルト・カバーナ vs BJウィットマー
(2003年10月16日 「Tradition Continues」より)
 悪くはないんですが、レスラーの個性を出してるか?という意味ではカバーナのワンサイドゲームですね。案の定、序盤〜中盤にかけて地味な攻防が多いながらも、とぼけたムーブを織り交ぜてくるのは流石。BJも技術は十分持ってるものの、いかんせんアスリート気質で没個性的。まぁカバーナと比べるのは可哀想ですが。


コルト・カバーナ vs ダン・マフ
(2003年11月1日 「Main Event Spectacles」より)
 冒頭のカバーナワールド全開は笑えた。やっぱりカバーナが試合作ってますね。それなりに見れる試合にはなってるかと。


【ROHタッグ王座戦】
コルト・カバーナ&CMパンク vs ブリスコ・ブラザーズ
(2004年5月15日 「Round Robin Challenge 3」より)
 全員高い技術力を誇るだけに、グラウンド合戦からスタート。ROH流王道タッグマッチといった按配ですね。試合時間を見ても良い感じに纏まってるかと。ラストが結構意外な決まり手です。


【ROHタッグ王座戦/NoDQマッチ】
コルト・カバーナ&CMパンク vs ダン・マフ&BJウィットマー
(2004年5月22日 「Generation Next」より)
 ちょっと怖いカードでしたが、もうごく普通にタッグ王座戦として納得いく出来でした。後半辺りでちょっとダレる部分はありますが。それにしてもラストで、1つのコーナーに4人上ってやりあったのはアホすぎて笑えた。


コルト・カバーナ vs トレント・アシッド
(2004年6月24日 「Survival of the Fittest」より)
 ほどよいオープニングマッチ。またしても試合の頭からカバーナワールド全開。


【フォールズ・カウント・エニウェア・マッチ】
コルト・カバーナ&エース・スティール vs ダン・マフ&BJウィットマー
(2004年7月14日 「ROH Reborn:Completion」より)
 今DVDワーストマッチ。エニウェアフォールなんで場外乱闘ばっかりでツマンネ。終盤のカバーナの謎の転落が無理ありすぎ。映そうともしない所から見ると、落ちたように見せかけて塀の裏側にいるんでしょうね。(笑)


【ROH世界王座戦】
サモア・ジョー vs コルト・カバーナ
(2004年7月24日 「Death Before Dishonor 2 Part2」より)
 今までの試合とはうって変わってシリアスな展開。それにしてもジョー圧倒&封殺しすぎ。いくら普段お笑いキャラやってるからって……グッドマッチを期待していましたが、こりゃいけませんね。


 前半は良かったんですが、後半やや失速気味。それに彼の技量ならお笑いキャラとはいえ、もっとベストバウトありそうなもんですけどね。ちょっとランク付けに迷うところですが、まぁBランクならしっくりくるかなといった感じ。

(執筆日:2006年5月2日)


The Best of Spanky : DANGER! DANGER! 評価:B
さてさてWWEやZERO1で活躍したスパンキーのベストバウトDVDです。WWEではちょっとしか見たことなくて、正直イケメンぐらいしか印象が無かったのですが、このDVDで魅力を発見できれば良いですね。


スパンキー&イカイカ・ロア vs マイケル・シェーン&オズ
(2002年2月23日 「The Era of Honor Begins」より)
 オズとロアが初めて見る面子ってこともあり、全く期待していませんでしたが、これがなにやら面白い。全員が確かなスキルの持ち主で、間もそれなりに取れてますね。タッグらしいムーブはほとんどありませんでしたが、基礎的なムーブを中心に試合を作り上げたのは好感度高し。やっぱマイケルとオズがHBKの主催するTWAの生徒だからですかね。
 で、当のスパンキーはこの中でも輝いてたと思います。一味変わったムーブを所々で披露し、やられっぷりもやり過ぎない程度に豪快で、技術力・軽さ・ヤワさを全て魅力にしている印象を受けました。


スパンキー vs ジェイ・ブリスコ
(2002年3月30日 「Round Robin Challenge」より)
 案の定、見事なクルーザー級レスリングからスタートするこの試合。中盤からはどんどん投げ技も増えていき、一進一退の攻防が繰り広げられます。切り返しの妙はありませんが、我慢強さ、粘り強さがよく出ていたと思います。


スパンキー vs ブライアン・ダニエルソン
(2002年4月27日 「A Night of Appreciation」より)
 ややデンジャラスなカードのように思っていましたが、案外見れる試合になりました。
 試合の方ですが、序盤の関節技&グラウンド攻勢を、スパンキーが知恵と素早さで切り抜ける様はちょっと痛快。ロープ越えフェイスクラッシャーがミスりすぎててアメドラが困ってるのが笑える。この試合ではアメドラもかなり投げ技や打撃を使ってて何か違和感ありますね。ってか終盤でヤクザキックやらサンダーファイヤーパワーボムまで出したのには目を疑った。(笑)
 受身に関して一言。スパンキーの受けは相変わらず良いですが、今回はアメドラの不知火受けに注目したいところです。スプリングがかなり効いたリングのせいなのか、派手で強烈な印象を与えています。特に最初の不知火とかもう……凄いね。


スパンキー vs ジョディ・フレイシュ
(2002年6月22日 「Road to the Title」より)
 非常にアクロバティックかつ虚をつくムーブが楽しめるこの試合。スパンキーのテクニシャンぶりが光ります。わりと短い試合ですが、途中フレイシュが宇宙人ケブラーダで飛びすぎた辺りでちょっと心配しました。しかもほとんど当たってないのに劣勢のフリで戻っていくスパンキーと、失敗してもケロッとして全快でしかけていったフレイシュの双方に職人魂を感じます。


スパンキー vs ホミサイド
(2004年5月15日 「Round Robin Challenge 3」より)
 名試合。本DVD1番のベストバウトかもしれません。この試合ではホミが珍しく序盤グラウンドをしたのを始めとして、ROHらしい驚天動地の切り返しも終盤しか出てきません。やや異例な流れの中で何が観客の心を惹きつけたのか。
 それは両者が素晴らしい勢いでぶつかり合ったという点でした。切り返しをあえて減らし、真っ向から投げ技を受けあいました。字で書くと四天王プロレスっぽい感じもしますが、なんといっても全体のスピードが早く、ダウン時間も長すぎず短すぎず、全くダレさせない。体格もビジュアルも対照的な両者に漢気を見出しましたね。
 「なんでお前ら、そんなに戦える?」「まだ3カウント取られないのか?」この試合中、ずっとそんなことを思いつつ興奮させられっぱなしでした。両者の攻め受けのバランスも、ややスパンキーが押され気味ってところでちょうど良い具合です。大抵、こういう場合だとスパンキーがボコボコにやられっぱなしにしがちですし。
 ホミサイドはこういうスピード感溢れる試合で客を熱狂させるのが得意ですが、今回は見事にスパンキーがついていきましたね。体重差あるのによくやった。


スパンキー vs アレックス・シェリー
(2005年1月15日 「It All Begins」より)
 軽業師は既にジョディ・フレイシュ戦があったので、今度は技巧派の試合が見たいところですが、どうなるか。
 かなりじっくりとした腕の取り合いからスタート。その中にも斬新なムーブがいくつも見受けられ、流れもスムーズかつ間を読んでいます。期待通りの技巧派同士の試合といった感じです。しかしながら盛り上がるべき終盤で、一方が攻めすぎて流れが単調になってしまったのは大減点。


スパンキー vs CMパンク
(2005年2月19日 「Third Anniversary Celebration Part1」より)
 序盤も含めグラウンドが多く、変わったムーブが披露される場面も結構ありますが、全体的にはまったり。まぁ良くもなく悪くもなく。


スパンキー vs ジミー・ジェイコブス
(2005年2月26日 「Third Anniversary Celebration Part2」より)
 体格的にもわりと似ていて、受けて良し、攻めて良しといったところで、なかなか相性良さそうでした。ジェイコブスの曲者的なムーブも面白かったです。


スパンキー vs ジャック・エヴァンス
(2005年3月12日 「Back to Basics」より)
 カード的に相性が合わないかなーと思っていたら、それなりに対応してくるのがスパンキークオリティ。しかしジャックの攻めはもちろん、受けも新たな次元に達していますね。カスリゼロ戦キックでSSP+横1回転受けはどうかと思いますが。これと、ラストの謎不知火には吹いた。


【ROHピュアレスリング王座戦】
ジェイ・リーサル vs スパンキー
(2005年4月16日 「Stalemate」より)
 高い運動能力を持つものの、試合はしょっぱめなリーサルをどれだけスパンキーが引っ張れるかにかかってる感じですね。しかしピュア王座戦。難儀です。
 実際の試合の方はと言うと、やはり序盤のグラウンドを始めとしてスパンキーが引っ張りましたね。ピュア王座戦にしては珍しく投げ・打撃・飛び技もばんばん出て、関節技がやや多い普通の試合にしか見えません。(笑)
 最後も脈絡なさすぎて笑った。一応伏線は張ってありましたがあのタイミングはないだろ。


【FIPヘビー級王座戦】
ホミサイド vs スパンキー
(2004年12月17日 FIP「Florida Rumble」より)
 本DVD最後の戦い。もう一つのvsホミサイドはベストバウトでしたが、こちらは普通の試合でした。特に語る所もなく。


 今DVDでは意外とタフでテクニックがある所を見せつけられ、スパンキーを見る目は確実に変わりましたね。彼はWWEよりかROHやTNA等のハイスパート系の方が似合ってるように思いますが、いかがでしょうか?

(執筆日:2006年5月19日)
The Best of CM Punk vol.2 : Straight Edge 評価:B
 CMパンクのベストバウト集も第2作が登場。運動能力は高いし、それなりにグラウンドも出来るのに、今までこれといった名試合を見てないだけに、今度こそ見たいですね。


CMパンク vs スティーブ・コリノ
(2003年10月25日 「Empire State Showdown」より)
 まったりとした打撃戦に、コリノがしっかりとしたテクニックでスパイスを加える。そんな試合。


【ケージマッチ】
CMパンク vs レイヴェン
(2003年11月28日 「The Conclusion」より)
 壮絶ながらも、高度なムーブは特に登場せず、素朴でまったりとした試合。ラストはちょっと笑いつつもなかなか良さげ。


【ROHピュアレスリング王座トーナメント2回戦】
CMパンク vs ダグ・ウィリアムス
(2004年2月14日 「Second Anniversary Show」より)
 なかなか面白そうなカードです。パンクもそこそこグラウンドできるんで、そこまで外れることはないかと。
 案の定、ダグがグラウンドでパンクを子ども扱いする展開からスタート。リングがスプリング効きすぎることを利用したヘッドロック抜けにはかなり笑った。全体的にダグのテクニックと、パンクのオールラウンドさの戦いといった按配。なかなか良かったが、試合のオチだけは許さん。


【ROHピュアレスリング王座戦】
CMパンク vs AJスタイルズ
(ゲストレフェリー:リッキー・スティームボート)
(2004年3月13日 「At Our Best」より)
 双方共に気合が入っており、かなりの良試合になりました。序盤の頭の取り合い・腕の取り合いや、関節技が多様される光景ってのはまさにピュア王座戦にふさわしいですね。投げ技も飛び技も控えめですが、心技体に知恵まで充実した2人のキレのある動きが客を魅了します。


CMパンク vs ブライアン・ダニエルソン
(2004年4月23日 「ROH:Reborn Stage 1 」より)
 このカードを見て想像がつくように、グラウンドと関節技に重心が置かれた試合。個人的な話で恐縮ですが、アメドラは確かに技術はあるんだけど、試合が面白いかって言われると首をかしげてしまうんですよね。別に悪くはないんですが……。
 とまぁそんなわけで、この試合も地味な展開が続きます。所々面白いムーブもあるんですけどね。


CMパンク vs ハイドロ(ジェイ・リーサル)
(2004年6月24日 「Survival of the Fittest」より)
 ハイドロってジェイ・リーサルの旧名だったのか……。しかしどちらも試合をコントロールするのはあまり上手いとは言えないので、ちょっと怖いな。
 小気味良い基本技の応酬からスタートしたこの試合。全体的にテンポが速く、切り返しの妙もあるのでかなり楽しめるかと。予想外のグッドマッチですね。インディアンデスロックwithTシャツには笑った。


CMパンク vs オースティン・エリーズ
(2004年9月11日 「Glory By Honor3」より)
 途中からスタート。多分、最初の方だとは思うのですが。てかエリーズは髪型こっちの方がいいな。(笑) 試合の方はエリーズが冒頭から飛びまくった後、まったりとした展開、そして乱入祭りといったところ。


 さて前作に比べ収録試合の質は上がってるのですが、相変わらずマイク重視な所があり、今DVDではリッキー・スティームボートとのスキットが複数収録されていますので、英語のヒアリングができない方としてはキツいところでしょうね。しかもスキットを収録したものだからどうしても試合数が少なくなってしまいますし。う〜ん。
 評価としても迷うところなんですよね。凄い面白い試合はあんまり無いんですが、まったりと見れる試合はたくさんあるんで、そう平均点は低くないんですよ。まぁ前作よりかは1段上がってると思うんで、ぎりぎりBってことで一つ。

(執筆日:2006年5月13日)


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