Night of Champions 評価:A
 2003年3月22日、ペンシルバニア州フィラデルフィアで行われた興行となります。今大会はAJ&レッドvsブリスコ兄弟の他、ダグvsウィリアムスのテクニシャン対決等の好勝負が続出しました。既にこの2試合に関しては各選手のベストバウトDVDで見ちゃってるので内容保証済みなんですが、見たことないの試合の中ではロウキーvsジョディ・フレイシュとイグゼイヴィアvsジョーが気になりますね。


【4コーナーサバイバルマッチ】
BJウィットマー vs ディクシー vs マット・ストライカー vs アレックス・アリオン
 オープニングマッチはBJとストライカーがいるのでグラウンドとか関節技多めの渋めの試合になるかと思いきや、派手な技だけが先行したひでぇ試合になってしまいました。特に顔芸と飛び技ばっかやっていたディクシーと、色々酷かったアリオンの印象が悪いですね。


【タッグチーム・スクランブルマッチ】
SAT&クワイエット・ストーム vs イジー&エンジェルダスト&ドゥランジ
 無名のレスラーだらけで似たような格好してるので区別しにくそうですが、タイツの色がそれぞれ紫=クワイエット・ストーム 青=イジー白=エンジェルダスト赤=ドゥランジ なんで見分ける時の手掛かりにして下さい。それとクワイエット・ストームは、かつてK-DOJOの常連外人でイギリスのFWAって団体を本拠地にするジョニー・ストームと同一人物なんですね。こないだ調べてようやく知りました。
 さてこれまた派手な飛び技祭りになりそうな予感がしていたら、ばっちりと的中してしまいました。しかし前の試合とは違い、もはやここまでやってくれたら許せそうになるくらいにやりたい放題やっちゃってくれてます。特にSAT&ストームが中盤で出したリバースパワーボム絡みの波状攻撃は面白かったですねー。後は、横並びに立った相手2人の真ん中の肩が接する部分に飛び乗って2人まとめてウラカンラナ( 当然かけ手の足は相手の頭も何も挟んでない )には爆笑しました。無茶苦茶すぎる……。それとストームの必殺技「ストーム・クレイドル・ドライバー」がまんま土井のマスキュラーボムでビックリしました。マスキュラーもちゃんと元ネタあったんですね。それに03年にはもう出来てたことにも驚かされました。


バックシート・ボーイズ vs ダン&マルコス
 これまた温そうなカードですが、前2試合と比べれば大分普通の試合です。とはいえまだまだコメディ色が強いですし、そもそもスカッシュマッチなんですけどね。


【FWAヘビー級王座戦】
クリストファー・ダニエルズ vs ダグ・ウィリアムス
 イギリスのインディ団体FWAのベルトと、ROH世界王座の次期挑戦権をかけた試合です。テクニシャン同士の名勝負をご覧あれ。
 さてさてこの試合を見るのは3・4回目ぐらいになるのですが、試合開始直後の丸めこみラッシュから見る者を惹きつけてくれますね。それとダグが首攻め、ダニエルズが腹攻めしてたことに今さら気づきました。あと今まではダグのグラウンドの巧さばかり注目していたんですが、ダニエルズも当たり前ですが滅茶苦茶上手かったです。……これこそ今更ですね。(汗)
 見直して思ったんですが、ダグ絡みの試合の中では派手な技も多い方ですし、かなり取っつきやすい方ではないでしょうか?小川vsダグとかでダグに対して苦手意識持ってる人に是非お勧めしたいですね。いやぁそれにしてもROHにまた上がってくれないかなぁ。


ホミサイド&ダ・ヒット・スクワッド
vs サモア・ジョー&CWアンダーソン&ジャック・ビクトリー
 大味な巨漢祭り。完。
 ……で済ますのはアレなんですけど、メインで王座戦やるはずのジョー(何故か白のロングタイツ )がここでも登場した挙句、試合開始数分でカメラの前から消えてしまう(場外乱闘のどさくさに紛れてバックステージに帰った?)というとこ以外に突っ込み所が……。あー女性マネージャーへのコップキラーは一見の価値があるかも。


カルネージ・クルー vs メイス&ホットスタッフ・ヘルナンデス
 またまた巨漢祭り。その中でもヘルナンデスの大きさが群を抜いてますね。
 さて試合が始まってしばらくして気づいたんですが、メイスってゲイキャラなんですね。今試合で初めて名前を知ったんですが、結構驚きました。アメリカってゲイに対する風当たりが異常に厳しいとか聞いたことあるんですが、いる所にはいるもんですね。……何故そんなれすらーがヘルナンデスと組んでるのかがよく分からないんですが、特にストーリーがある訳でもないようなので、あえてミスマッチ感を出してみたとかそういうところなのかもしれません。肝心の試合はまたもや大味な展開で、ヘルナンデスの暴れっぷりを楽しむぐらいしか見所がありませんね。


【ROHタッグ王座戦】
AJスタイルズ&アメージング・レッド vs ジェイ・ブリスコ&マーク・ブリスコ
 これ見るの何度目なんでしょうか……。(笑) ROHタッグ王座戦線における初期の名勝負数え唄「アメージング・フェノメノン(AJ&レッドのタッグ名)vsブリスコ・ブラザーズ」の始まりとなった試合です。どうぞ御堪能あれ。
 さてさて何度も見てるので流石に驚きとかも減ってきてはいるんですが、今回は各選手の若さが凄く印象に残りました。だってAJが24歳、レッドが20歳、ブリスコ兄弟に至ってはジェイが19歳、マークが18歳ですからね。日本のプロレス界だと絶対ありえませんよ。若いが故にAJも含めて粗もあるんですが、将来性を感じさせずにはいられない激闘でした。いやはや素晴らしい。


ロウキー vs ジョディ・フレイシュ
 イギリスの飛び技使い、ジョディ・フレイシュがロウキーに挑んだ一戦。飛び技師のシングルって微妙なイメージが多いのでこれもどうかな……という不安が。対アメージング・レッド戦でも大いに盛り上げたロウキーの腕前を信じましょう。
 蓋を開けてみればまさかの大熱戦になったこの試合。お互い素早く切り返し合い、スキあらばえげつない打撃や飛び技をぶち込んでいく姿には感動すら覚えます。特にジョディ・フレイシュの720°DDT(スワンダイブ式反転スイングDDT=フレイシュのフィニッシュムーブの一つ)を巡る攻防が印象深かったですね。単発のムーブだとお得意の場外へのスワンダイブ式シューティングスタープレスや、まさかの「シューティングスターパイルドライバー」(シューティングスタープレスで相手の背後に飛びついた勢いを使って「横回転」してパイルドライバーというハチャメチャな技)には吹っ飛びましたね。特に後者はかなり無理がある動きで爆笑しました。
 飛び技使いの飛び技攻勢に対しロウキーが殺伐と叩き潰していくという構図の下に展開されましたが、これって前述したロウキーvsアメージング・レッドと共通してるんですよね。ただあっちは最初の凄まじい攻防以外はお互いに大技を撃ち合う展開が多かったと記憶していますが、この試合は最初から最後まで相手の動きを読み合う素早い攻防が繰り広げられ、非常にスリリングでしたね。そういう意味ではあの試合の進化系として捉えることもできるんじゃないでしょうか?個人的にはあの試合を超えたんじゃないかというぐらい面白かったです。


CMパンク&エース・スティール vs レイヴェン&コルト・カバーナ
 かなり微妙な面子のタッグマッチ。カバーナ以外の面々が不安すぎる……と思ったら本当に凡戦でした。レイヴェンが得意ムーブに専念したのと、他のレスラーが派手な技を結構繰り出したお陰で、思ったよりはマシでしたが、やはり先の試合の後では物足りなすぎます。また終盤にカバーナがラ・ケブラーダで足を捻って凄い悲鳴を上げたのには肝を冷やしました。あれは流石にガチですよね……。
 ムーブ的な見所としてはカバーナが珍しくスパイラルボムを放ったのと、力皇が昔使っていた「ベアハッグからのブレーンバスター」の要領でファルコンアローを繰り出したのが中々見応えがありましたね。


【ROH王座戦】
イグゼイヴィア vs サモア・ジョー
 誰もが予想だにしなかった戴冠、そしてAJスタイルズやポール・ロンドンを相手に防衛を積み重ねてきた第2代王者イグゼイヴィア。ファンの間では今や黒歴史扱いされているその政権をサモア・ジョーは終わらせることができるのでしょうか?
 あまりにも体格差があるため、試合は全編に渡ってジョーが圧倒する展開に。エグゼイヴィアが場外に投げ出されかけたのをトップロープを握って逆上がりの要領で戻ろうとしたところを、ジョーが普通に手で止めたシーンが特に象徴的かも。
 対するエグゼイヴィアも色々技を繰り出して反撃するのですが、普通にジョーをポンポン投げていて吹いた。(笑)ジョーvsエリーズを知る者からすればかなり微妙な気持ちにさせられる光景ですよ。うん。しかもブレーンバスターとかで投げてる割にフィニッシュムーブのキス・ユア・エックス・グッバイ(パイプハンドル・シットダウン・フェイスバスター)はかけてなかったりと中途半端すぎる……。トペ・スイシーダからのスイングDDT(場外の相手にまっすぐ飛んで行って首根っこ掴んでスイングDDT)なんかは良かったんですけどね。
 試合総評としては悪くはないけど短すぎるという感じでしょうか。何せ約12分ですからね。長けりゃいいってもんでもないんでしょうけど、AJにしろジェイ・ブリスコにせよロウキーにせよ15分以上やってるのに、ジョーが12分で決着ってそりゃないよって言いたくなりますよ。試合そのものは「悪くない」だけにもっと激しい攻防が見たかったです。


 と山あり谷ありといった感のある今興行。山に該当するのはFWA王座戦・ROHタッグ王座戦・ロウキーvsフレイシュで、谷に該当するのはオープニングマッチの4wayコーナーサバイバルとホミサイド&ジョー絡みの6人タッグですかね。山の部分が物凄く高いのでSランクつけるべきだろうとは思うのですが、興行で重要だと思われるオープニング・セミ・メインを外してしまってることを筆頭として興行全体のバランスが悪いように感じられました。全10試合というのも長すぎかと。
 また名試合の内、ロウキーvsジョディ・フレイシュ以外の2試合がAJとダニエルズのベストバウトDVDに収録されてしまっており、このDVDを勧める理由としては弱くなってしまうんですよね。そんなわけで悩んだ末にAランクとしました。残念。

(執筆日:2009年2月11日)


The Epic Encounter 評価:B
 2003年4月12日、ペンシルバニア州フィラデルフィアで行われた興行となります。今大会はAJ&レッドvsブリスコ兄弟の名勝負数え唄第2弾の他、ダニエルズのベストバウト集にも収録されたホミサイドvsダニエルズや、ポール・ロンドンvsブライアン・ダニエルソンの異次元対決3本勝負もあって、非常に楽しみです。


バックシート・ボーイズ vs ダ・ヒット・スカッド
 いきなり物凄く不安になる組み合わせ。果たしてオープニングマッチをしっかりと務めることができるのでしょうか?
 試合は概ねコミカル路線で、細くて華だけは多少あるバックシートボーイズがDHSの禿デブ達に挑むという展開で進みます。この試合ではラストのモンスターマック(マフィアことダン・マフじゃない方)の大暴れっぷりが強く印象に残りました。特にコーナーへスプラッシュマウンテン放った時に、衝撃でコーナーパッドが取れたのがかなり笑えましたね。
 双方ともかなり粗はあるものの、コミカルな展開と派手な技を織り交ぜてしっかりと客を盛り上げることに成功しており、思ったより良かったです。ただラストがアレ一発で決まるのは納得いかないですね。


【スクランブルタッグマッチ】
スペシャルK(ディクシー&ハイドロ) vs カルネージ・クルー vs ダン&マルコス
 一山いくらのタッグチーム祭り。でも3wayタッグならよっぽどヘマやらない限りはそこそこ見られる試合になるので、ちょっと楽しみだったり。
 オープニングマッチに続いて派手な技の飛び交う賑やかしマッチ。カルネージクルーがマジックキラーやってたり、ダンがまんま熨斗紙(notゴリーボム)やってて吹きました。先見性ありすぎ。それからこの手のタッグマッチでありがちな場外へのダイブ祭りの後、さらにコーナーからリング内へのダイブ祭りまでやりだしてかなり笑いましたね。ディヴィートが美味しすぎるだろ常考……。
 とまぁ実に賑やかな試合だったわけだったんですが、これもオチが今一つで残念です。


【ROHタッグ王座戦】
AJスタイルズ&アメージング・レッド vs ブリスコ・ブラザーズ
 ROHタッグ王座戦線初期の名勝負数え唄・第2番です。今度はどんな戦いになるのか楽しみで仕方がありません。
 試合開始早々いきなり4人で争い、2組に分かれて似たような動きを見せます。ドラゲとかのタッグ戦でもよく見かける光景なんですけど、予定調和な感じがして未だにあんまり好きになれませんね。でも、早々から場外ダイブを狙ってお互い避け合う場面や、AJ&レッドが交差するようにして場外へ編隊飛行した場面は相当興奮しましたね。その後の場外戦でも、AJのフェンス飛び越えてのトラースキックというムーブがジェイに避けられて、逆にトラースキックを食らったりと読み合いの展開が続いてファンを唸らせます。
 その後はややレッドが捕まるも、各自の個人技と合体技を上手く織り交ぜてテンポよく試合を展開。中でもやはり合体技が目を引きますね。特にアシスト付きコードレッド(=ヨシタニック)は気に入りました。ちょっと技の羅列っぽい場面もありましたが、リズムが良いのでダレさせなかったのは流石の一言。
 ラストは更に驚愕のムーブ連発で素晴らしかったです。AJ&レッドの飛び石式飛びつきスイングコンプリートショット→トーチャーラックボムのコンビネーションとか、ブリスコ兄弟が前回の対決のフィニッシュの流れを切り返して決めた雪崩式パワーボム+ネックブリーカーとか凄まじすぎますよ。その後にはAJがマークのプランチャをキャッチして場外でスタイルズクラッシュを敢行なんてクレイジームーブも披露しますし、レッドも説得力満点の大暴れっぷりで存在感を示していました。
 終わってみれば見事にAJ&レッドの王者組が目立った試合でしたね。ブリスコ兄弟は今ほど空中技&合体技が多くなく王者組に配慮してかこの時期としても控え目だったので、余計にAJ&レッドの華が引き立てられた感があります。素晴らしい試合っちゃ素晴らしい試合なんですが試合時間が10分少々というのも寂しいですし、次の対決では双方とも全開でやりあうのが見たいですね。


CMパンク vs BJウィットマー
 微妙にしょっぱいレスラー同士によるシングルマッチ。試合はグラウンドからスタートし、飛び技や投げ技がそこそこ飛び交うオーソドックスな流れです。グダグダな場面やミスムーブもいくつか見受けられましたが、まぁまぁ見れなくもない程度の試合には仕上がっています。ただ試合のオチが……今日はこんなんばっかですね。


ホミサイド vs クリストファー・ダニエルズ
 ダニエルズのベストバウトDVD「The Best of Christopher Daniels : The Prophecy Foretold」にも収録されています。
  途中からスタート。 ベストバウトDVDも途中からスタートだったし、もしかして完全版の映像って無いのかしらん?試合自体はお互いにガンガンと攻め合う展開。ホミサイドはこの手の展開が大の得意ですし、相手のダニエルズも上手く合わせているので、期待通りの良い試合に仕上がっていますよ。


アレクシス・ラリー vs アリエル
 カット多数あり。断片的すぎてレビューできません。


サモア・ジョー vs ホットスタッフ・ヘルナンデス
 今やTNA同士となってしまった2人がこんなとこで対決してたんですねー。TNAでもジョーはシングル戦線・ヘルナンデスはタッグ戦線なのでほとんど試合やってないはずですし、貴重な気がします。
 さてROH的にはかなり大型レスラー同士の対決となった今試合。双方ともパワーとスピードを兼ね備えていることを示し、潜在能力の高さを見せつけます。しかし残念なことに短い時間で唐突に終わってしまったので、全力の対決からは程遠い試合と言わざるをえません。ジョーが2試合連続でこなすことになってるからなんですけども、この試合をROH王座戦にした方が余程盛り上がるんじゃないかと思うぐらい可能性を感じましたね。かなり残念です。


【ROH世界王座戦/4wayマッチ】
サモア・ジョー vs コルト・カバーナ vs トム・カーター vs マット・ストライカー
  カットあり。 ジョーとカバーナ以外は微妙な面子の4wayマッチ。ちなみに現行の4コーナーサバイバル方式(コーナーに2人待機してタッチ貰って交代する)と同じ形になります。
 試合はいきなりジョーvs残り3人の構図となり、素早い攻防が展開されます。この試合で初めて見たトム・カーターですが、関節技を得意とするようですね。ストライカーも関節技系ですし、カバーナも派手な技はあんまりしないので、かなり渋い試合になりそうだなーと思いきや、4wayらしさ溢れる入れ替わりの激しいスリリングな展開だったので普通に楽しめました。
 ムーブ的にはトム・カーターがシェル・ショックやってたのと、雪崩式パワーボム切り返して雪崩式DDTを敢行した場面、それからカバーナがシュバインの体勢から自分の膝の上に相手の頭の落とす変形ネックブリーカーをやったのが印象に残りました。シュバインからのネックブリーカーって珍しいムーブをカバーナがやったことと、第2試合で先に他のレスラーが出してたせいでしょうね。


【3本勝負】
ポール・ロンドン vs ブライアン・ダニエルソン
 試合スタイルといい元の所属団体といい接点があまり無い2人がROHで激突します。しかも3本勝負ということで、どんな試合になるのか想像もつきません。
 やはりグラウンドからスタートしたこの試合ですが、一言グラウンドの展開と言ってもヘビー級のようにほとんど動かない(≒休んでる)というわけではなく、かなり運動量が多く攻守も頻繁に入れ替わるので、じっくりとしたグラウンドの展開が苦手な人でもダレずに見られるかと思います。飛び技や投げ技も思ったより多く、特にロンドンはWWEでは見せることのない引出しを開けているので、WWEファンならかなり興味深く見れるんじゃないでしょうか。
 1本目の終盤から大技も多少出てきますが、あくまでもベースは打撃や関節技のままブレがありません。普段の試合なら決まらない技であえて1・2本目を決めたあたりが、まさに象徴的ですよね。3本目はそれまでの伏線を生かしつつ、流石に大技も増えてくるんですが、ダブルダウンやグダグダな場面も結構出てしまい、若き2人の限界点が流石に見えてしまったのがちょっと残念でした。とはいえ当時の2人の年齢(ダニエルソン21歳、ロンドン22歳)を考えれば驚異的という他ありません。
 評価としては名試合にはぎりぎり手届かず、惜しくも良試合といったところです。成長した2人の再戦を早く見たいですね。今度こそ正真正銘の名試合になると思いますよ。


【アイ・クイット・バンクハウスマッチ】
ダスティ・ローズ&ホミサイド&アイスバーグ&ホミサイド・クルー
vs CWアンダーソン&ジャック・ビクトリー&デビッド・ヤング
&バー・ルーム・ブローラーズ
 う〜ん。見る前も見た後もなんでメインにしたのかさっぱり意図が掴めないですね。そもそも開始のゴングすら鳴ってないような乱闘を試合と呼んでいいものか……。試合自体もダスティ・ローズがエルボーしまくり、ホミサイドとアンダーソンがやりあってる場面しか印象に残らなかった上、アイ・クイットマッチなのに最後「I Quit」と言った場面がちゃんとマイクで拾えて無くて、唐突に試合が終わってしまったようにしか見えなかったりと頭を抱える内容。ダメだこりゃ。


 とまぁなんだかんだで語るべき所の多かったこの興行。見終わった後になるとマッチメイクについて強く不満が残りました。ジョーとホミサイドにダブルヘッダーやらせて意味不明なメインやって何がしたいんじゃコラ!ホミサイドvsダニエルズは別にしても、それ以外のジョー&ホミサイド絡みの試合が中途半端すぎてホント勿体無いですよ。メインとROH王座戦4wayマッチを無くして、ROH王座戦をvsカバーナかvsヘルナンデスでしっかりやってくれたら、もう一段評価上げられただけに残念でしょうがありません。
 それとDVDの容量の問題かもしれませんがカットが多かったのが残念です。特にホミサイドvsダニエルズは試合内容が良いだけに完全ノーカットを期待してたのですが……。ROH王座戦までカットとかそりゃないですよ。
 とまぁ欠点は多いのですが、ROHタッグ王座戦、ロンドンvsダニエルソンは期待通りの面白さですし、メインと女子の試合以外は及第点挙げられる出来なので、興味が沸いたら見ても損は無いかと思います。

(執筆日:2008年8月27日)

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